ChatGTPなどの生成ツールの普及に伴ってニーズが急増しているのが、AIによって生成された文章を見抜くためのツールだ。ペーストして実行ボタンを押すだけで、人間が書いた文章なのか、それともAIによって生成された文章なのか、診断して教えてくれるというものだ。パーセンテージで判定したり、具体的な根拠を羅列してくれるツールもある。
これらはアルゴリズムもさまざまで、一切の根拠が表示されない場合もあることから、結果だけを鵜呑みにするのは危険だが、それでも複数のツールを用いて同じ文章をクロスチェックすれば、ある程度の傾向は見えてくる。逆に言うとつねに何種類かのツールを利用できるようにしておくのが望ましいということになる。
今回はそうしたツールのうち、ユーザ登録なしで無料で試せることを条件に、5つのツールをピックアップして紹介する。なかには検証にあたって用意したサンプルテキストを正確に判定できなかったツールもあるが、言語や内容による得手不得手は少なからずあることを前提に活用してほしい。
OpenAIが提供する「AI Text Classifier」
「AI Text Classifier」は、ChatGPTの開発元であるOpenAIが提供。複数のサンプルが用意されており、手持ちのテキストがなくとも診断を試すことができる。テキストは1000文字以上が必要。
結果はパーセンテージ表示ではなく「very unlikely AI-generated」「possibly AI-generated」などとテキストで表示される(表示は5通り)。今回用意したサンプルテキストでは、日本語、英語、いずれも正解だった。なお、本ツール自体のアカウント作成は不要だが、利用にはChatGPTも利用できるOpenAIアカウントが必要となる。
外部ファイルが読み込める「GPTZero」
GPTZeroが提供する「GPTZero」は、無料版では250文字から5000文字までのテキストをチェック可能で、用意されたサンプル文以外にpdfやdocx、txtなど外部ファイルの読み込みにも対応。
結果は「likely to be written entirely by a human」「include parts written by AI」などとテキストで表示され、根拠となった箇所も明示してくれる。今回用意したサンプルテキストでは、日本語、英語、ともに不正解。Chrome拡張機能やAPIも提供している。
判定結果の分析が詳しい「GPT Radar」
「GPT Radar」は、NeuralTextが提供。結果は「Likely AI Generated」といったテキストに加えてパーセンテージでも表示され、使用した可能性が高いツール名(ChatGPTなど)も表示してくれる。
さらに全文を色分け表示し、AIが生成しやすいフレーズおよび生成しにくいフレーズも表示するなど、結果表示の詳細さでは今回紹介するツールの中でも群を抜いている。今回用意したサンプルテキストでは、日本語は正解、英語は不正解だった。
インタフェースがわかりやすい「AI DETECTOR」
「AI DETECTOR」はContent at Scaleが提供。利用には最低でも25の単語が必要で、最大25000文字までのテキストをチェックできる。結果はパーセンテージで表示され、さらに根拠となる箇所を色分け表示してくれるなど、他ツールと比べてもわかりやすい。
他ツールのように白黒はっきりした結論が出ることは少なく、確率40~60%のグレーな判定になる傾向がある。今回用意したサンプルテキストでは、日本語は正解したものの、英語は不正解だった。
シンプル設計で動作が速い「AI Content Detector」
「AI Content Detector」は、Crossplagが提供。文字数などの制限は不明。結果はパーセンテージで表示される一方、その根拠および詳細は表示されないなど、全体的にシンプルな設計だが、動作はそのぶん高速。
今回用意したサンプルテキストでは、日本語は不正解だったものの、英語は正解だった。なお繰り返し使っているとサインアップするよう促されるが、サインアップ後も無料で利用できる。