米Appleが11月2日(現地時間)に発表した同社2023年度第4四半期(2023年7〜9月)決算は売上高1%減(前年同期比)、純利益11%増(同)の減収増益だった。サービスセクターが過去最高の売り上げを更新し、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回ったものの、これで4四半期連続の減収となる。スマートフォンやPCの需要減退、中国経済の不安定化に起因する業績減速から抜け出せずにいる。

7〜9月期の売上高は894億9800万ドル(前年同期比1%減)、純利益は229億5600万ドル(同11%増)だった。希薄化後の1株あたり利益は1.46ドル。売上総利益率は45.2%。市場予想の平均は、売上高892億8000万ドル、1株利益1.39ドル、売上総利益率44.5%だった。

7〜9月期にAppleは、9月に「iPhone 15」と「iPhone 15 Pro」シリーズ、「Apple Watch Series 9」、「Apple Watch Ultra 2」を発表した。以下は製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高438億500万ドル(3%増)
  • Mac:売上高76億1400万ドル(34%減)
  • iPad:売上高64億4300万ドル(10%減)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高93億2200万ドル(3%減)
  • サービス:売上高223億1400万ドル(16%増)

iPhoneの売上高は7〜9月期の過去最高を記録し、市場予想に一致した。7〜9月期の最後の週に登場した「iPhone 15」シリーズは、昨年のiPhone 14シリーズの立ち上がりよりも好調なスタートを切っている。

iPadは10%減だが、市場予想(60億700万ドル)を上回った。今年は9月のイベントでiPadの新製品発表がなく、製品投入サイクルの谷間の時期にある。Macは市場予想(86億3000万ドル)を大きく下回った。前年同期は供給改善の追い風が吹いた四半期だったため、7〜9月期の落ち込みが予想されていたが、PC市場全体に回復の兆しが見え始めているのに対してMacの低迷が続いてる。Appleは10月30日にM3チップを搭載した「MacBook Pro」と「iMac」を発表しており、これらが市場需要を喚起するかが注目される。

サービスはアナリストの予想(213億5000万ドル)を上回った。サブスクリプションサービスの競争激化、景気減速に伴う消費者の支出引き締めなどから、アナリストは前期からほぼ横ばいにとどまると予想していたが、全ての主要サービスが売上高の記録を更新する成長を継続している。