iOS 14のとき登場した翻訳アプリは、単語はもちろん日常会話のフレーズをすぐに翻訳してくれる便利ツール。iOS 17の時点では19の言語に対応、英語から日本語、その反対に日本語から英語など、双方向に翻訳してくれます。テキストだけでなく音声の聞き取りもできるし、翻訳した内容を読み上げる機能も備えています。

しかし、異文化コミュニケーションは突然発生するもの。外国人旅行者から不意に話しかけられたり、旅先で現地語を使う羽目になったりしたとき、あらかじめ翻訳アプリを準備しておけるとは限りません。

2023年12月に公開されたiOS 17.2では、その翻訳アプリに便利な機能が追加されました。アプリそのものの機能や翻訳精度向上ではなく、本体左側面に用意されているアクションボタンを長押しすると、その場で聞き取りおよび翻訳を実行するというものです。

アクションボタンを利用するため、iPhone 15 Pro/Pro Max限定の機能とはなるものの、事前にアプリを起動して待ち構える必要はありません。翻訳アプリで選択している2つの言語のどちらかで話しかければ、内蔵マイクで聞き取られもう一方の言語へただちに翻訳されます。テキストとして確認できるだけでなく、読み上げることも可能です。

たとえば、翻訳アプリで英語と日本語を選んでいるとき、英語で「I'm fine, thank you」と話しかければ「大丈夫です」という日本語へただちに翻訳され、右横の再生ボタンをタップすれば読み上げが始まります。反対に日本語で「私は大丈夫です」と話しかければ、「I'm fine」などと英語に翻訳されます。

アプリを起動する手間を省くだけの機能のように映るかもしれませんが、会話のときのタイムラグが減ることは確実です。海外旅行へ出かける前には、アクションボタンの設定を確認しておきましょう。

  • iOS 17.2では、アクションボタンに翻訳アプリを紐付けることが可能になりました