米YouTubeは10月17日(現地時間)、2023年秋の機能アップデートを発表した。昨年にデザイン面から視聴体験を高めたのに続いて、今年は操作面を中心とした強化になっている。
今回の機能追加・変更で最も強化されるのが動画内の移動だ。まず、再生画面の長押しで再生が2倍速になる機能を追加する。動画視聴のタイパを上げるために再生速度を速くして視聴する人が増えている。YouTubeが昨年夏に公開した「Need for Speed」によれば、標準速度の次に1.5倍速が最もよく使われており、僅差で2倍速となっている。そこで簡単に2倍速と標準速度を切り替えられる機能を用意した。フルスクリーンまたはポートレート・モードで再生中にプレーヤー画面のどこかを長押しすると、その間は自動的に2倍速になる。2倍速は音声が聞き取りにくくなるが、内容を把握しながら重要なところまで早送りできる。これはWebとアプリの両方で利用できるようになる。
また、サムネイルで表示していたシーク中のプレビューをより大きく表示する。例えば、再生中に動画の特定の部分をもう一度視聴し返したい時に、大きなプレビューだと戻りたい場所をより正確に見つけられる。さらにシーク中にユーザーが最後に視聴していた部分を振動で伝える機能も追加し、再生を進めていたところに簡単に戻れるようにした。
モバイルアプリには小さな画面にたくさんのボタンやビデオが並んでおり、動画視聴中に誤ってタップしてしまって再生から離れてしまうことがある。それを防ぐために、動画視聴が中断されないようにする「画面のロック」機能を設けた。
さらに、モバイル・デバイスでのオーディオ・コントロールを改善して「Stable volume」を追加した。再生中に音量の調整が必要になるような耳障りになる音量差を軽減する。これは17日からロールアウトが開始され、標準でオンになる。
パーソナライズやコンテンツを見つける機能については、まず従来の「ライブラリ」タブとアカウント・ページを統合して「マイページ」タブにする。アカウント切り替え機能と共に、履歴や再生リスト、オフライン動画、作成した動画などに1カ所でアクセスできる。
また、音声検索で動画を探す機能が組み込まれる。例えば、メロディだけが分かっている音楽の動画を視聴したい時に、検索アイコンからマイク・アイコンをタップし、音声入力で曲を歌うと見つけられる可能性がある。数週間中のロールアウト開始を予定しており、最初はAndroidデバイスで利用できるようになる。
YouTuberと視聴者を結びつける機能として、動画の内容と「登録チャンネル」や「評価」機能を結びつける演出をとり入れた。動画内でYouTuberがチャンネル登録を求めた時に、アプリの「チャンネル登録」ボタンがアニメーションで動き、視聴者が登録するとボタンが輝く。登録などを増やすために「チャンネル登録」や「高評価」といった言葉を何度も使うビデオが出てくる可能性があるが、The Vergeによると、この機能の発動は1本のビデオで最大3回まで、また3分間に1回までという制限が設けられる。