Twitterが長期間未使用になっているアカウントを削除する方針を発表したことで、多数の故人アカウントが消滅することが危惧されている。期限を設けずにすべてのデータを残しておくのが困難なのは明らかとはいえ、貴重なデータが失われることを危ぶむ声は多い。

これと同様に、ネットの古い遺産が削除されるケースは、ネットの歴史が長くなるとともにあちこちで目立つようになりつつある。こうした動きを受けて、資料を収集して再公開するアーカイブサイトも、各所で立ち上がるようになってきた。

こうしたアーカイブサイトでもっとも大規模なのはご存知「Internet Archive」だが、それ以外にも、特定のテーマに限定して収集、公開を行っているサイトは個人サイトも含めて数多く存在する。今回はそうした、過去のインターネットやテクノロジをさまざまな形で体感できる6つのアーカイブサイトを紹介する。

MS-DOS時代のウイルスを体験できる「The Malware Museum」

The Malware Museum」は、80~90年代に流行したMS-DOS向けのコンピュータウイルスを、エミュレータ上で安全に体験できるサイト。Internet Archiveの1コンテンツとして提供されており、ビジュアルが派手なだけで破壊行為のほとんどなかった牧歌的な時代のウイルスが多数収集されており、現在のウイルスとの違いを体験できる。

  • The Malware Museum

ダイヤルアップ時代のバナーを大量収集「The 88x31 GIF Collection」

The 88x31 GIF Collection」は、ダイヤルアップ時代に多数存在した88×31ピクセルのバナーを大量に収集、保存しているサイト。その多くはアニメーションGIFで、日本でお馴染みだったバナーはもちろん、日本の個人サイトと思しきバナーも中にはちらほら。バナーでびっしり埋め尽くされたページは現在5ページ目まで増えており、そのボリュームは圧巻だ。

  • The 88x31 GIF Collection

80年代からのアニメBBSの過去ログを見られる「Mapletown Network」

Mapletown Network」は、86年に開設された同名のアニメ専門BBSの過去ログを閲覧できるサイト。ログの多くは90年代のものだが、中には昭和のログもあって驚かされる。内容は当時そのままで「新世紀エヴァンゲリオン」TV版最終回の放映直後のファンの生の感想など、当時の熱気をいまに伝える貴重な内容。まずは「ボード」で作品名をチェックしてほしい。

  • Mapletown Network(左:トップページ、右:ボード)

ダイヤルアップモデムの音など音源を収集「Obsolete Sounds」

世界各地のさまざまな音を収集、保存しているサイト「Cities and Memory」の中で、ダイヤルアップモデムの音など、すでに消えつつある音を収集しているのがこの「Obsolete Sounds」。実機の操作音を生で録音しているほか、それらをサンプリングした音源も用意。テクノロジ関連ではAppleの「iBook Duo 230」やSeagateのハードディスクの名前も見える。

  • Obsolete Sounds

クラシックなMacintoshを実際に操作可能「Infinite Mac」

Infinite Mac」は、クラシックなMacintoshのシステムをバージョンごとに保存しているサイト。システムは仮想マシン上で実際に操作でき、実行するMacintoshの機種を選択することも可能。日本向けにはKanjiTalk 7.5.3(漢字Talk 7.5.3)が用意されており、インストールされているHyperCardやクラリスワークスなどのソフトも操作できる。

  • Infinite Mac

日本全国の自治体サイトの過去の姿を保存するWARPの特設サイト

過去のホームページを収集している団体はInternet Archiveなど多数存在するが、WARPこと国立国会図書館インターネット資料収集保存事業のアーカイブの中には、日本全国の自治体サイトが長期にわたって保存されている。検索性は必ずしも高くないので、具体的な自治体名を検索フォームから探すのが効率的だ。

  • WARP