モリサワは9月13日、Morisawa Fonts および MORISAWA PASSPORT アップグレード 2023年10月版として、2023年新書体を提供開始することを発表した。10月18日 11:00よりダウンロード可能となる。

  • モリサワ 2023年新書体としてA1明朝の新ウエイトを追加

今回のアップグレードで追加されるのは、合計23ファミリー85書体。7月12日付で発表された内容に加え、ファミリー化してリニューアルした「A1明朝(AP版)」や「UD 新ゴ コンデンス(AP版)」、「ヒラギノ丸ゴ」のW7をリリースする。

「A1明朝」は、写真植字機用書体に由来を持つオールドスタイルの明朝体。先端や交差 部分に角の丸みが施された「墨だまり」の味わいが特徴のモリサワを代表する書体のひとつ。長らく単一ウエイトで提供してきたが、今回のAP版としてのリリースにあたり、従来の太さを「R」とし、新たに「M」と「B」を追加する。さらに欧文も、16 世紀のフランスにルーツをもつローマン体に着想を得たクラシカルなデザインにリニューアルしたという。

  • A1明朝(AP版)R/M/B

「UD 新ゴ コンデンス(AP版)」は AP化に加え、欧文は「Clarimo UD PE Condensed」をベースに和文と調和するよう調整し、より高品質な混植が可能となっている。

  • UD 新ゴ コンデンス 80(AP版)EL/L/R/M/DB/B/H/U

今回のリリースにより、2023年現在のモリサワライブラリーにおけるA-OTF書体は AP版書体化、A-OTFかな書体はすべて総合書体化された。AP版書体 は和文・欧文ペアカーニングと最新のIVS 対応している。

そのほか、SCREENグラフィックソリューションズのヒラギノフォントのラインナップとして、基本書体である「ヒラギノ丸ゴ」にW7のウエイトを追加する。

  • ヒラギノ丸ゴ W7

なお、モリサワは2023年新書体の特設ページを、9月13日に公開した。さらにモリサワ公式 noteでは、今回の「A1明朝(AP版)」のウエイト追加にあたり、A1明朝の魅力やデザインのルーツを深掘りする記事を公開。今回の新ウエイト開発に携わったタイプデザイナーチームへのインタビューも紹介されている。