美しい髪をキープするにはホームケアが大切。毎日使うドライヤーや、スタイリング剤などにこだわっている人も少なくないのではないでしょうか。そんな毎日のヘアケアをサポートする頼もしいドライヤーに、ミルボンとパナソニックが共同開発した新製品が登場します。

  • 「エルミスタ ヘアドライヤー ミルボン 」。ハンドルが握りやすく、安定感があります

美容液をミストにして噴霧するヘアドライヤー

「ELMISTA(エルミスタ)ヘアドライヤー」(以下、エルミスタ)は、ヘアオイルなどで人気のミルボンの美容液をミスト化して髪に噴霧するドライヤーです。発売は4月11日、ドライヤー本体の価格は55,000円。別売りの専用交換式カートリッジ「エルミスタ エアコンク」(以下、エアコンク)は全5種、各9mLで価格はそれぞれ3,300円です。

専用のエアコンクは、エルミスタ本体にセットして使います。オージュアブランドから「e-PL(パサつきの悩み)」、「e-SL(クセの悩み)」、「e-RE(エイジングの悩み)」の3ライン。ミルボンブランドからは、「eSLEEK(なめらかな保湿感)」、「eSOFT(やわらかな保湿感)」の2ラインです。合計5種類のエアコンクから、自分の髪の悩みや好みの質感に合わせた美容液を選べます。

  • 風の吹き出し口のすぐ下からミストが出ます

  • 本体からゴールドの部分を外してエアコンクをセット

  • エアコンクは5種類を用意し、それぞれ9mL。約60回分使用できる量です(ミスト2分間の使用時)

  • 美容液がミストになって吹き出します

使い方は、タオルで髪の水分を拭き取ったあと、30秒~1分ほど髪を軽く乾かし、エルミスタのミストボタンを押してミストを噴霧させます。噴霧量は一定。

噴霧時間の目安はショートヘアで1分、ミディアムヘアで2分、ロングヘアで3分です。ミストボタンを押すたびに、ミスト時間が切り替わります。エルミスタ本体の消費電力は1,200W、風量は0.95立方メートル/分(強風時)です。

  • 「H/C」ボタンで温風・冷風を切り替え。美容液の噴霧は「MIST」ボタンでスタートします

  • 髪の左半分をエルミスタで乾かしたロングヘアのモデルさんが登場。ミスト噴霧時間は3分です。わかりやすいように強調していますが、左側の髪、はねていないのがわかるでしょうか

実際に、ミルボン「eSOFT」カートリッジを使って乾いた髪で体験してみました。

ミストはとても微細。見た目ではミストが出ていることはわからなかったのですが、エルミスタを使っていくうちに髪の手ざわりが変わっていくことに驚きました。しっとりとして柔らかい感触です。体験で使っただけでこんなに手ざわりが変わるなら、毎日使うともっと髪を美しく整えられそう。

ドライヤーの前にヘアオイルを使うと、どうしても手がべたつきますが、エルミスタはドライヤーから美容液成分が噴霧されるため、手が汚れません。いちいちヘアオイルを取り出さなくてもよいため、ヘアケアアイテムの管理もラクになりますね。

  • 右側だけエルミスタを使ってみました。風を当てているうちに、しっとりと! 短い毛(アホ毛)がまとまってきました

  • 髪の長さによってミストをあてる時間を変えます

  • ドライヤーと髪の距離を意識すると効果的です

  • 新しいエアコンクに変えるときは、クリーンモードにして内部の美容液を排出し、新しい美容液を充填します。クリーンモードでは赤いランプが点灯します

ミルボンのヘアケア技術とパナソニックのドライヤー技術のコラボ

ミルボンは、美容サロン用ヘア化粧品の専門メーカーです。ヘアケアだけでなく、フェイス、ボディ、ネイルカテゴリーの製品を販売しています。「Aujua(オージュア)トリートメント」など、ミルボン製品を使ったトリートメントメニューを提供しているヘアサロンも少なくありません。

  • ミルボンのブランドの1つAujua(オージュア)。髪の悩みなどに合わせてラインナップが豊富です

ミルボンによると、既存のアウトバストリートメントは手で髪に付けるため、髪の中間から毛先のケアに優れています。一方でエルミスタの場合は、ドライヤーの風を使って薄く全体に噴霧することがポイント。髪の根元から毛先まで薄く均一に美容成分を塗布できるため、ツヤのある髪に仕上がるそうです。

また、アウトバストリートメントは髪が濡れているときに塗布しますが、エルミスタのミストは髪が乾いている最中に美容成分が髪に付着します。よって、髪のクセ付けや、いわゆる「アホ毛」を落ち着かせる効果も期待できます。

エルミスタの「ヘアケア成分をミストで噴霧する」という機能を実現するため、パナソニックとミルボンは約3年の時間をかけて開発に取り組んできました。まずパナソニック側は、「エアリーミスト技術」と「エアコーム技術」を新たに開発。エアリーミスト技術は、美容液を微細なミストにする技術です。

美容液のようにとろみのある液体は、温度や環境によって粘度(流れやすさ)が変わります。そこで「マクロチューブポンプ」という部品を開発し、粘度のある液体を均一に送り出してミストを発生できるようになりました。

  • 医療器具などに使われる原理を応用したマイクロチューブポンプを新開発

  • 微細なミストを安定的に噴霧します

もうひとつのエアコーム技術は、風による髪の乱れを防ぎながら乾かす技術。一般的に、ドライヤーの強い風が髪に当たるとねじれたり絡まったりするものですが、エルミスタはブラシレスモーターによって風の渦を抑制。髪の乱れを抑え、ミストを髪に均一に塗布します。

  • エアコーム技術を搭載していないドライヤーでは、強い風によって髪が絡まるという課題がありました

  • 新開発のブラシレスモーターを搭載。従来の10倍という約10万回転/分のハイパワーなモーターによって、直進する強い風を送り出します。高い速乾性も実現しました

  • 髪の絡まりを抑え、美容液が均一に塗布されます

一方のミルボンは、水溶性ベースの中にオイルを微細化して濃縮配合する技術を開発。ドライヤーの風に乗って美容液成分が髪に付着すると、水溶性ベースの部分が髪となじみ、髪の1本1本に美容成分を行き渡らせます。

その後はドライヤーの熱と風によって水溶性ベースの部分が蒸発し、オイル成分が髪の1本1本に付着します。乾かしながらオイル成分が髪をコーティングするため、乾燥ムラがない均一な状態になり、普通に乾かすだけで髪がまとまるというわけです。

  • なじみやすさを持ちながら、微量でも効果が高い美容液の開発に着手

  • オイル成分の濃縮して配合する独自技術を開発

  • 1本1本の髪をオイル成分がコーティングするため、まとまります

  • 乾きムラを抑えるので、サロン帰りのようなブローの仕上がりに

今回、ミルボンとパナソニックが共同研究を重ねた結果、ミクロレベルで見ると髪の根元付近からダメージが進んでいることが新たにわかったとのこと。普段、毛先のダメージばかり気になっていたので、実は根元にもダメージがあるとは意外でした。

「根元は未来の毛先。未来の美しい髪を作るためには、根本付近を早期からケアすることが重要。エルミスタには、髪の毛の根元から毛先まで髪の毛1本1本をケアできるという特徴があります」(ミルボン 開発本部研究開発部 井口氏)

さらに両社の共同研究では、根元付近から始まるダメージに対してIF-TPという成分が効果的であることを発見。エルミスタを使うと根元付近にもIF-TPを届けるため、未来の髪を美しくできるとしています。

  • ミルボンとパナソニックは、2023年2月に共同研究のリリースを発表。髪の根元付近から始まるダメージにはIF-TPが効果的とのこと

  • エアコンクには、毛髪を補修する成分のIF-TPを配合しています

  • 手では美容液を付けにくい根元も、ミストで噴きかければ成分を届けられます

購入はヘアサロンルートで

エルミスタは美容室専売品なので、家電量販店などでは購入できません。ミルボン製品を扱うヘアサロンか、milbon:iD登録サロン(美容室)でカウンセリングなどを受けたあとに利用できる公式オンラインストア「milbon:iD」で購入します。ミルボンのホームページでは、ミルボン製品を取り扱うヘアサロンを検索できます。

筆者の場合、ヘアサロンを利用するときは、髪型に合わせてセット用品やシャンプーなどを相談することが多いもの。エルミスタをヘアサロンで購入するということは、その場で髪のプロに相談ができるということでもあります。シャンプーと同じように、髪の悩みに応じてエアコンクを選んだり、エルミスタを使った効果的な乾かし方を相談できたりします。ヘアサロンでいつも「ホームケアが大事ですよ!」と言われている筆者としては、エルミスタに大きな魅力を感じました。

  • エルミスタは美容室専売品。使い方や自分にぴったりの美容液を、ヘアサロンで髪のプロに相談できますね