マイトレックスの新しい光美容器「MiRAY」、パワフルなのにVIOも美肌も男性ヒゲも対応できる理由

医療機器メーカーの創通メディカルは、美容機器やボディケア製品の人気ブランド「マイトレックス」を手がけています。マイトレックスの新製品として、IPL（Intense Pulsed Light：インテンス パルス ライト）によってムダ毛をケアできる次世代光美容器「MYTREX MiRAY」（マイトレックス ミライ、以下、MiRAY）を6月12日に発売します。

近年はさまざまなメーカーがムダ毛をケアする光美容器を発売していますが、MiRAYの出力は最大で23J（ジュール）とかなりパワフル。もちろん高出力なら効果的というものでもないので、ひとまずハイパワーという点を覚えておいてください。さらにアダプターを利用することで、肌を傷めずに「DPL」という波長による美肌ケアにも対応します。今回、MiRAYの実機を新製品発表会でチェックしてきました。MiRAYの価格は85,800円です。

• MiRAYは、本体と照射部が付いたハンドピースが分離する構造。ハンドピース格納時のサイズは約幅82×奥行き101mm×高さ325mm

肌色センサーで最適なパワーを

MiRAYは「黒い部分にのみ反応する」波長の光を使うIPL（Intense Pulsed Light：インテンス パルス ライト）方式の光美容器。IPLで黒い毛根や毛乳頭だけに熱を加えることで、肌を傷つけずに次の毛が生まれないようにする仕組みです。

• ハンドピースを取り外し、レンズ面を肌にあてて施術します。ハンドピースだけなら250gと、光美容器としては軽量

IPLは家庭用脱毛美容器の多くが採用する方式ですが、難しいのは安全性とパワーのバランス。いくら「黒いものにしか反応しない」とはいえ、毛根は肌と接しています。パワーが強すぎると、毛根に与えた熱が肌に伝わって火傷をすることもあるのです。また、日焼けなどで肌色が濃い場合、光が強いと肌にまで反応することがあるため、どういった使い方をされるかわからない家庭用製品ではあまり強いパワーにできません。

MiRAYの出力は、1ショットで最大23J（ジュール）、1平方センチメートルあたり6.8Jという、脱毛サロン並みのパワー。この高出力を実現できたの理由には、2つの安全機能が関係しています。

• 本体に除菌機能を搭載するなど、使いやすさにも一工夫。ハンドピースを本体にセットすると、自動的に約3分間紫外線を照射して除菌します

ひとつ目の安全機能は、強力な冷却機能です。脱毛後は熱を吸収した毛から伝わる熱で肌が日焼けをしたような状態。経験者はわかると思いますが、サロンではケア後に冷やしますよね。また、脱毛前に患部を冷却すると、痛みを感じにくくなるというメリットもあります。

MiRAYは肌と接触するレンズ面に、熱伝導率の高いサファイヤクリスタルを採用。航空機のエンジンを応用したという内部のファン×2で風を作り、サファイヤクリスタルをすばやく冷却します。創通メディカルによると、室温が26.2℃の場合、電源を入れて1分ほどで接触面が4.3℃まで下がるそう。実際に自分の肌でも試してみましたが、風で冷やしたとは思えないくらい。接触面が驚くほどヒンヤリと冷たくなっていました。つまり「冷やしながらケア」できる仕組みなのです。

• サファイヤクリスタルで覆われたレンズ面。レンズ下にあるボタンを押して光を照射します。センサーによって、肌に接触していない状態では照射できません。不用意に光って目にダメージを与えない設計です

もうひとつの安全機能は「肌色検出機能」です。MiRAYを肌に当てると、肌の色を10段階で自動検出して、色にあわせて出力を調整します。色白なら強いパワー、日焼けをしている場所はパワーを抑えて照射するというわけ。

日に焼けた肌に「間違えて」強いパワーで照射することがないため、6.8ジュール/平方センチメートルという高出力を生かせるのです。なお、基本的にパワーは自動調整で使いますが、「標準だと痛い」あるいは「もっと強いパワーでケアしたい」という人に向けて、ノーマルモードのほかに「敏感肌モード」と「ハイパワーモード」という計3つのモードが選べます。

• レンズを肌に当てると、ハンドピース背面にある白い丸で構成されたゲージが上下します。筆者が体験したところ、腕の内側で肌が白いところはフルパワー、腕外側は7割のパワーで照射されました。照射モードはゲージ下にある赤いボタンで変更可能です

創通メディカルによると、1週間に一度のペースで約1カ月、つまり4回のケアで効果を実感できるとのこと。これは脱毛サロンと比較しても引けを取らないスピードです。「パワーがあると痛みも強いのでは？」と思うかもしれませんが、発表会で試したところ、腕の細い毛に照射したとき一瞬温かく感じる程度でした。スタッフに聞くと「脇やVIOの太い毛だと輪ゴムでパチンと弾かれるくらいの刺激はある」そうです。

業界初のDPL光技術で美肌ケアも

IPL光美容器には、美容サロンのフォトフェイシャルのように肌の調子を整える美肌ケア効果もあります。中には、出力が弱く、脱毛機能のない肌ケア専用の製品も存在します。

MiRAYにもこの美肌ケア効果があります。ただし前述したように、パワフルなIPLは肌に日焼けのようなダメージを与える可能性があるため、MiRAYは美容に特化した光の波長「DPL」（500～650mm）のみを照射する専用アタッチメントを付属しています。このアタッチメントを使うと、週に2～3回の美容ケアでも肌に負担がかからないそうです。

創通メディカルいわく、DPLを照射することで肌のキメが整い、肌のハリやツヤがアップ、毛穴が目立たなくなり、肌に透明感が出るとのこと。付属のアタッチメントはマグネット式の簡単着脱です。アタッチメント装着時は自動で最適なモードに切り替わります。

• 写真中央が刺激の強い波長をカットするDPLアタッチメント。ケア後のダウンタイムが必要なく、すぐに化粧することも可能です。左はVIO用アタッチメント、右は指などの細かな部分に便利な顔・指用アタッチメントです

今回は短い時間の体験でしたが、個人的に気に入ったのは高出力でも粘膜に近いVIOのほか、男性のヒゲまでケアできること。パワフルな製品には、VIOの一部や男性のヒゲには使えないものも多いのです。

脱毛といえば、かつては女性がメインターゲットでした。いまは男性のヒゲ専用の脱毛器が登場するなど、男性にも注目されるジャンルです。また、介護時の排せつケアのために「介護脱毛」も関心が高まっています。MiRAYの85,800円は決して安いとはいえませんが、サロンでVIO込みの全身ケアをする一般的な価格よりは、だいぶ安価。美容器としても使えて、家族でも利用できるMiRAY、脱毛に興味があったらぜひ注目してみてください。