MM総研は7月20日、モビリティサービスに関する利用実態(2023年6月時点)の調査結果を公開した。「カーシェア」「タクシー配車アプリ」「シェアサイクル」の認知率は約5割で、モビリティサービスを利用するボリュームゾーンは30代であった。

  • モビリティサービスの認知率(出典:MM総研)

同レポートは、東京・大阪・愛知に住む15〜79歳の男女17,809人を対象にWebアンケート調査を実施し、モビリティサービスに関する利用実態をまとめたもの。調査対象サービスは、「カーシェア」「タクシー配車アプリ」「シェアサイクル」「電動キックボードシェア」「シェアパーキング」「ライドシェア」「MaaSサービス」。

調査結果によると、カーシェアとタクシー配車アプリ、シェアサイクルの認知率は5割程度で、その他のサービスの認知率は3割以下にとどまった。また、調査対象サービスを「すべて知らない」という人は30.4%であった。

利用率については、タクシー配車アプリが11.6%、それ以外のサービスは10%を下回った。一方で「利用したことはないが利用してみたい」が、カーシェアとタクシー配車アプリでは「利用したことがある」と同程度、その他のサービスでは倍以上存在していた。対象となったすべてのサービスを利用したことがない人は80.8%であった。

  • モビリティサービスの利用率と利用意向(出典:MM総研)

性年代別にみると、各サービスで30代男性か女性、もしくはその両方の利用率が比較的高かった。30代男女がシェアパーキングとカーシェア、シェアサイクルでは全体の約3割、電動キックボードシェアは全体の約4割、ライドシェアとMaaSサービスは全体の約5割を占めた。

電動キックボードのシェアについては20代と30代男性で全体の4割以上を占めた。10代(15〜19歳)男性も3.3%と他のサービスと比べて高く、若い男性を中心に広がっていることがわかる。

  • 性年代別の利用状況(出典:MM総研)

MM総研は、これらのモビリティサービスは現時点で認知率・利用率ともに低く、サービスを知らない人に対するプロモーションとともに、サービスを認知していながらも利用したことのないユーザーを引き込むためにも、利用するメリットを具体的に訴求していく必要があると指摘した。

また、認知していながらも利用に至らない理由が「現在ある移動手段に不便を感じていないから」とする人が多く、通勤や通学など普段利用のメリットを訴求することで、市場の拡大が期待できるとした。

カーシェアは一部の企業で移動経費として認められるケースもあるが、シェアサイクルや電動キックボードシェアなどについても法人利用を促していくなどで、社会受容性を高めていくことも必要だと同社はみている。