今回はヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、デジタル文具の売れ筋を取材しました。デジタル文具という言葉に明確な定義はありませんが、文房具の延長線上で使うデジタル機器として、売り場でもじわじわと浸透しているそうです。

同店スタッフの三原弘之氏は「明確にコレが欲しいと、指名買いで来店される方が増えているように思います。強い意志を持って使われている印象ですね」と言います。

  • ヨドバシカメラ マルチメディア横浜のデジタル文具売り場。PC周辺機器・ゲーミング専門チームのグループリーダーを務める三原弘之氏にナビゲートしてもらった

電子ノートから小型プリンターまで、多種多様なアイテムがデジタル文具の範囲に含まれますが、三原氏に挙げてもらった「デジタル文具選びの3ポイント」を踏まえて、直近の人気トップ5を見ていきましょう。

<デジタル文具選びの3ポイント>

  • 文具として持ち運ぶことになるので、重量の確認は大切。実機を持ち上げて確認を。
  • 同じく、バッテリーの持ち時間と充電方法も重要ポイント。ストレスなく愛用できる視点で選ぼう。
  • 用途を絞って探す意識も大事。スマホ連携が欠かせないならアプリの操作感もチェックしたい。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年11月29日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:仕事人に人気の電子ノート「QUADERNO Gen.2」

一番人気に挙げられたのは、富士通の電子ノート「QUADERNO(クアデルノ) Gen.2」です。パソコンやスマホを連携して、手描きメモを共有したりPDF資料に書き込んだりできる製品で、第二世代(Gen.2)になって書きやすさと見やすさが向上しました。A4とA5タイプがあり、取材時の価格はそれぞれ69,800円と47,780円でした。

「A4タイプで約368g、A5タイプで約261gと軽く、それぞれ約22GB以上のデータが保存できます。パソコンやスマホとの連携もやりやすく、使い勝手の良さから仕事用に買っていく方が圧倒的に多い製品ですね。購入者の中心となるのは30~40代の男性です」

  • 富士通「QUADERNO Gen.2」

第2位:学生にも浸透している「ポメラ」

続く2位もメモツールの定番です。キングジムのテキスト入力専用ツール「ポメラ DM250」で、取材時の価格は52,000円でした。17mmピッチのJIS配列キーボードと7インチ液晶を備えたクラムシェル型端末で、日本語入力支援ツール「ATOK」を標準装備しています。重量は約620gです。

「ポメラは、テキスト入力用の道具として長く愛用している人が多いブランドですね。仕事で使っている人も多いですが、学生さんの人気も高い印象です」

  • キングジム「ポメラ DM250」

第3位:パソコンともスマホとの連携できる「テプラ PRO」

3位にも、キングジムの製品がランクインしました。ラベルプリンターの「テプラ PRO SR5500P」です。テプラシリーズで初めてBluetoothに対応した機種で、パソコンやスマホと連携した操作ができます。PCとはUSBケーブルでの接続も可能。価格は15,550円でした。

「Bluetooth接続も初ですが、PCとつながるテプラで電池駆動できるところもポイントです。さっと取り出して、いろいろなシチュエーションで使えるので、お仕事用に指名買いされる人が多いですね。比較的高齢のお客様にもよく選ばれています」

  • キングジム「テプラ PRO SR5500P」(右)

第4位:持ち運べるA4プリンター「PX-S06」

4位は、エプソンのモバイルプリンター「PX-S06」です。カラー対応のA4インクジェットプリンターで、バッテリー込みの重量は約1.7kg。かばんに入れて持ち歩けます。取材時の価格は26,550円でした。

「こちらもビジネス用に買っていく人が多い製品ですね。営業車の中でさっと印刷したい方や、貸しオフィスで仕事したい方に需要があります。購入者の年代はまんべんなく幅広いと思います」

  • エプソン「PX-S06」

  • カバーを開いたところ。1.44型のカラー液晶画面を備える

第5位:どこでも領収書を電子化できる「ES-60W」

5位もエプソン製品となります。A4対応のモバイルスキャナー「ES-60W」で、取材時の価格は24,200円でした。バッテリー込みの重量は約300gで、USB接続とWi-Fi接続に対応しています。

「棒状ですぐに取り出して使えるところが好まれていますね。パソコンやスマホと連携が可能で、こちらも幅広い年代に選ばれています」

  • エプソン「ES-60W」

なお、10月以降は改正電子帳簿保存法の影響もあって、領収書を電子化する需要が伸びているそうです。「ドキュメントスキャナーの売り場全体が盛り上がっていますね。今のうちに使い慣れておこうという人も多いのではないでしょうか」

  • 各社の製品が並ぶドキュメントスキャナー売り場

はみ出し情報・・・壁掛けできる「ブギーボード」も定番人気

トップ5には入らなかったものの、デジタル文具の定番としてはキングジムの電子メモパッド「ブギーボード」も外せないといいます。さまざまなラインナップが売り場に並んでいますが、なかでも人気があるのが、マグネット付きで壁掛け可能なスクエアモデル「BB-15」とか。約11.3インチの製品で、ボタン電池(CR2025)の取り替えも可能です。

「ちょっとしたメモを同僚や家族と共有したいときに便利ですね。電池交換が可能というところも重要です」

  • キングジム「ブギーボード BB-15」