マイクロソフトのWebストレージ「OneDrive」、読者の皆さんはお使いだろうか。Microsoft 365 Personalをサブスクリプションすれば、1TBのオンラインストレージが使用でき、Microsoft 365 Familyなら1ライセンスで最大6人の家族に各1TBが割り当てられる。PCの使用スタイルによって異なるが、ドキュメントフォルダーやデスクトップをはじめとする各フォルダーのバックアップ(同期)用途としても有用だ。(ちなみに筆者はMicrosoft 365 Business Standardを契約しており、子どもたちも大きくなったため、今のところMicrosoft 365 Personal/Familyの必要性を感じていない。)
エクスプローラー風のインタフェースを持つOneDrive for Webはどうだろう。誤って上書きしたファイルをバージョン履歴から取り出すときや、共有済みファイルのアクセス権管理に必要となり、利用頻度が高いユーザーもいると思う。個人的には古いファイルを取り出す機会はほぼなく、OneDriveでファイル共有する場面も少ないため、アクセス機会はほぼ皆無なのだが、Microsoftはさらなる強化を目指している。
Microsoft 365 RoadmapのID 363474によれば、「新規追加」ボタンを用意して空のファイルもしくは、テンプレートを用いてMicrosoft Word/Excel/PowerPointのファイルを作成可能になるそうだ。提供開始は2024年2月を予定している。
2023年10月にMicrosoftが発表した次世代のOneDriveを見ると、エクスプローラー風のUIから業務アプリのダッシュボード風に切り替わる。一連の新機能は2024年初頭から段階的に公開される予定だ。
Web版のMicrosoft 365 Appsに対しても強化を図っている。同じく現地時間2023年12月14日に公開した公式ブログでは、作業内容に応じた質問を分析してアプリを提案する機能のほか、ClipchampやDesignerのヒントを紹介するAppsセクションが加わるなど、新機能を紹介している。
OneDrive for WebとMicrosoft 365で共通するのはWeb UIを重視していること。我々は長年デスクトップアプリを使ってきたが、近年はWebブラウザーでアクセスするSaaSが主流となりつつある。
ただし、SaaSとデスクトップアプリの機能差は留意すべきだ。たとえばExcel for WebとMicrosoft Excelは機能差があり、複雑な処理にExcel for Webは現時点でそぐわない。それでもExcel for Webが先に新機能を取り込むこともあり、ここ数年の動向を見ているとMicrosoft開発陣の注力度は高い。筆者も古い人間なのでExcel for Webにアクセスするよりも、スタートメニューやタスクバーにピン留めしたデスクトップ版のMicrosoft Excelを起動してしまうが、そろそろ切り替えるべきなのだろう。