自宅でパスワードを必要とする場面は少なくありません。パソコンのようにマルチユーザシステム(複数のアカウントで完全に使い分けできる機能)を備えたデバイスはともかく、テレビやタブレットは家族共有、同じパスワードを使うというケースが多いようです。
iOS 17には、家族など親しい関係のメンバーでパスワードを共有する機能が用意されています。「共有パスワードグループ」を作成し、共有したいパスワード/パスコードをそこへ登録しておくと、グループのメンバーが参照できるようになります。
共有パスワードはiCloudキーチェーンに保存され、iOS 17、iPadOS 17、macOS Sonomaが稼働するデバイスからの参照が可能です。逆にいえば、それらの最新Appleデバイス/システムを利用しているメンバーのみ、共有パスワードにアクセスできます。
登録された共有パスワードは、参加したメンバー全員に反映されます。たとえば、メンバーAがパスワード△を変更すると、ほかのメンバーが参照するパスワード△も最新の状態になります。定期的にパスワードを変更するルールを採用していても、変更のつどメンバーへパスワードを伝える手間はありません。
セキュリティも保たれます。iCloudはエンドツーエンドの暗号化で情報を保護するため、第3者がパスワード/パスコードを傍受することは困難です。パスワードを紙に書いて手渡ししたり、メールやSNS経由で伝達するより安心といえるでしょう。
なお、iOSにはWi-Fiアクセスポイントのパスワードを共有する機能も用意されています。すでにWi-Fi接続を済ませているiPhoneがあるとき、新たにWi-Fi接続するiPhoneを近づける程度でパスワードを共有できるため、来客時などに活躍します。こちらは共有パスワードと完全に別な機能のため、メンバーの追加などの準備は必要ありません。