カシオ計算機は2月15日、同社の時計事業が50周年を迎えたことを記念し、カシオ初の腕時計「カシオトロンQW02」の復刻モデル「TRN-50」を発表した。世界限定4,000本で2月29日に発売する。実機写真とともに内容を紹介しよう。

  • カシオトロン(QW02)の復刻モデル「TRN-50」

カシオの時計開発、その原点を最新の技術でより高度に、より美しく!

「カシオトロン」は、1974年11月に発売されたカシオ計算機で初となる時計製品だ。その未来的なデザインともに、世界で初めてオートカレンダー機能を搭載したデジタル時計として話題になった。

カシオの時計開発は「時間は1秒1秒の足し算」という発想だ。これに電卓事業で培ったデジタル技術を応用。時刻に加え、大の月・小の月を自動的に判別して日付を調整(うるう年の2月29日を除く)するオートカレンダー機能(月・日・曜日)を備えた。

時計から日付修正の手間がほぼなくなることは当時の常識を覆しただけでなく、デジタルの優位性と可能性を世に知らしめた。それはカシオのデビュー作ながら「完全自動腕時計」へのマイルストーンともいえるモデルだったのだ。

今回の「TRN-50」は、「完全自動腕時計」という開発思想をそのままに、この50年間の歴史で培ったマルチバンド6対応電波時計やBluetoothによるモバイルリンク、タフソーラー駆動など、最新の機能を搭載。世界の時差・タイムゾーン情報を自動更新するなど、当時の開発思想を現代の技術で実現している。

  • 初代モデルからインスパイアされたというダークブルーカラーのフェイス

  • ケース側面の複雑なうねりと鏡面研磨に注目

Bluetoothによってスマートフォンとつながるモバイルリンク機能にも対応。専用アプリ「CASIO WATCHES」(無料)からは、自動時刻修正、簡単時計設定、ワールドタイム約300都市+オリジナルポイント、タイム&プレイス、リマインダー、携帯電話探索機能などを利用できる。

ケースとバンドの材質はステンレススチール。ケースサイズは縦42.7×横39.1×厚さ12.3mm、重重さ約111g、防水性能は5気圧。

その外観は、現在の品質基準に準拠しつつ、「カシオトロンQW02-10シリーズ」初代モデルを徹底的に検証。シャープな造形と研磨が美しい、非常に質感の高いケースやバンド、ダークブルーカラーのフェイス、CASIOTRONロゴなど、当時のデザインをサイズも含めて再現した。

  • ケースの上面は、初代モデルと同じ挽目(ひきめ)加工。ケース右上近くの面に見える縞模様がそれ

  • ヘアライン面とミラー面に仕上げ分けされたバンド 

  • ケースからバンドのコマへの流れが美しい

液晶画面には視認性の高いSTN液晶を採用。裏ぶたはスクリューバック仕様となり、初代モデル同様のモチーフをあしらい、シリアルナンバーが刻印される。パッケージも環境に配慮した紙素材といったように、細部までアップデートされた特別仕様となっている。

  • パーツ展示。ソーラーセルやSTN液晶など、初代モデルにはなかったパーツを見ると感慨もひとしお

  • スクリューバックには初代モデル同様のモチーフ。さらに「SINCE 1974」「50th」「ANNIVERSARY」のレターやシリアルナンバーが入る

  • 環境に配慮した紙製のスペシャルボックス。時代性を映す仕様だ

価格は63,800円。ちなみにこれは、50年前のカシオトロン登場時の価格と同様。こんなところにも、技術の進化とカシオのこだわりが感じられる。

  • 「CASIO WATCH 50th ANNIVERSARY」のロゴが作られているということは、この後にも何か控えているのだろうか?