OPPOが2023年10月19日にシンガポールで発表した「Find N3」はディスプレイを横向きに開閉できる折りたたみスマートフォンです。Find N3はチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を搭載、さらにカメラはハッセルブラッドコラボの超高画質を搭載。フラッグシップモデルとしてOPPOの全製品の中でもトップクラスに位置づけられる製品です。

  • 本体を横に折りたたむことのできるFind N3

Find N3のディスプレイは開いたときが7.82インチ、2,440x2,268ピクセル、閉じたときが6.31インチ2,484x1,116ピクセルとなります。OSはAndroid 13ベースのColorOS 13で、Find N3の横折り式のディスプレイに特化したマルチウィンドウなどのユーザーインターフェースが追加されています。本体サイズは開いたときが153.4x143.1x5.8mm、重さは239g。バッテリーは4,805mAhで67Wの急速充電に対応します。

  • 開くと7.82インチのディスプレイとなる

ヒンジは片手で開閉するにはやや硬いと感じました。本体を開く時は両手を使ったほうがよさそうです。折りたたみスマートフォンはこのヒンジ部分から水分などが内部に入ってしまうことが心配ですが、Find N3はIPX4の防水に対応。生活防水レベルに対応しているので、普段の水回りでの使用などは問題なさそうです。

  • 両手を使えばスムーズに開閉できる

本体を閉じるとサイズは153.4x73.3x11.7mmとなります。ディスプレイの縦横比は20:9なので一般的なスマートフォンとほぼ同じ形状です。そのため閉じたままでもスマートフォンとして普通に使いやすいと感じました。重さはiPhone 14 Pro Maxの240gとほぼ変わらないので十分許容できるでしょう。

  • 閉じれば普通のスマホになる

本体カラーはGoldとBlack。Blackモデルは背面がヴィーガンレザー貼りになっています。なお製品パッケージには本体カラーと同じ色のケースが同梱されているとのこと。

  • 本体は2色のカラバリがある

横折り式のスマートフォンはサムスンのGalaxy Z Fold5が253g、GoogleのPixel Foldが283gです。それと比べるとFind N3の重さはかなり軽く感じます。本体を閉じたときの厚みもそれぞれが13.4mm、12.1mmであり、Find N3のほうが薄くなっています。Find N3のサイズなら普通のスマートフォンと変わらぬ感覚で使えるのではないでしょうか。

  • 大手2社の製品より薄くて軽い

背面のカメラはOPPOの上位モデルと同じデザインで、円形の台座部分に3つのカメラを搭載しています。カメラはハッセルブラッド監修で、メインの広角が4,800万画素、超広角が4,800万画素、望遠は3倍で6,400万画素です。

  • 3つのカメラはいずれも高画質

この組み合わせは現在販売されている折りたたみスマートフォンの中でも群を抜いて高画質です。Find N3は折りたたみモデルであるだけではなく、カメラフォンとしてもかなり性能が高いわけです。

  • 写真の仕上がりは誰れもが満足できるだろう

夜景の撮影性能も試してみました。発表会が開催されたシンガポールの夜景をバックに人物撮影を行いましたが、AI処理で空をやや青くしつつビルのライトも際立たせてくれ、人の顔も実際はだいぶ暗くなるところを明るく補正してくれています。

  • 夜景をバックに人物撮影

また夜景でのポートレート撮影もテスト。光量が少ないためノイズが乗るものの背景側はきれいにボケ表現が出来ています。夜でもしっかり”映え写真”が撮れそうです。

  • 夜間でのポートレート撮影

さてFind N3ならではのユーザーインターフェースとして最大3分割できるマルチウィンドウが便利です。左右に3つ、または左右に2つ+下に1つのいずれかの組み合わせが可能です。左右に3つのアプリを同時起動すれば、画面を左右にスワイプすることで常に2つのアプリを並べて表示できます。「ブラウザと地図と電話」あるいは「InstagramとTikTokとX」なんてアプリの同時起動もできるわけです。

  • アプリを3つ並べて起動。左側に3つ目のアプリが隠れているのが見える

  • 画面をスワイプして真ん中と右側のアプリを表示

折りたたみスマートフォンでおなじみとなる、本体を折り曲げた状態で使うフレックスモードにも対応。ディスプレイの角度は約45度から115度程度までに対応します。アプリの分割表示などと組み合わせてより便利に活用できます。

  • フレックスモードも利用できる

OPPOは今回Find N3に加え縦折り式の「Find N3 Flip」を発表しました。日本投入のアナウンスは今のところされていません。OPPOはここ数年、日本向けにローカライズした「Reno A」シリーズを発売していました。しかし2023年10月から「Reno10 Pro 5G」の販売を開始しています。ミドルレンジモデルに加え高性能モデルも投入し、ユーザー層拡大を狙っているのでしょう。今すぐの発売は難しいかもしれませんが、ぜひ日本のラインナップにも折りたたみモデルを加えてほしいと思います。

  • Find N3とFind N3 Flip、日本投入はあるのだろうか?