パナソニックがスチームオーブンレンジの最上位機種「ビストロ NE-UBS10C」(以下、NE-UBS10C)を6月上旬に発売します。

同社調理家電のプレミアムライン「ビストロ」の名を冠した今回のNE-UBS10Cは、スチームオーブンレンジとしては2022年の前モデル(NE-UBS10A)から約2年ぶりとなる新製品。注目の新機能「おまかせグリル」で調理した料理を、プレス向け試食会で試食しました。

  • NE-UBS10C。価格はオープンで、直販価格は158,400円

まずはNE-UBS10Cの概要を先に紹介しましょう。NE-UBS10Cはパナソニックの高機能オーブンレンジで、搭載するグリル機能/レンジ機能/スチーム機能/オーブン機能を駆使した調理ができるほか、発酵も行えます。

基本機能は前モデルから引き継ぎつつ、新たに2つ、注目の調理機能が加わりました。冷凍・冷蔵・常温食材を一つのプレート上で同時に調理できる「おまかせグリル」と、冷凍食材や市販調味料をボウルに入れ、簡単に調理できる「凍ったままワンボウル」です。

なお、総庫内容量(30L)や本体サイズ、重さは前モデルとほぼ同じ。庫内サイズは幅394×奥行309×高さ235mm、外形サイズは幅494×奥行435×高さ370mm、重さは約20.0kgとなっています。

  • NE-UBS10Cを横から見たところ。ちなみにカラーはブラックとオフホワイトの2色で展開する

  • 本体の操作はタッチパネルから。新機能「おまかせグリル」は本体から操作できるほか、スマートフォン向けアプリ「キッチンポケットアプリ」からも設定できる

  • 庫内容量は約30L。上段、下段の2段オーブンで同時調理にも対応

家にある冷凍・冷蔵食材を一緒に調理できる「おまかせグリル」

新機能の「おまかせグリル」は、食材を裏返さずに両面を焼き上げられるヒートグリル皿に、好みの量の食材をのせ、自動で焼ける機能。冷凍の鮭と冷蔵の野菜など、冷凍食材と冷蔵食材、常温食材を混合させ、ヒートグリル皿に載せるだけでそのままオート調理ができます。

食材を裏返す作業や、アルミホイル、焼き網などは不要。“プレート上の食材をまとめてちょうどよく焼く”という調理メニューのため、レシピもありません。

冷凍・冷蔵・常温の食材のほか、焦げ付きやすいたれ漬けの食材にも対応。これまでも冷凍食材のみ、冷蔵食材のみの調理は可能でしたが、「おまかせグリル」では冷凍・冷蔵食材を一緒に加熱できるようになり、解凍の手間が不要に。買い置き食材をまとめて、最適な加熱プログラムで調理できるよう進化しました。

  • おまかせグリルの特徴。買い置きや残り物野菜、パックご飯などをまとめてグリルできる

  • アプリでは写真を撮影するだけで食材の量を1%単位で認識。食材の量と種類、状態から最適な加熱を実現した

「おまかせグリル」の設定は、パナソニックが提供する「キッチンポケットアプリ」を使う方法と、本体メニューで設定する方法の2通りがあります。

「キッチンポケットアプリ」を使う場合は、同アプリからヒートグリル皿にのせた食材を撮影すると、食材の量を1%単位で認識。これに、冷凍肉/冷凍魚やたれ漬けの食材の有無などをチェックボックスで入力(当てはまるものをタップするのみ)すれば、あとはアプリの指示に従い、おまかせ調理をスタートするだけで調理が開始します。アプリを使わず、本体のメニュー画面でも手動で食材の分量を選び調理できます。

冷凍食材と冷蔵食材をまとめて調理できる機能は、同社スチームオーブンレンジではこのNE-UBS10Cが初。冷凍食材が生焼けになったり、冷蔵食材が焦げすぎたりしないか心配ですが、冷凍食材の分量に応じて庫内を適切に温め、両面グリルとスチームを活用し、冷蔵・常温食材が焦げないよう加熱する設定だといいます。

「おまかせグリル」で食材はどう焼ける? 鮭と豚肩ロースを試食

今回は実際に「おまかせグリル」で作った鮭と野菜のグリル、豚肩ステーキを試食しました。

鮭と野菜のグリルの食材は、冷凍の鮭切り身、冷凍のブロッコリー、冷蔵のありもの野菜(パプリカ、玉ねぎ、ブロッコリー)を使い、全てをヒートグリル皿に載せて調理スタート。約16分ほどで焼き上がりました。

試食では、鮭はふっくら加熱され、野菜もほどよい柔らかさに仕上がり、見た目もきれい。野菜の一部に若干の焦げ目がついていたものの、その香ばしさも含めて美味しく焼きあがっていました。

豚肩ステーキでは冷蔵の豚肩ロース、冷凍のインゲン、冷蔵のありもの野菜を同じくヒートグリル皿に広げ、自動で温めます。お肉はしっかり火が通りながらも固すぎない仕上がりで、いんげんと野菜も適度な歯ごたえで美味しく仕上がっていました。

いずれも肉や魚の専用調理モードではないため、“外はパリッと中はふっくら“のようなプロに近い仕上がりではありませんが、家庭で食べる日常的な料理を時短でパパッと作りたいときには十分すぎる出来上がりだと思いました。

  • 鮭と野菜のグリル。冷凍の切り身から調理をスタートした鮭は、しっかり焼かれている一方で固くはなく、ちょうどよい焼き加減。野菜も柔らかくグリルされていた

  • 豚肩ステーキ。こちらも冷蔵の豚肩ロース、冷凍のインゲンともに柔らかく焼きあがった

  • 焼きあがった後の鮭と野菜のグリル。変色もなくきれいに調理されている

  • 「キッチンポケットアプリ」では、ヒートグリル皿を真上から撮影し、食材の分量を自動認識

  • その後、冷凍肉や魚など、加熱に影響を与える食材があるかをチェックすると、焼き時間などが表示され、調理がスタートする

  • 本体メニューでも「おまかせグリル」を操作できる。食材の分量を選び、冷凍肉・魚の有無や骨付き肉があるかどうかを選択

冷凍具材を使ったパスタがワンボウルで完成する「凍ったままワンボウル」

冷凍食材や市販調味料を使い、麻婆なすなどのメニューが簡単に調理できる「凍ったままワンボウル」も新たに搭載された機能です。

こちらも冷凍・冷蔵食品を混ぜて加熱できる点がうれしいところ。64眼スピードセンサーで食材の温度を高速センシングし、食材の分量・冷凍割合に応じて自動で加熱を最適化することで実現しています。

食材をボウルにすべて入れ、まとめて調理するワンボウル調理機能はこれまでも搭載されていましたが、冷凍・冷蔵食材を混合して調理できることがポイント。例えば冷凍パスタでは、冷凍食材や冷蔵食材、水、油、乾麺(パスタ)を耐熱ボウルに入れて調理をスタートし、出来上がったら市販のパスタソースを絡めるだけで、パスタが完成します。

  • ワンボウル調理の1つ、「凍ったままパスタ」を調理する流れ

  • ワンボウル調理で出来上がった麻婆豆腐。冷凍の豚ミンチ、冷凍の揚げなす乱切り、市販の麻婆なすの素(液体)をボウルに投入し、ワンボウル調理をスタート。出来上がり後に全体を混ぜて完成だ。なすの照りやひき肉の色合いが美味しそう

このほか基本機能も使いやすくなり、通常の手動あたため(500W/600W)後にスピードボタンを押すと、高出力に切り替えて温め時間を最大約38%短縮する「スピード機能」も搭載。また、フッ素加工済みのヒートグリル皿は汚れが付きにくく、新たに食洗機での洗浄にも対応しました。