2023年10月25日から29日にかけて、タクティカルFPSゲーム『VALORANT』の女性限定東アジア大会「VALORANT Game Changers East Asia」が、オンラインで開催されました。

本大会には、各地域の大会で出場権を獲得した、日本3チーム、中国3チーム、韓国2チームが出場。日本からは、国内大会「VALORANT Game Changers Japan」を勝ち抜いた「ZETA DIVISION GC」(以下、ZETA)、「FENNEL HOTELAVA」(以下、FL)、「DetonatioN FocusMe」(以下、DFM)の3チームが出場しました。

日本チームのうち「ZETA」がグランドファイナルへの進出を果たしましたが、中国チームの「Super Empowerment Edward Gaming」(以下、EDGS)にマップカウント1-3で敗北。優勝した「EDGS」が、世界大会「VALORANT Game Changers Championship」への出場権を獲得しました。記事では、日本3チームの5日間の試合模様をレポートします。

  • 「VALORANT Game Changers East Asia」に出場した8チーム

【DFM】中国1位通過チーム「CCG」に敗れ、初戦敗退

本大会は、変則的なトーナメント形式になっており、全チームの初戦が行われるDAY1~2まではシングルエリミネーション、DAY3以降はダブルエリミネーションで実施されました。シングルエリミネーションでは負ければ大会敗退となるため、初戦から全チームにとって重要な一戦です。

国内大会を3位で通過した「DFM」は、初戦で中国の1位通過チーム「Chosen Clique Gaming」(以下、CCG)と対戦しました。1マップ目のアセントで「DFM」は、「CCG」の少人数戦での強さに苦しめられる展開になります。あと一歩という惜しいラウンドが続いた「DFM」は、なかなかラウンド取得につなげられず、4-13でマップを落としました。

2マップ目のロータスで、「DFM」はyuhi選手が1vs4クラッチを成功させるなど、強豪チーム相手に食らいつく戦いを見せます。しかし、XiXi選手を筆頭にフィジカルの強さを誇る「CCG」に対し、ラウンド差を縮められず、8-13で敗北。これにより、「DFM」はマップカウント0-2で「CCG」に敗れ、初戦敗退となりました。

■試合結果
DAY2初戦 DFM [0-2] CCG
1マップ:4-13(アセント)
2マップ:8-13(ロータス)

  • 「DFM」daf選手、koyori選手、yuhi選手、lucky選手、meimei選手

  • 2マップ目では、「DFM」yuhi選手がチームを救う1vs4クラッチを披露

【FL】国内決勝に続き、「ZETA」との日本チーム対決に

国内大会を2位で通過した「FL」は、初戦で韓国の2位通過チーム「CVA」と対戦しました。この初戦では、2マップともに拮抗した展開から、「FL」が後半でリードを広げて勝利。マップカウント2-0で「FL」が制し、初戦を突破しました。

続く試合は、初戦で「DFM」を下した「CCG」との対戦です。1マップ目のヘイヴンでは、後半の攻めでラウンド差を引き離した「FL」が勝利。勢いづく「FL」は、2マップ目のサンセットで、前半の攻めを10-2と大差で折り返すことに成功します。勝利は目前かと思われましたが、後半では「CCG」の怒涛の追い上げにより、オーバータイムに突入。「FL」は流れを断ち切ることができず、12-14で敗北してしまいます。

その後、3マップ目のブリーズでは、「CCG」XiXi選手のオペレーターが脅威となり、攻めの体制を崩された「FL」。後半もペースを取り戻せず、マップカウント1-2で敗れる結果になりました。これにより、「FL」はロワーブラケットに移り、「EDGS」に敗れた「ZETA」とぶつかることになります。

「FL」と「ZETA」は、国内大会のグランドファイナルでも対決した2チーム。グランドファイナルでは、5マップ目にもつれ込む大激戦となり、最終マップを制した「ZETA」が優勝を手にしています。そのため、今回も接戦になるかと予想されましたが、この試合では2マップ続けて「ZETA」が主導権を握る展開となり、「FL」はマップカウント0-2で敗北。大会敗退が決まり、東アジア優勝への思いは「ZETA」に託されました。

なお、「FL」は国内大会のSplit1での成績が振るわず、Split2からuKa選手とYamzzi選手を迎えた新たな体制で挑んでいました。メンバーの加入が発表されたのは、9月頭。わずかな準備期間で国内大会2位、東アジア大会4位という結果につなげたことを考えれば、十分に健闘したといえるでしょう。

■試合結果
DAY2初戦 FL [2-0] CVA
1マップ:13-7(スプリット)
2マップ:13-6(ヘイヴン)

DAY3アッパーセミファイナル FL [1-2] CCG
1マップ:13-7(ヘイヴン)
2マップ:12-14(サンセット)
3マップ:5-13(ブリーズ)

DAY4ロワーセミファイナル FL [0-2] ZETA
1マップ:4-13(バインド)
2マップ:5-13(スプリット)

  • 「FL」Len選手、Curumi選手、YamZzi選手、miNt選手、uKa選手

  • 初戦の「CVA」との試合では、YamZzi選手が重要な局面でのキルを数多く見せた

  • 「CCG」戦では2マップ目のサンセットで勝ち切れず、悔やまれる結果に

  • 日本チーム対決では、巧みなアビリティ連携と撃ち合いの強さを見せた「ZETA」に軍配が上がった

【ZETA】グランドファイナルで涙の敗北、世界大会に届かず

国内大会を1位で通過した「ZETA」は、初戦で中国の3位通過チーム「Attacking Soul Esports OvO」(以下、ASEO)と対戦。「ZETA」はこの初戦で圧倒的な勝利を見せ、好スタートを切りました。

続く試合で対戦したのは、中国の2位通過チーム「EDGS」。この試合では、お互いにラウンドを取り合うシーソーゲームとなり、2マップ続けてオーバータイムにもつれ込む激戦がくり広げられました。しかし、「ZETA」は2マップともに、惜しくもオーバータイムで勝ち切れず、マップカウント0-2で敗北。ロワーブラケットに移ることになりました。

その後、ロワーブラケットで「FL」との戦いを制した「ZETA」は、続けてロワーファイナルで「CCG」と対戦。この試合で「ZETA」は、落ち着いた戦いぶりで「CCG」の動きに対応し、2マップを連取。プレッシャーのかかるロワーファイナルを2-0で制し、「EDGS」が待つグランドファイナルへの進出を決めました。

そして迎えた最終日、グランドファイナル。「ZETA」にとっては、一度敗れた「EDGS」に再び挑む、リベンジマッチです。グランドファイナルは、3マップ先取のBo5にて実施。アッパーブラケットを勝ち上がった「EDGS」には、2つのマップをBANできるアドバンテージが与えられました。

1マップ目のサンセットで「EDGS」は、「ZETA」の配置への対策を感じさせる攻めを見せ、序盤で大きくリード。「ZETA」は後半で追い上げますが、「EDGS」が逃げ切り1マップ目を先取します。2マップ目のスプリットでも、「ZETA」は追いかける展開に。重要な撃ち合いを制していく「EDGS」の勝負強さに阻まれた「ZETA」は、続けて2マップ目を落とします。

これにより、後がなくなった「ZETA」。3マップ目のアセントで「ZETA」は、前半でのリードを活かして「EDGS」の追い上げを振り切り、13-11で勝利します。つなげた4マップ目のロータスでは、前半6-6の同点で折り返しへ。後半も11-11で同点に並ぶ接戦となり、「ZETA」にとって最終マップにつなげられるチャンスが見えている状況でした。

しかし、あと一歩のところで「EDGS」にラウンドを奪われ、11-13で敗北。「ZETA」はマップカウント1-3で敗れ、世界大会への出場権を逃す結果となりました。

試合後、「ZETA」の選手たちは配信インタビューに登場。aco選手は悔し涙を見せつつも、「世界大会への切符は逃しましたが、爪痕は残せたんじゃないかと思います。来年に向けて、またいちからがんばります。皆さん応援ありがとうございました」と今シーズンの活動を総括しました。

■試合結果
DAY1初戦 ZETA [2-0] ASEO
1マップ:13-2(アセント)
2マップ:13-4(ヘイヴン)

DAY3アッパーセミファイナル ZETA [2-0] EDGS
1マップ:15-17(ヘイヴン)
2マップ:12-14(アセント)

DAY4ロワーファイナル ZETA [2-0] CCG
1マップ:13-8(バインド)
2マップ:13-6(サンセット)

DAY5グランドファイナル ZETA [1-3] EDGS
1マップ:9-13(サンセット)
2マップ:4-13(スプリット)
3マップ:13-11(アセント)
4マップ:11-13(ロータス)

  • 「ZETA」KOHAL選手、suzu選手、aco選手、romia選手、Moco選手

  • 初戦で見事なパフォーマンスを見せ、圧倒的なスコアを叩き出したsuzu選手

  • オーバータイムにもつれ込み、手に汗握るラウンドの取り合いが続いた「EDGS」戦

  • 「CCG」戦では、IGLを務めるaco選手が撃ち合いの強さも存分に発揮した

  • グランドファイナルでは、romia選手が何度もラウンドを取り切り、3マップ目の勝利につなげた

  • グランドファイナルの試合を終え、配信インタビューに登場した「ZETA」の選手たち

優勝した「EDGS」が東アジア代表として世界大会出場へ

今年の東アジア大会では、昨年と比べて中国チームの躍進が目立ちました。中国では今年7月に『VALORANT』が正式リリースされた背景もあり、女性限定大会に限らず、『VALORANT』の競技シーンにおいて、中国チームがますます存在感を増しています。

優勝した「EDGS」だけでなく、3位を獲得した「CCG」も日本チームにとって大きな壁となり、中国チームの選手層の厚さを感じさせました。なお、「EDGS」は中国の2位通過チームでしたが、国内大会ではデュエリストのLizhi選手が出場できず、代わりにサブメンバーのBlue選手が出場していた事情があります。そのため、フルメンバーでのぞんだ東アジア大会での内容が、「EDGS」の本来の実力だといえるでしょう。

優勝した「EDGS」は、11月28日から12月3日にかけてブラジル・サンパウロにて開催される、女性限定世界大会「VALORANT Game Changers Championship」に、東アジア代表チームとして出場します。世界大会には、各地域の大会を勝ち抜いたトップ8チームが集結。出場チームは、下記の通りに決定しています。

昨年はEMEAの「G2 Gozen」が初代女王に輝きましたが、今年はいったいどのようなチームが活躍を見せるのでしょうか。大会配信はYouTube、Twitch、AfreecaTVの「VALORANT JAPAN」チャンネルにて、日本語放送が行われます。

■「VALORANT Game Changers Championship」出場チーム
・BBL Queens(EMEA)
・G2 Gozen(EMEA)
・Evil Geniuses GC(NA)
・Version1(NA)
・Team Liquid Brazil(ブラジル)
・KRÜ Blaze(ラテンアメリカ)
・Team SMG(APAC)
・Super Empowerment Edward Gaming(東アジア)

  • 東アジア代表チームとして世界大会に出場する「EDGS」

  • 「VALORANT Game Changers East Asia」トーナメント最終結果