米Intelが1月25日(現地時間)に発表した同社2023年度第4四半期(2023年10〜12月期)決算は、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回ったが、24年1〜3月期のガイダンスが予想を下回り、時間外取引でIntel株は下落した。しかし、2023年のコスト削減目標を達成し、PCは長く続いた需要低迷が終息して成長軌道に戻りつつある。データセンター事業がAI需要に対応できていないなど課題は残るものの、同社の長期的な展望は損なわれていない。

10〜12月期のGAAPベースの売上高は154億ドル(前年同期比10%増)、純利益は27億ドルで、1株あたりの利益は0.63ドルだった(前年同期は7億ドルの損失)。非GAAPだと、純利益23億ドル(同263%増)、1株利益0.54ドル。アナリストの予想(非GAAP)は、売上高151億5000万ドル、1株利益0.45ドルだった。以下は事業グループ別の売上高。

  • クライアントコンピューティング・グループ(CCG):売上高88億ドル(前年同期比33%増)
  • データセンター&AI(DCAI):売上高40億ドル(前年同期比10%減)。CPUに割り当てられるデータセンター予算がGPUに移行し、CPU TAM(Total Addressable Market)が縮小している
  • ネットワーク&Edge(NEX):売上高15億ドル(前年同期比24%減)
  • Intelファウンドリサービス(IFS):売上高2億9100万ドル(前年同期比63%増)
  • Mobileye:売上高6億3700万ドル(前年同期比13%増)

Intelは2022年に、経営環境の悪化を受けて2025年までに80〜100億ドル規模のコストを削減する方針を示した。2023年に30億ドルのコストを減らす目標について、デビッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は「ほぼ達成した」と述べた。

クライアントコンピューティング・グループの売上高(88億ドル)は、アナリストの予想の84億ドルを上回った。顧客の在庫レベルが正常化し、セルインとセルスルーが健全な状態を保ちながら、ノートPCの出荷が記録的に好調だったという。

2024年1〜3月期のガイダンスは、売上高122億〜132億ドル、粗利益率44.5%、0.13ドルの1株利益。アナリストは売上高141億5000万ドルを予想していた。アナリスト予想を下回ったのは、Mobileyeとプログラマブル・ソリューション・グループ(PSG)の在庫修正などによるもので「影響は一時的」としている。