コードレス掃除機で人気のシャークニンジャ(以下、シャーク)は、8月2日に新ブランド「Shark BEAUTY」を立ち上げ、ブランド製品の第1弾となるヘアドライヤー「Shark FlexStyle」(以下、FlexStyle)を発表しました。

FlexStyleは「くるくるドライヤー」などとも呼ばれるスタイラータイプですが、本体を「ひねる」と一般的なドライヤーの形になるという独特の構造です。そのうえ、髪が自動的に巻き付いてカールを作る「エアカーラー」など、豊富なアタッチメントを標準付属。価格はオープン、推定市場価格は34,980円前後、発売は9月を予定しています。プレス向けの体験会にて実機をチェックしてきました。

  • 通常時はストレートなスタイラー形状の「Shark FlexStyle」。豊富なアクセサリーで多彩なヘアスタイルに対応します

  • カラー展開は左からストーン(HD434JSL)、フラミンゴピンク(HD434JPK)、モカシルバー(HD434JBR)

スタイラーとしてもドライヤーとしても使いやすい「折れる」形状

ドライヤーにはT字型の標準的な製品のほか、I字型のスタイラー(くるくるドライヤー)があります。T字型のドライヤーは髪を乾かす用途に向いており、スタイラーは髪の毛を伸ばしたりカールさせたりといったスタイリングに向いた製品です。

とはいえ「スタイリング用と髪を乾かす用のドライヤーを複数持ちたくない」というユーザーも多いでしょう。そこでFlexStyleは、通常時はI字型のスタイラー、本体をひねって曲げるとT字型になるハイブリッドな形を実現しています。

  • スタイラー形状のFlexStyle。本体サイズは幅45×奥行き45×高さ285mm、重さは約370g

  • 操作部の上にあるのはアタッチメントのリリースボタン。下がフレックスボタン

  • フレックスボタンを押し下げながら本体をねじると、数字の「7」のような形状に変形します

残念ながら風量は非公開なのですが、筆者が使ってみたところ意外なほどパワフル。固くて重い髪の筆者でも、地肌までしっかり風が届きました。操作はスライド式の電源ボタンのほか、4段階の温度調節ボタン(約55℃の低温、約78℃の中温、約87℃の高温、室温のクールモード)、3段階の風量調節ボタン(弱風、中風、強風)、そしてクールショットボタンの計4つとシンプルです。

  • 写真では本体を曲げて利用。普段から大風量タイプのドライヤーを利用している筆者ですが、FlexStyleの風量に不満は感じませんでした。スタイラーとは思えないほどパワフル

  • 下から電源スイッチ、温度調節ボタン、風量調節ボタン、クールショットボタン

カールもストレートも! 使いたくなる豊富なアタッチメント

FlexStyleは豊富なアタッチメントも見逃せません。付属アタッチメントは、ロールブラシにワイドノズル、エアカーラー 35mm(右用・左用)、つるツヤローラーの4種類。いずれも特徴的で便利そうなアタッチメントばかりです。

  • FlexStyleのアタッチメント。左から、ロールブラシ、ワイドノズル、エアカーラー 35mm(右用/左用)、つるツヤローラー

ロールブラシは、くるくるドライヤーの先に装着する円柱形のブラシ。たいていのスタイラーには標準で付属している円柱ブラシですが、FlexStyleのロールブラシは天然の猪毛を植毛している点に注目です。天然獣毛はコストがかかりますが、そのぶん静電気がおきにくく、髪にツヤを出してくれるといいます。

また、しっかりと髪をつかむため、髪を伸ばしたり、毛先にワンカールをつけたり、まとまりのある髪に仕上げたりするのも簡単。体験会でデモンストレーションを行ったスタイリストによると、髪の根元を立ち上げて髪のボリュームを出したいときにも使いやすいそうです。

  • FlexStyleに付属するロールブラシ。黒い部分が猪の毛です。固くて太いアジア人の髪にあわせて、FlexStyleを先行発売しているアメリカよりも多くの猪毛を植毛しているんだとか

ワイドノズルは、細く潰したノズル先から送風するアタッチメント。先端を細くすることで、ノズルなしの状態よりも31%ほど早い風速で風を送れます。風速がアップすると速乾性も高くなり、風圧を利用して顔周りの髪のスタイリングにも利用できますね。

  • スタイリストによるワイドノズルのデモンストレーション。風圧を利用して、髪の生えぎわに自然な流れを作っています

  • 左側がワイドノズルによるスタイリング前、右側がスタイリング後

エアカーラーは、風の力で自動的に髪の毛をカーラーに巻き込むカーラーアタッチメントです。髪を一房(ひとふさ)カーラーに近づけるだけで、自動的に髪をクルクルと巻いてくれます。ただし、髪が巻かれる方向は一定のため、右巻き用と左巻き用の2本を使い分ける必要があります。

このエアカーラーの良いところは「風の力でカールを作る」方式のため、ヘアアイロンと違ってシャワー後の濡れた髪でもカールを作れること。しかも、100℃以上の高温にならないので、髪にダメージも与えにくいというメリットもあります。

【動画】スタイリストによるエアカーラーのデモンストレーション(大きな音声が流れます。ご注意ください)

  • 35mmロットなので、これくらいの巻き幅になります。ブラシなどで髪をとかすと自然なカールに伸ばせます

最後につるツヤローラーは、ドライヤー運転中の「コアンダ効果」によって、ローラー表面に沿って風が流れるアタッチメントです。この風に巻き込まれて髪がローラーに引き寄せられ、長い髪が表面に引っ張り出されて短い「浮き毛」を目立たなくします。

シャークによると、自然乾燥した髪と比較して、約49%の浮き下を抑えてくれるそうです。さらに、ローラーの金属部分が熱風で温まることで、髪の毛をアイロンのようにストレート形状に伸ばしてツヤをアップさせる効果もあります。

  • つるツヤローラーの使い方は、ローラー部を髪の表面に当ててゆっくり毛先に向かって動かします。これだけで髪の浮き毛を抑え、髪表面にツヤがでます

  • 向かって左側のみ、頭頂部つるツヤローラーを使用しました。向かって右側と比較して浮き毛がほとんどなくなっていますね。髪表面にもツヤがあります

以上、気になるFlexStyleのアタッチメントでした。アタッチメントの説明だけでもFlexStyleが幅広いスタイリングに対応することが実感できたのではないでしょうか?

ちょっと変わった構造の「エアカーラー」や「つるツヤローラー」ですが、これらのアタッチメントの仕組みはすでに他社製スタイラーに似たものがあります。ただ、他社の既存製品が4万円を超える価格帯なのに対し、FlexStyleは想定価格が34,980円前後というコストパフォーマンスが魅力。スタイラーの本体を「曲げる」ことで標準的なドライヤーとして使える汎用性の高さも、FlexStyleを選ぶ理由のひとつとなりそうです。