ケルヒャーといえば、高圧洗浄機やバキュームクリーナーといった清掃機器の世界最大手メーカー。そんなケルヒャージャパンから、家庭用のコードレススティッククリーナーが9月15日に2機種発売されます。ケルヒャーとしてスティッククリーナーを日本で販売するのは初めてです。
ラインナップと価格は、日本向けモデル「VCS 3」が34,980円、グローバルモデル「VC 6」が73,480円です。本社のあるドイツと日本のプロダクトチームが、長いプロセスを経て日本仕様で開発したというVCS 3を中心に紹介します。
日本仕様の「VCS 3」
今回発売するVCS 3は、日本人の体格・省スペースな住環境などに適するよう開発した日本仕様のコードレススティッククリーナー。すでに海外にてVCS 3という製品名で販売しているものよりも、本体を10cmほど短くしました。
本体は重さを1.8kgとしつつ、エルゴノミクス(人間工学)に基づいたデザイン。「U」字型を採用したハンドル部は握りやすく、長時間の掃除でも手首に負担がかかりにくいという設計です。
ヘッドには吸引をサポートする15Wモーターを内蔵。前面にはLEDライトを備え、暗所でもホコリを見やすく照らします。ブラシは、柔らかい布素材の「フラッフィーローラー」。髪の毛が絡まりづらく、ホコリをしっかり掻き出すといいます。
吸引したゴミをおさめるダストコンテナは着脱式。パイプ横のボタンを押すとダストコンテナが外れ、ダストコンテナ横のスイッチを押すと、底部のフタが開いてゴミ捨てできます。ゴミがこぼれて床を汚すことも手を汚す心配もありません。本体から取り外したダストコンテナは、フタやフィルターなどのパーツに分解して丸洗い可能です。
VCS 3は、6つのサイクロンを搭載した「マルチサイクロンシステム」を採用したことで、パワフルな吸引力を実現しています。排気は、HEPAフィルターを含む5段階のフィルターを通して送り出されるため、部屋の空気を汚しにくいとのこと。
運転モードは3種類(エコ・標準・強)。スティック時のバッテリー駆動時間は、強モードで約10分、標準モードで約18分、エコモードで約40分。バッテリーの充電時間は約3.5時間です。バッテリー残量は本体前面のバッテリーランプで表示します。通常は緑色に点灯しますが、残量が20%以下になるとランプが赤色に変わり、モードが1段階下がってお知らせする仕組み。
操作しやすさが好印象! 長めの掃除にも耐えられそう
短時間ですが筆者が掃除してみたところ、U字型のハンドルが使いやすく好印象でした。個人的には、「I」字型ハンドルの掃除機よりも操作しやすいと感じました。前後に往復させるときにも手首は無理のない角度を保てますし、手首を軽くひねるだけでヘッドが「クイッと」曲げたい方向へ操れます。
最近では1kg前半のコードレス掃除機も多いため、実際に持ってみると1.8kgの本体は「とっても軽い」とはなりません。ですがいざ使ってみると、本体のバランスが良いためか、重くは感じません。掃除ギライの筆者でも、掃除の時間が長くなりがちな家中の掃除機がけにも耐えられるかも。
発表会では実際に吸引力もチェック。フローリングに小さい粒状のゴミを大量に撒いたものが、ゆっくりと一往復させるだけでキレイに掃除できていました。髪の毛や綿ゴミのような素材の吸引は今回試すことができませんでしたが、固形のゴミに対しては問題なさそうです。
同日に発売するグローバルモデルのVC 6は、パワフル吸引を持続する25.2Vのバッテリーや0.8Lの大容量ダストコンテナ、業界最長クラスの連続運転時間が特徴のコードレススティッククリーナー。付属する「フィルタークリーニングツール」を使えば、手を汚さず手軽に内部フィルターをメンテナンスできる点も見どころです。
なお、本体デザインは2モデルも白をベースとした配色です。これまで、ケルヒャー製品といえば鮮やかな黄色のイメージがありましたが、「ユーザーは屋内で白い製品を好む」というケルヒャーが行った市場調査の結果を受けて、室内で使用する家庭用製品は2024年までにすべて白を基調としたデザインに統一するとのこと。
日本向けに開発したVCS 3は、全体の長さを日本人の標準的な体形に合わせただけでなく、小回りのきく操作性や手首への負担が少ない点など、数値では表しにくい魅力を感じられる製品でした。価格も34,980円と、他メーカーのフラッグシップモデルよりは安く、購入のハードルも若干低め。「掃除時間は長くなってもしっかり部屋を掃除したい」「シンプル機能で使いやすさを重視したい」という人にオススメです。