米クアルコム(Qualcomm)は9月11日、アップルへのスマートフォン向け5Gモデムの供給契約を延長したと発表した。この契約により、2024年、2025年、2026年にAppleが発売するスマートフォンにSnapdragon 5G Modem-RFシステムが搭載される。

  • クアルコム製5Gモデムの一例(Snapdragon X65 5G Modem-RFシステム)

    クアルコム製5Gモデムの一例(Snapdragon X65 5G Modem-RFシステム)

iPhoneのモデムベンダーの変遷としては、かつては主に独インフィニオンが供給していたが2011年に同社がインテルに事業譲渡したことに伴ってインテル製となり、世代によってはインテル製/クアルコム製が混在した時期もある。

その過程でモデム関連技術を巡ってアップルとクアルコムの特許紛争に発展するが、2019年に和解。5Gに初対応したiPhone 12以降は、すべてクアルコム製モデムを採用している。

一方で、クアルコムとの和解と時を同じくして、アップルは2019年にインテルのモデム事業を買収している。このため将来的には自社開発の独自モデムへの移行を計画しているとの見方が強い。今回のクアルコムとの契約延長は、独自モデムの導入時期の遅れを示唆しているか、あるいは全機種一斉に導入するのではなく段階的に切り替えていく可能性が考えられる。