今回は、ビックカメラ有楽町店の自転車売り場にて、自転車の売れ筋と自転車用ヘルメットの動向を尋ねました。
2023年4月から、自転車用ヘルメットは乗る人全員に着用の努力義務が課されるようになりました。道路交通法の改定によって、それまで幼児や児童のみだった努力義務の対象が全世代に拡大したためです。
売り場でも大きな変化がありました。同店のスポーツコーナー主任スタッフの米田亮氏は「ニュースで報じられるようになった2月中旬ごろから問い合わせが爆発的に増えました。一時期は、大人用ヘルメットが売り場から払底したほどです」と振り返ります。
取材した4月下旬には、売り場の棚一面に大人用ヘルメットが置かれており、在庫はかなり持ち直した様子でした。それでも、帽子風デザインのヘルメットなど、人気の高い一部のモデルはまだ供給回復を待っている状況のようです。
一方、自転車の売れ行きは大人用ヘルメットの動向とは連動していないとのこと。主流は電動アシスト自転車となります。「通勤通学用や子ども乗せ用、日常使い用など、使い方によってトレンドは変わりますね。それぞれのシーンで強みのあるモデルがよく売れています」
米田氏に挙げてもらった「電動アシスト自転車選びの三カ条」を踏まえて、直近の売れ筋トップ5を追いかけていきましょう。
<電動アシスト自転車選びの三カ条>
- バッテリー容量は2週間分の走行距離を目安にして選ぶのがちょうどいい。
- 足が引っかかることもあるので、売り場では実機をまたいでスムーズな乗り降りを確認したい。
- 荷台を取り付けるなら、本体の耐荷重とともに鍵の位置の確認も忘れずに。
※本文と写真で掲載している価格は、2023年4月27日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:ベビー用品メーカーとコラボした「ギュット・クルームR・EX」
一番人気となっていたのは、パナソニックの子乗せタイプ「ギュット・クルームR・EX BE-FRE032」でした。ベビー用品メーカーのCombiと共同開発したモデルで、取材時の価格は169,800円。20インチのタイヤに16Ahのバッテリーを搭載し、重量は31.9kgとなります。
「チャイルドシートの作りが秀逸で、ベルトが通しやすくて子どもの肩が浮かないようにしっかりホールドできます。実用性と安全性の高さを求めて指名買いされる方が多いモデルです」
第2位:8Ahで8万円切りの「SW」
続く2位は、パナソニックのファッションシリーズに属する低価格モデル「SW BE-1ELSW013」です。8.0Ahバッテリーを搭載し、タイヤサイズは20インチ。重量は22.8kgとなります。取材時の価格は79,800円でした。
メーカー標準モデル「BE-ELSW013」からフロントのカゴを大きくし、スタンドを片足タイプから両足タイプに変更するなどの改良を加えています。
「出力調整などがなく、電動アシストのオンオフだけの操作に絞っているので、複雑な操作を敬遠される方にも好評です」
第3位:坂が多くても頼りになる「PAS CHEER」
3位には、ヤマハ発動機の「PAS CHEER 22PA26CH」がランクインしています。26インチのタイヤを採用した8.9Ahモデルで、総重量は26.1kgとなります。取材時の価格は89,800円でした。
「PASのなかでは小容量な8.9Ahですが、急速充電機能を備えています。アシストの出力は3段階で調整できるので、上り坂でパワーが必要なときに頼もしいですね」
第4位:ブリヂストン定番の電動アシスト版「ステップクルーズe」
4位は、ブリヂストンの「ステップクルーズe ST6B42」です。26インチタイヤと9.9Ahバッテリーを採用した通勤通学向けモデルで、重量は27.7kgあります。取材時の価格は169,800円でした。
「同社定番のステップクルーズの電動アシストモデルですね。走行中に充電できるので、走る地域によりますが走行距離がかなり長くできる特徴があります。長距離を走行する人には、通勤通学を問わずお勧めのモデルですね」
第5位:スポーツ向けのロングバッテリー「ティービーワンe」
5位もブリヂストン製品がランクインしています。27インチタイヤを採用したスポーツ向けの「ティービーワンe TB7B42」で、価格は169,800円でした。バッテリー容量は9.9Ah。重量は22.4kgとなります。
「ステップクルーズeと同じく走行中に充電できるので、ヘビーユースされる方に人気があります。オプションでカゴなども付けられるので、通勤通学に使われる方も多くいらっしゃいますね」
はみ出し情報・・・押し歩き対応の「ビビ・L」も人気
トップ5以外の注目株も尋ねました。米田氏は、年配の方に厚く支持されているモデルとして、「ビビ・L BE-FL632R」と「ビビ・L・押し歩き BE-ELLW632T」をピックアップしました。どちらもパナソニックの26インチモデルで、バッテリー容量も12Ahと共通しています。重量と価格は、BE-FL632Rが22.4kgで129,800円。BE-ELLW632Tが24kgで118,040円でした。
人気を集める理由のひとつが軽さです。「どちらもアルミフレームを要所に使うことで軽量化しています。電動アシストは総重量がどうしてもかさんでしまうので、少しでも負担を抑えたい人に好まれていますね」
加えて、新モデルの「ビビ・L・押し歩き BE-ELLW632T」は、名前のとおり押し歩き時のアシスト機能も備えています。「歩道橋やスロープなどで押して歩くときに助かります。この機能が気に入って選ばれる方も少なくありません」