ASUS JAPAN株式会社からNVIDIA GeForce RTX 4080を搭載するビデオカード「ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Edition(型番:RTX4080-O16G-NOCTUA)」が2023年4月21日に発売になった。

型番からわかる通り、自作PCの愛好家から人気の高いオーストリアの冷却パーツメーカー「Noctua」との共同開発モデルだ。

ASUSとNoctuaの共同開発のビデオカードは、ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionで2製品目。GPU世代では1世代前となる「GeForce RTX 3070」を搭載した製品が2021年に発売されており、当時も冷却に全振りしたNoctuaの独特のカラーリングのオリジナルクーラーの巨大さが話題になったのを覚えている人は多いだろう。

もちろんASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionでも「冷却全振り」っぷりは変わらず、市場における(物理的な)存在感は他のビデオカードにはない魅力となっている。

今回はASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionの実機をASUS JAPAN株式会社よりお借りすることができたので、その存在感をチェックしご紹介していく。

とにかく巨大なクーラーの存在感

では早速、ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionの存在感をチェックしていく。

パッケージはNVIDIA GeForceのイメージカラーであるライトグリーンの帯こそいつも通りだが、Noctuaカラーとも言うべき「ブラウン」を基調とした他のビデオカードにはないカラーの専用パッケージが用意されている。

  • ASUS×NoctuaコラボGPUにGeForce RTX 4080搭載モデルが登場! 圧倒的な静音性を体感

    帯こそいつも通りだが、それ以外はNoctuaコラボとわかる専用パッケージ

もちろんビデオカードもブランドカラーを意識したブラウンのクーラーが搭載されており、さらにファンはNoctua製の12cm径の「NF-A12x25」を二基搭載している。

  • PCケースファンが二基そのまま取り付けられたオリジナルクーラー

4.3スロット占有というビデオカードの厚みにも注目が集まるが、一般的なビデオカードのファンが9.5cm径であることを考えると、その大きさは約20%ほど大きい。実際側面から大きさを確認するとブラケットよりも大きくせり出しているため、ケースによっては奥行が足りずサイドカバーが閉じないようなことも考えられるので注意が必要だ。

  • 厚みや全長もさることながら、奥行(幅)も広い

またこれだけ大きいので重量もある。スペックでは約1.948kg、つまり2kg近い重量があるためPCI Expressのスロットにかかる負担も心配になってくるだろう。

対策としてビデオカードを支えるVGAサポートステイの取付が望ましく、ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC EditionはクーラーにVGAサポートステイを取り付けるためのねじ穴も用意されている。

  • VGAサポートステイをしっかり取り付けできるねじ穴もある

  • 3スロット占有のビデオカードが小型に見える大きさ

補助電源はGeForce RTX 4000シリーズではお馴染みともいえる12VHPWRで、同梱のケーブルを使い、8ピン×3から給電して利用することも可能だ。

  • 補助電源は12VHPWRだ

  • 付属の変換ケーブルを使えば8ピン×3から給電することも可能だ

ただ、変換ケーブルを利用する場合はケーブルの取り回しにどうしても奥行が欲しくなりそうだ。上で紹介した通り本製品はは奥行がかなりあるため、フルタワーケースなど空間に余裕のあるケースを用意するか、最近増えてきたATX3.0に対応する電源ユニットと組み合わせるなどするといいだろう。

  • 側面には「ASUS×Noctua」のコラボであることを示すロゴプレートが配されている

静音のNoctuaはビデオカードでも健在

Noctuaとの共同開発のクーラーに期待するのは冷却性能や静粛性だろう。4.3スロット分の厚みともなれば冷えないことはないと容易に想像できるが、冷やす間の動作音が「他と比べて静かかどうか」が重要だ。

そこで今回はバラック状態の自作PCにASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionを取り付け、30cmほど離した場所に騒音計を設置しノイズレベルの計測を行った。

計測は「PCを起動し約10分間を放置した状態」と「UL Solutionsの「3DMark Speed Way Stress Test」を実行し高負荷になっている状態」で計測している。

結果としてはどちらの状態でも騒音レベルは32.4dBAで、高負荷時にASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionのファンの回転数があがったとして、低負荷時に動作しているCPUファンやチップセットファンの動作音よりもうるさくなることがなかった。

ハイエンドGPUを搭載したフルサイズのビデオカードであればどのメーカーであっても最近は十分に静かな製品は多いのだが、ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionは別次元に静かなビデオカードといえるだろう。

静音と高性能の両立は自作PCにおける永遠の課題だ。あとは大きさや価格さえクリアできれば、騒音源になりやすいビデオカードにASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionを選ぶことで課題解決に一歩近づけるはずだ。