今回は、ヨドバシカメラ マルチメディア横浜でポータブル電源のトレンドを取材しました。

同店の柴田成行マネージャは、ポータブル電源は防災需要とアウトドア需要が合流したかたちで近年人気が高まっているといいます。

「コロナ禍で一時期は落ち着きましたが、今年に入って外出しやすくなって再び盛り上がっています。以前と比べて実用性重視といいますか、高単価な製品がよく売れるようになりましたね」

  • ヨドバシカメラ マルチメディア横浜のポータブル電源売り場。コンシェルジェ第1チーム マネージャの柴田成行氏にナビゲートしてもらった

普段はアウトドアでの電力源として使いながら災害時の備えにするスタイルが広がっただけでなく、防災メインでも1日過ごすのに必要な電力を家族構成で計算したうえで必要なスペックの製品を買うといったケースが増えているとか。「本気の安心を求める傾向が高まっている印象がありますね。セットでソーラーパネルを買われる方も多いですし」

それを踏まえて、同店における直近の売れ筋ベスト5を追っていきましょう。

<ポータブル電源選び 3つのポイント>

  • 売れ筋は、ポータブル電源単体で8万円、ソーラーパネルとセットで10万円コース。割り切った使い方なら半分の予算もあり。
  • 自分の環境に合わせた連続使用時間や接続台数のシミュレーションは何より重要。防寒防暑、調理家電の電力をつかんでおこう。
  • 重量とサイズ感も確かめたい。売り場では持ちやすさをチェックすることも大切。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年7月4日10:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:626Whが持ち運べる「BN-RB62-C」

一番人気に挙げられたのは、JVC Powered by Jackeryの「BN-RB62-C」でした。容量は626Whで、重量は6.5kg。USB Type-A出力×3と家庭用コンセント型出力(AC出力)×2、DC出力×3(うち1口がシガーソケット)を備えています。取材時の価格は79,860円でした。

「アウトドア用ポータブル電源を開発したJackeryと、国内でおなじみのJVCケンウッドが提供するブランドということで、定番の人気があります。そのなかでも、BN-RB62-Cは持ち運ぶのにちょうどいい重さと出力ということで、前後のモデルと比較したうえで選ばれることが多いですね。30代以上の方を中心に、年代的にも幅広い層の支持を得ています」

  • JVC Powered by Jackery「BN-RB62-C」

第2位:70分でフル充電できる「RIVER 2 Pro」

続く2位は、EcoFlowの「RIVER 2 Pro」。768Whの容量を備え、70分でフル充電ができます。重量は約7.8kgで、出力はUSB Type-A×3とType-C×1、コンセント型×4、DC×3(うち1口がシガーソケット)となります。価格は82,250円でした。

「新興のブランドで、スタイリッシュな外観も相まってよく売れています。RIVER 2 Proは新モデルで、価格帯的にも容量的にもちょうどトレンドの中心にありますね。急速充電できるのも強みです」

  • EcoFlow「RIVER 2 Pro」

同率3位:1002Whのパワフルモデル「BN-RB10-C」「Jackery ポータブル電源1000」

3位には、ハイパワーモデルが同率でランクインしました。JVC Powered by Jackeryの「BN-RB10-C」と、Jackeryの「Jackery ポータブル電源1000」。価格は、順に158,400円と139,800円でした。

どちらもJackeryが開発に関わっており、基本的な仕様は共通しています。容量は1002Whで、出力はUSB Type×2とType-C×2、コンセント型×3、シガーソケット×1です。重量は、BN-RB10-Cが10.9kg、Jackery ポータブル電源1000が10.6kgになります。

「8万円級のスタンダードタイプよりもひと回りパワフルな製品が欲しい、となったときに選ばれますね。デザインやサポートなどを比べてどちらにするか考える方が多く、両方よく売れています」

  • JVC Powered by Jackery「BN-RB10-C」とJackery「Jackery ポータブル電源1000」

第5位:ビジネス人にも人気の「Sunnybag ICONIC」

売り場の人気5位に入ったのは、SUNNYBAGの「Sunnybag ICONIC」でした。ソーラーパネルを組み込んだリュックサックで、これまで紹介したポータブル電源とは性格が異なります。ソーラーパネルの発電効率は最大7Wで、USB Type-Aポートを使って5.25Vまでの出力が可能です。価格は24,800円でした。SUNNYBAGは、国内では2022年12月から同店が独占販売しているそう。

「歩きながら充電できるということで、ピクニック用だけでなく、お仕事用のバッグとして買われる方も多いですね。日差しが強くなってきたこともあって、直近でも伸びていますね」

  • SUNNYBAG「Sunnybag ICONIC」

そのほか、ソーラーパネル単体の「LEAF PRO」も好調だとか。発電効率最大7.5Wのソーラーパネル単品で、取材時の価格は16,800円でした。

「普段お使いのバッグなどに組み込んで使えるタイプですね。実際に、弊社の社員が1時間でどれだけスマホを充電できたかを調べたものをPOPにしていて、そちらを参考に選ばれる方がよくいらっしゃいます」

  • SUNNYBAG「LEAF PRO」

はみ出し情報・・・ポータブル冷蔵庫「GLACIER」も注目を集める

関連アイテムとして目立っている製品を尋ねたところ、柴田氏はEcoFlowのポータブル冷凍冷蔵庫「GLACIER ZYDBX100-JP-MRW-MRL」を挙げました。

2部屋をフルに使うと350mL缶60本が冷やせる仕様で、取り外し可能なキャスターとハンドルも付属します。別売りの298Whプラグインバッテリーを組み込むと最大24時間稼働できるなど、外部のポータブル電源との接続なしに単体で使うことも可能です。

「災害時も役に立ちますが、どちらかといえばアウトドアでの楽しみ方を広げたいという方向で人気がありますね。オプションによって機能を拡張していけるので、工夫次第で楽しみも安心も広がると思います」

  • EcoFlow「GLACIER」