ワコムは5月22日、公式YouTubeチャンネルにて無料のオンラインセミナー「【見る人の視線を奪う】ライティングを考えよう!ユウマ先生のイラスト講座【板タブ】」を開催。

  • ワコムオンラインセミナーが開催。イラストレーターのユウマさんが、ライティングのコツを解説した

ゲスト講師にイラストレーターのユウマさんを招き、作品の印象を決めるライティングのコツを解説しました。

講師のユウマさんが審査員!塗り絵コンテスト開催

ユウマさんは、物語のあるイラストをテーマに作品を制作するイラストレーター。かつてゲーム会社にも4年ほど勤務していた、とのことでした。

  • 講師のユウマさんは、物語のあるイラストをテーマに作品を制作するフリーランスのイラストレーター。これまで手がけてきた仕事は、ApexLegends、ホロライブプロダクション、にじさんじ、ラノベ、専門学校の非常勤講師など

そしてセミナーの題材には、ドラゴンに乗った少女のイラストが用意されました。

  • ワクワクするような、ファンタジーあふれるイラストが用意された

2023年にワコムが創立40周年を迎えたことを記念して、デジタル塗り絵コンテスト「塗りコンっ!!」(5月22日~6月30日まで)がこの場で発表されました。ユウマさんはコンテストの審査員も務めています。実は、ドラゴンに乗った少女のイラストも、コンテスト用にユウマさんが描き下ろした線画なのでした。

  • デジタル塗り絵コンテスト「塗りコンっ!!」が開催中

「塗りコンっ!!」の受賞者には、ワコムやセルシスからデジタル制作をサポートする豪華商品(Wacom Cintiq 16、CLIP STUDIO PAINT PRO 2デバイスプラン 2年版など)が提供されます。これにはユウマさんも「めちゃくちゃ羨ましいですね」と思わず本音を漏らしていました。

使用デバイスや塗り方も公開、視聴者から質問が続々!

ユウマさんは、ハードウェアに板型ペンタブレット(板タブ)の「Wacom Intuos Pro」と「CLIP STUDIO TABMATE」を使い、ソフトウェアは「CLIP STUDIO PAINT」で描いていくスタイル。

板タブについては「画面をモニターに映すことで絵を客観視できるし、姿勢が前かがみにならずに済みますね」、CLIP STUDIO TABMATEについては「持ちやすく、何処に手を置いても作業できるので気に入っています。左手は膝のうえに置いて描くこともあるので」と愛用の理由を話しました。

  • 作業環境は、板型ペンタブレット「Wacom Intuos Pro」×「CLIP STUDIO PAINT」

ちなみに普段からラフで下塗り、影、ハイライトまですべて終わらせているそう。セミナーでは、はじめに塗りの工程を進めつつ、視聴者の質問にも回答し、後半でライティングについて解説しました。

  • 作業イメージ

ドラゴンが好きだというユウマさん。「子どもの頃、恐竜博も好きでよく見に行っていました。FFとかドラクエとかモンハンとか、ゲームからもたくさんのインスピレーションを得ています」と楽しそうに話します。ドラゴンも、鳥や動物を描くときと同じように、尾てい骨などの骨格を意識して描いているとのことです。

  • 質問に回答しながら作業は続く

もともと漫画家志望だったことを明かすと、視聴者からは「どうやってポートフォリオを作ったら良いですか」と質問が寄せられます。これについては「私だったら、老若男女の描き分け、モンスターの描き分けについて見てもらう、あとは自分の好きな(描きたい)世界観を入れていきます。企業側が続きを読みたくなるような、そんなポートフォリオを意識して作ります」。

  • ドラゴンの顔にも取り掛かる

いままで描いてきたイラストを入れることも大事だけれど、ポートフォリオの世界観を統一すると企業側にも自分の特徴をアピールしやすくなる、と解説するユウマさん。

  • 作業イメージ

またイラストを描くうえで参考にしている資料については「映画を見て、カメラアングルについて勉強しています」。このやや意外な回答には、進行役のMCも驚きの声をあげました。

オススメの1冊として『Filmmaker's Eye -映画のシーンに学ぶ構図と撮影術』を推薦したうえで、「参考資料として、アニメやほかのイラスト作品を見るのも良いんですが、結局、それは“複製の複製”になってしまうんですよね」とし、実写の良さについてあらためて強調。日頃、外にでかけたときも「この構図良いなぁ」「イラストで描いてみたい」などと考えるときがあります、と続けました。

  • 地道に塗り工程が続く

ライティングは「面」を意識する

そして、いよいよライティングに移ります。左上に光源があることを意識して、色ラフを乗せた上からクリッピングレイヤーで影ラフを入れていく作業です。

レイヤー構成については「ベーシックですが、必ず『地塗り』の上に『深めの影』を入れ、その間に『薄い影とハイライト』を入れると決めています」。すると悩まずに、機械的にガンガン進めていける、とユウマさん。「もっとほかの箇所で悩みたいから」「ラフは設計図。いつも、ラフにイチバン悩んでいる」とも話します。

  • 線画、地塗り、深めの影、薄い影とハイライトというレイヤー構成

影の色のつくりかたについては、人によって思想が違うとしつつも「基本的には(カラーサークルを開いたときに)地の色の少し右下を選んで、そのとき彩度も少しいじります」と解説。彩度をいじって色を変化させることで奥行きが出る、としました。

  • キャラクターやアイテムの質感を想像しながら影を作っていく

ドラゴンの場合、鱗だったり、角、肌の質感などがゴツゴツしているので、特に凹凸が大事になるといいます。

「どこでどんな面になっているのか、意識しながら塗っていきましょう。ただ、ディテールは追いすぎない。引きで見たときのバランスも考えます。常に俯瞰でも見ていく癖をつけた方が良いです。というのもパーツごとに細かくライティングしていくと、全体で見たときに成立しなくなることがあるので」(ユウマさん)

  • どこが平面になっているのか考える

最後に、木陰の下を歩いている効果を追加します。設定した時間帯は、お昼前後。「空が青いので影も濃い青色になる」とユウマさん。まず、上から大胆に色を塗りました。

  • 上から大胆に色を付ける

そのあとで、ほかの影の色に馴染むように色相を調整。そして塗った影を部分的にポツン、ポツンと削っていくと、なるほど木漏れ日の表現になりました。木から近い箇所ほど光は強く明るく、遠ざかるほどボヤケていくようにすると、綺麗に仕上がるとのこと。

  • 完成イメージ。影で主人公の顔が暗くなっても、無理に明るくしない(そのほうが、逆に顔をよく見てもらえる)とユウマさん

  • 影をつけたことで、立体感が何倍にも増した印象に!

視聴者からは「暗い色の中に光を入れると、イラストの説得力がアップしますね」「参考になります」といった書き込みが多く見られました。ライブ配信は、これにて終了。ワコムからは、デジタル塗り絵コンテスト「塗りコンっ!!」についてあらためて紹介がありました。

セミナーの様子は、現在アーカイブでも公開しています。気になった方は、ぜひアーカイブ配信をチェックしてみてください。