オランダのFairphoneがバッテリーおよび部品を簡単に交換できる完全ワイヤレスイヤホン「Fairbuds」を発表した。欧州で予約販売を開始しており、価格は149ユーロである。
Fairbudsは、チタンコーティングを施した11mmのドライバを搭載し、再生周波数帯域は20Hz~20kHz。アクティブノイズキャンセリング(ANC)、デュアルポイント接続、タッチコントロール、Bluetooth 5.3などの機能を備え、専用モバイルアプリ(iOS、Android)を通じてプリセットやイコライザーの設定によるサウンドのカスタマイズが可能である。1回の充電で最大6時間、充電ケースとの併用で最大20時間使用できる。
部品交換が可能なスマートフォンで注目を集めたFairphoneは、電子機器の環境および社会への影響を最小限に抑えることを目指している。Fairbudsもユーザーが長く使い続けられる設計になっており、イヤホンと充電ケースのバッテリーは1990年代のフィーチャーフォンのように簡単に交換できる。さらに、イヤーピース、右イヤホン、左イヤホン、充電ケースのシェル、充電ケースのコアをユーザーが簡単に交換できるように、Fairphoneは各部品を提供する予定である。イヤホンはIP54相当の生活防水性能を備え、購入後2年間の保証が提供され、オンライン登録することで保証期間を1年間延長することができる。
バッテリー内蔵の小型ワイヤレスイヤホンであっても、バッテリーを交換できないわけではない。iFixitを検索すると、AppleのAirPodsやSamsungのGalaxy Budsのバッテリーを交換する方法を見つけられる。しかし、接着剤やラバーをヒートガンや溶剤を用いて溶かしたり、万力で圧力を加えるなど、一般ユーザーにとっては非常に困難な作業である。
EU(欧州連合)では、スマートフォンなどの電子廃棄物問題対策として、充電ケーブル/充電アダプターに続き、バッテリーを簡単に交換できる設計の義務化の議論が進められている。Fairbudsのようにバッテリーを簡単に交換できるデザインなら、バッテリーの寿命によるイヤホンの買い換えを避けられる。ただし、Fairbudsはイヤホンのサイズが28.7x24.6x21mm、ケースは65x65x27mm。イヤホン+充電ケースの重量は78gである。これはAirPodsと比較して、充電ケースのサイズが約2.1倍大きく、重量は1.68倍重い。