米Mozillaは、6月11日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 127」をリリースした。Firefox 127は、Firefox 126からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 126では、2024年5月22日にマイナーバージョンアップの126.0.1がリリースされている。126.0.1では、以下の修正が行われた。

  • スクリーンリーダーでタグ付けされたPDFドキュメントを読み取る際の問題の修正
  • macOS:クラッシュレポーターダイアログボックスでen-USロケール(米国)以外のローカライズされない問題の修正
  • Linux版:ドラッグ&ドロップができなくなる問題の修正
  • 特定バージョンのAMDグラフィックスカードでGPUメモリ使用率が高くなる問題を修正

セキュリティアップデートは行われなかった。今回は、126.0.1からのアップデートとなる。

Firefox 127のインストール

すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。

  • 図1 Firefox 127へのアップデート

    図1 Firefox 127へのアップデート

アップデート後のFirefox 127は、図2のようになる。

  • 図2 バージョン127にアップデート直後のFirefox

新規に、Firefox 127をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。

  • 図3 Firefoxのダウンロードページ

[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。

  • 図4 Firefox 127のインストール

画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。

Firefox 127の新機能

続いて、新機能であるが、以下のとおりである。

  • Windows PCを起動、または再起動するたびにFirefoxが自動的に起動するように設定可能に。 Firefoxを自動起動に設定すると、ブラウザ中心のデジタルルーチンが最適化され、手動による起動の遅延がなくなり、即時のWebアクセスが容易になる。
  • 図5 [設定]→[一般]の[コンピューターの起動時にFirefoxを自動的に開く]

  • rel="dns-prefetch" リンク要素を介してHTTPSドキュメントのDNSプリフェッチを最適化し、有効にする。この機能により、Web開発者は、事前に解決する必要がある重要なリソースのドメイン名を指定可能に。
  • タブバーの[すべてのタブをリスト]ウィジェットまたはタブのコンテキストメニューから[重複タブを閉じる] コマンドが利用可能に。このコマンドで、ウィンドウ内のすべての重複タブを閉じることができるように。
  • 図6 [重複タブを閉じる] コマンド

  • <img>、<audio>、<video> 要素がHTTPSページ内に埋め込まれている場合、リソースがのURLがHTTPでも、HTTPSへのアップグレードして読み込むように。これらの要素がHTTPSをサポートしていない場合は読み込まれない。
  • Firefoxのパスワードマネージャーのabout:loginsページに保存されているパスワードでアクセスする際に、デバイスのサインイン (たとえば、オペレーティングシステムのパスワード、指紋、顔または音声ログインなど) が要求される。

自動起動は、常時Firefoxを使うユーザーには、便利な機能となるだろう。

セキュリティアップデート

同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベースで15件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、4段階で上から3番目の「Moderate」が8件、4段階で上から4番目の「Low」が3件となっている。

「High」では、

  • 新しいタブを開くときに間違ったプリンシパルが使用される問題の修正
  • JavaScriptオブジェクト移植でのメモリ解放後使用
  • Firefox 127、Firefox ESR 115.12、Thunderbird 115.12で修正されたメモリ安全性の問題
  • Firefox 127で修正されたメモリ安全性の問題

などが対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。