二週連続のコンシューマー製品発表会。今回はInspironとAlienware
デル・テクノロジーズは2024年2月27日、InspironとAlienwareの新製品発表会を開催しました。当日は二部構成になっており、第一部がInspiron、第二部がAlienwareとなっています。
第一部ではコンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部本部長の文英梅氏がコンシューマー&スモールビジネスの製品戦略を紹介。
従来個人向けメインストリーム製品としてInspironというブランドがあり、法人向けのエッセンシャル製品、平たく言えば信頼性とコスパを最重要視し、見た目や高い性能を求めないVostroというブランドがありましたが、今後はInspironとして一本化すると説明しました。
ユーザー視点で見ると、個人向け製品でもビジネスで求められる機能が入る(ノートパソコンの堅牢性テスト合格やTPMに別チップを使った製品、セキュリティロック。15インチ以上の製品のテンキー搭載、LANコネクタの搭載/オプション)のは悪くなさそうです。
最近コストや消費電力の観点でRAMがメインボード直付けの製品が主流だったのですが、企業向けの場合後日のメモリアップグレードの要望が多いため、今回発表されたInspironはメモリスロットを内蔵(今回発表された製品はSO-DIMMのデュアルソケットとなっているとの事)。これはちょっと面白いかもしれません(保証範囲を超えるのですが、安い最小構成製品を買って、RAM/SSDを換装する人もいます)。
ハードウェアは同一ですが、法人向けにはWindows 11 Proの搭載、法人向けのプロサポート、Officeソフトの扱いと標準搭載セキュリティソフトが異なるという違いがあります。ここで唯一変わるとするとサポート体制で、今後Windows 11 Proを選ぶと業務用と判断されるらしく「(個人向けのプレミアムサポートではなく)企業向けのプロサポートになる」との事。
なお、ビジネス用途のWindows 11 Proの提供は現在のVostro製品の販売終了と共に順次開始される予定です。
引き続きコンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部コンサルタントの松原大氏が新製品を紹介。
年末にCore Ultraを採用したInspiron 13が発表済で、今回発表されたのはInspiron 14/16とInspiron 2-in-1 14、それにAIOのInspiron 24/27オールインワンの5製品。うちInspiron 16を除く製品は本日から販売を開始し、Inspiron 16は3月下旬からの発売となります。
先週発表のXPS同様にノートパソコンは右CtrlキーがCopilotキーに変更されCopilot機能の絡みもあり搭載OSは最新版のWindows 11 23H2となります(会場のサンプルはCopilotキーが付いていませんでした)。
今回の製品でちょっと異色なのがInspiron 14。他の製品はIntel Coreプロセッサ(シリーズ1)を搭載するのですが、Inspiron 14には第13世代 Core iプロセッサのモデルが用意されます。ちなみにInspiron 15のモデルチェンジはなく現行製品が継続販売となります。
また、最近のInspironは天板がアルミ製ですが、Inspiron 14の第13世代 Core iプロセッサ搭載モデルは天板もプラスチックでWebカメラのプライバシーシャッターなしでノイズ軽減AIを使ったデュアルマイクもありません(指紋認証付きキーボードもオプションです)。Vostroがコスパ重視なのでプラスチック天板モデルはVoltro並のコスパを要求する方向けの製品と言えるでしょう。
カラーリングはアルミ天板モデルがアイスブルーとミッドナイトブルーの二色で、プラスチック天板モデルはカーボンブラックとアイスブルーの二色となります。AIO製品はパールホワイトとダークシャドーグレーの二色展開です。
なお、Inspiron 14/14 2-in-1/24/27は本日から販売開始ですが、Windows 11 Proモデルは先に説明した通り後日発売開始、Inspiron 16は3月下旬の販売を予定しています。
本日の発表で、Intel CPUを使用するInspiron、XPS、Alienwareのモデルチェンジが完了しており、おそらくAMD CPU製品も近日中に発表されるのかという気がします。
コンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部 本部長の文英梅氏、同コンサルタントの松原大氏|
Alienwareはエアフロー強化でより高性能に。ゲーミングキーボード / マウスも力作
第二部はAlienwareパートとなりました。
まずビジネス概況をコンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部シニアマネージャーの稲村陽氏が紹介。日本のゲーミング人口は約5400万人でうちPCゲーマーは1406万人。
多くの年齢層がゲームを楽しんでいる一方で、PCゲームは比較的年齢層が高めとなっています。一方、ゲーミングPCを購入したからと言ってゲームだけで使っているのではなく、高い処理能力を生かした利用もされています。
Dellのゲーミング製品はコアゲーマー≒高性能なAlienwareとカジュアルゲーマーに向けたDell Gシリーズの二本立てです。本日は高性能なAlienware製品の紹介という事で、高性能×ジェネラルユースのAlienwara m16 R2と高性能×デザイン性のAlienware x16 R2が発表されました。どちらも3月5日発売予定です。
新製品群を説明したのはコンシューマー&ビジネスプロダクトマーケティング統括本部シニアアドバイザーの王鵬程氏です。
Alienware m16 R2はCore Ultra 9+RTX 4070まで対応する最大175Wの消費電力に対応できる製品となります。従来機よりも奥行きが短くなった一方でエアフローが改善されているのが特徴です。また「ステルスモード」と称してF2キーを押すとライティングが地味になり、パフォーマンスを静音モードに即座に切り替えることができます。
Alienware x16 R2はCore Ultra 9+RTX 4090まで対応する最大220Wの消費電力に対応するとハイパワー。このためヒートパイプの端をレーザー溶接する事でヒートシンクとの接触面を最大化と地味ながら効く手法を使用しています。RTX 4080以上ではさらに独自の熱電度素材と大型ベイパーチャンバーで冷却能力を高めています。
ディスプレイも二製品を紹介しました(2月7日にプレスリリース済)。Alienware 31.5" 4K QD-OLEDゲーミングモニターAW3225QFは世界初の4KのQD-OLEDパネルをいち早く商品化。湾曲ディスプレイで没入感も高く、240Hzのリフレッシュレートと0.03ミリ秒のGtG応答速度と素早い動きで敵を察知する必要のあるFPSに特に向いています。
Alienware 27" 360Hz QD-OLEDゲーミングモニターAW2725DFはQHD解像度のゲーミングモニター。こちらは360Hzのリフレッシュレートに加えて0.03ミリ秒のGtG応答速度を持っています。ちなみにQD-OLEDは青色有機EL発光層を量子ドット色変換層を通じて赤、青、緑の純度の高い光を発するもので、従来のOLEDよりも多彩な色を表現する事ができます。
Alienwareの周辺機器として、Alienware Pro ワイヤレスキーボードとAlienware Pro ワイヤレス ゲーミング マウスも紹介。どちらもプロゲーミングチームTeam liquidのアドバイスを受けた製品となります。
キーボードの方はゲーマーに人気の75%タイプで、キー交換可能なホットスワップを採用しており、標準的な3/5ピンキースイッチに変更できます(購入時はいわゆる「赤軸」を採用しています)。パソコンとの接続はUSB-C、専用2.4GHzとBluetoothの三タイプ。Bluetooth以外は1Khzポーリングとなっています。
基盤をシリコンダンパーで挟んでいる事もあり、入力が非常にスムーズかつカッチリとしたタイピング感でした。ワイヤレス時の動作時間もデフォルトライティングで72時間。ライトオフで798時間(いずれも最大値)。
ゲーマーだけでなく、デザイナーにも向いていそう(我々のようなライターには「アガるキーボード」という感じ)なのですが、現在は英語配置のみ販売で「日本語配列はユーザーのフィードバック次第」との事でした。
マウスは無線接続で4kHzポーリング、有線で8kHzと超高速レスポンスに加えて、スイッチは光学式。最近の流行である軽量マウスに有力な選択肢が備わったという感じです(惜しむらくは試せるところがないという点で、これは現在開催している東京駅ソバのKITTEのようなポップアップストアの際、あるいはDellが協賛しているゲームイベント時に試すのがよろしいと思います)。
Team Liquidの協力という事で「どのような方がフィードバックしたのか?」という質問がありました。「Team Liquidの誰がフィードバックしたかはわからないが、商品の性質から考えてFPS部門のメンバーだろう」という回答でした。ちなみにAlienwareはTeam Liquidにスポンサーシップをしているので、その繋がりでフィードバックを得たのでしょう。
先週XPSの新製品が発表されました。XPS 16はCore Ultra 9 + RTX4070とAlienware m16 R2と表面上同じスペックの構成が選択できますが、許容できる消費電力と放熱性に優れたAlienwareの方が高い性能との事。VR等の展示会でゲーミングパソコンをデモに使っている事が多いのは「持ち運び容易で性能を求めるならゲーミングノート」というのはかわらなさそうです。
デル直販ストアでポイントプラグラム開始! 本体購入→アクセサリー購入で便利
最後に、コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部本部長の横塚知子氏がキャンペーンの紹介。現在「新生活応援キャンペーン」を実施しており、Dell直販以外も含めたすべての販路が対象となります。
インテル製品購入の方は1200名(QUOカード5000円分が1000名、デルベア3色ボールペンとデルベアぬいぐるみが各100名)、AMD製品購入の方は200名(QUOカード5000円分が200名、THERMOSマグカップのブルーとベージュカラーが各50名)、モニター商品購入の方は500名(QUOカード5000円分が400名、プレイステーションチケットが70名、Alienware有線ゲーミング マウスAW320Mが30名)となっています。
また、先月からDell直販サイトにてポイントプログラム「Dell REWARDS」が開始されました。基本的に購入金額の3%がポイントとして貯まり他の商品購入に利用できます。ただし、「ポイントは発行された月から7か月後に相当する月の15日まで有効&ポイント利用は1500ポイント単位で最終支払金額が7500円以上」なので、この点は要注意。