2023年11月16日にコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)から発売された『桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~(桃鉄ワールド)』は、プレイヤーが会社の社長となり、総資産ナンバーワンを目指すパーティゲーム「桃太郎電鉄」シリーズの最新作だ。
今作では、シリーズ初となる球体マップを採用しており、ステージが世界へと広がった。地球上のさまざまな都市をめぐって、その地域ならではの「物件」を購入できる。
各都市の物件の監修を担当したのは、ガイド本『地球の歩き方』だ。そのため、物件として登場する世界各地の名産品や産業などはかなり正確。遊びながら世界中の地理や文化を学べるのもこのゲームの特徴の1つだろう。
そんな『桃鉄ワールド』らしさを体感できるメディア向けのイベントが開催された。リトアニア共和国大使館のオーレリウス・ジーカス駐日大使(以下、ジーカス大使)と『地球の歩き方』編集室の梅崎愛莉氏(以下、梅崎氏)を招いて、リトアニアの首都「ビリニュス」の物件などを紹介するというものだ。
駐日大使を招いた『桃鉄ワールド』のイベントは、ジョージア、トンガ王国に続いて3回目。だが、今回はやや趣向が異なっていた。
ゲーム内の「ビリニュス」には、「生ハチミツ専門店」「ハーブティー店」「ハーブ農園」「酪農牧場」の物件がラインアップされていることもあり、「食」をテーマに設定。会場ではハーブティーをはじめ、チーズや生ハチミツといった特産品が振る舞われた。ゲームに登場するバルト三国の物件の解説を聞きながら、リトアニアグルメに舌鼓を打つ。
試飲用として参加メディアに提供されるハーブティーは6種類。ジーカス大使によると、リトアニアのハーブティーはさまざまなテイストがあり、冬はジンジャー、夏はラズベリーなど、季節に合わせて飲む種類を変えることもあるのだとか。
「リトアニアでは、ほとんど毎日ハーブティーを飲みます。個人的にはストロベリーが好きです」とジーカス大使。また、リトアニアでは独自の伝統的なサウナ「ピルティス」が一般的で、サウナのあとにもハーブティーを楽しむという。梅崎氏は「ハーブティーはスーパーマーケットでもよく見かけます。ベリー系の種類が豊富で、どれにしようか迷うくらいでした」と説明する。
では、せっかくなので今回は6種類のうち「ラズベリー」をチョイスしてみよう。用意されていたポットからお湯を注ぎ、赤く染まったハーブティーをひとくちゴクリ。すると、ラズベリーのほどよい酸味が広がる。爽やかな味わいだ。
また、特に驚いたのが生ハチミツ。今まで、トロリとした液体のハチミツ以外見たことなかったのだが、今回用意されていた生ハチミツはペースト状だった。馬刺しの薬味として提供される「すりおろしニンニク」のような見た目をしている。しかし、粘度はかなり高く、まるでピーナッツバター。お皿を逆さまにしても落ちてこない。
スプーンで少量すくって食べてみると、キャラメルみたいな濃厚な甘さだ。それでいてショウガのようなスッキリとしたあと味が残る。ハーブティーとの相性もよく、「ハーブティーにもよくハチミツを入れる習慣があります」とジーカス大使。実際生ハチミツを入れて飲んでみると、爽やかな紅茶の酸味と生ハチミツの甘みがみごとにマッチした。
続いて「リトアニアはチーズの種類も豊富。チーズがなくては生活できません」と紹介するジーカス大使。会場では、薄い色の12カ月、濃い色の36カ月と、熟成期間の異なる2種類の「ジュガスチーズ」が用意されていた。どちらもハードタイプで、口のなかでほろほろと崩れていく。
比較すると、12カ月のほうが甘みがあってマイルドな印象だが、それでも力強い味わいがある。36カ月熟成はかなりのインパクト。凝縮された濃厚さは、ハーブティーよりもビールに合いそうな気がした。
そのほか、周辺のエストニア、ラトビアの物件についても解説して終了した今回のイベント。ジーカス大使は「“バルト三国”といってもそれぞれまったく違う国ですので、それぞれ行って比較するのもおもしろいと思います。楽しい季節は夏。気温25度前後と過ごしやすいので初めて行くなら夏がオススメです」とアピールした。
ゲームで登場する特産品を実際に食べたら、漫然とプレイする以上に記憶に残るのは間違いない。今回のイベントに出席して、リトアニアに興味を持ったのも事実だ。もし、リトアニアを訪れる機会があれば、きっと現地でハーブティーを飲みたくなるだろうし、お土産には生ハチミツを購入するだろう。
気軽に海外旅行へ行けずとも、いまや気軽にインターネットでさまざまなものを購入できる時代である。『桃鉄ワールド』の物件で気になった海外グルメを味わいながら、ゲームをプレイするのも楽しそうだ。
©さくまあきら ©Konami Digital Entertainment