企業向けにデジタルマーケティング支援を行う企業・ナイルは、学生を対象とした「夏休みの宿題における生成AIの利用実態調査」の結果を公開した。その結果によると、学生の3人に1人が夏休みの宿題に生成AIを活用したことが明らかとなった。ネットでは「宿題の質も影響してそう」「めちゃくちゃ羨ましい」などと話題となっている。
近年、業務効率化などにおいて、急速に社会に普及しつつある生成AIだが、その影響は学生にも及んでおり、学校における生成AIの活用について議論が活発にされているという。文部科学省では、今年の夏休みを迎える直前に、小中高等学校向けに暫定的なガイドラインを公開しており、現時点では「限定的な活用から始めることが適切である」と伝えていた。こうした状況の中、今回の調査では、学生における生成AIの利用実態が探られた。
本調査は、ナイルの運営するナイルの運営するスマホユーザー向けアプリ情報メディア「Applive(アプリヴ)」にて実施されたもので、今年8月24日から8月30日にかけて、全国の10代から20代の男女533人(15歳から19歳の388人、20歳から29歳の145人)を対象にアンケートを実施した。
結果、夏休みの宿題や課題に生成AIを「利用した」と回答した人は34.1%で、約3人に1人が宿題に生成AIを活用していることが明らかとなった。同社は「生成AIの認知度が徐々に広まりつつあり、ビジネスマンに限らず10代20代の学生の間でも活用する人が増えている」と考察している。
また、生成AIを使ったことで夏休みの宿題が「捗った」と感じた人は85.7%にのぼったそうだ。捗った理由として、最も多かったのは「情報収集を効率的に進められた(94人)」、次いで「複雑な問題を簡単に解決できた(65人)」、「文章の質が向上した(58人)」と続いた。逆に「捗らなかった」と回答した人からは、「生成AIの回答や提案が不正確だった」や「情報の信頼性に疑問を感じた」などが挙げられ、大人が懸念する「生成AI活用が学習に悪影響を及ぼす可能性」を、子ども自身も実感していることがわかる。
さらに、宿題などの生成AI利用について「学校や親から制限されたか?」と質問すると、32.6%が「制限された」で、67.4%が「制限されなかった」と回答し、肯定的な意見が上回る結果となった。学校側や親にとっても、生成AIのリスクが懸念される一方で、生成AIを活用して効率的な学習や創造的な表現が促進される可能性を認識・期待していることがうかがえる。
ちなみに、どの生成AIを活用したかを調べた結果、最も多かったのは「ChatGPT(134人)」で、生成AI利用者の7割以上にのぼった。次いで「Bard(33人)」や「Bing Chat(31人)」なども挙げられた。また、生成AIを活用した宿題TOP3は、1位が「論文やレポートの執筆(103人)」、2位が「数学の問題を解くこと(65人)」、3位が「読書感想文の作成(48人)」だったという。
ネット上では「粗雑な夏休みの宿題の質も影響してそう」「社会人と同じで草」「初老でもかなり使っている!」「夏休みの宿題でChatGPT使えるとかめちゃくちゃ羨ましいんだけども」「ドラクエ世代なので理解出来るけど、子供の口コミネットワークの強さ、舐めちゃアカンかったねぇ、、」などの声が寄せられた。