今回は、防犯アイテムのトレンドをビックカメラ有楽町店に取材しました。

家の内外を整えて防犯力を高めるニーズは、新年度が始まったばかりのこの時期に高まる傾向にありますが、直近では別の動きが目立っているようです。

同店スタッフの椎貝将幸氏は「テレビで強盗窃盗団の事件が報じられると、売り場に来られる方が急増します。売り場でも、普段よりも並べる商品点数を増やすなどの措置をとっています」と現状を教えてくれました。

  • ビックカメラ有楽町店 4階にある防犯コーナー。スタッフの椎貝将幸氏に案内してもらった

そうしたトレンドが見られるなかで、特に注目を集めているアイテムを6点選んでもらいました。「防犯力アップの3ポイント」を踏まえて追いかけていきましょう。

<防犯力アップの3ポイント>

  • 強盗が警戒するのは「人の目」と「光」、「音」。そこに注目して、定期的に防犯を確認したい。
  • 長く安定して効果を発揮させることが大切。電源供給の手段や耐用年数を意識して選びたい。
  • 穴をなくすために店頭スタッフに相談するのも有効。間取り図の持ち込みも歓迎している。

※本文と写真で掲載している価格は、2023年4月27日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

注目1:音で防犯できる「ドア窓アラーム」

注目株のひとつめは、ドア窓アラームです。強盗を防ぐ狙いで複数個を買い求める人が急増中とのことですが、小さな子どもが窓を開けて落下する事故を防止するといった、内側からの需要も根強くあるといいます。

特に人気があるのは、デジタルランドの「ドア窓アラーム DL-1881」です。ドアや窓に両面テープだけで簡単に固定できる仕様で、オンにしたままドアや窓を開けると90デジベルの大音量アラームが鳴る仕組みです。価格は980円でした。

「ドアや窓の防犯グッズのなかでも周囲に知らせる力があるので、とてもよく売れています。長さが9cmとコンパクトで、取り付けやすい利点もありますね」

  • ドア窓の防犯アイテム売り場。中央が「ドア窓アラーム DL-1881」

注目2:窓の破壊を防ぐ「防犯対策フィルム」

同じく、強盗対策として定番の人気を集めているのが防犯フィルムです。窓に貼ることで、ハンマーなどで窓ガラスを割ったり、バーナーなどで焼き破りしたりする侵入を防ぎます。

売り場には、リンテックコマースの「防犯対策フィルム」が数種類並べられていましたが、なかでもよく売れているのは「防犯対策フィルム395」とのことです。300×375mmサイズのシートが2枚入った「HGS39P」の価格は4,950円でした。

「同サイズで1,000円以上安い200ミクロンタイプもありますが、395ミクロンのこちらのほうが焼き破りにも強く、『せっかくだから』と選ばれる方が多い印象です」

  • リンテックコマースの「防犯対策フィルム」シリーズ

注目3:数カ月持つバッテリーで屋外でも使える「防犯スマートカメラ」

防犯カメラも定番アイテムのひとつでしょう。ただ、工事依頼が不要で手軽に導入できるモデルが好調に売れているようです。

ピックアップされたのは、グーグルの「Nest Cam」。フル充電で数カ月持つバッテリーを内蔵する防塵防滴仕様のカメラで、人や動物、クルマなどを検知すると、連携したスマホに通知する機能も備えています。取材時の価格は23,900円でした。

「本体は強力マグネットでスタンドに固定できるので、壁にスタンドさえ固定すればどこにでも設置できる仕様です。スタンド部分は、ネジを打ち込んでそこに引っかけるように固定できるので、手軽に導入できます。予算を抑えて防犯カメラを導入できることもあってよく売れています」

  • グーグル「Nest Cam」

注目4:光量の大きい「LEDセンサーライト」

防犯カメラと対で買われることも多いのがセンサーライトです。こちらもジャンル全体で需要が急増中とのこと。

特に人気があるモデルとして、オーム電機の「E-Bright コンセント式 LEDセンサーライト 1灯」が挙げられました。1,600ルーメンの光量があり、最長12m先までの動きを検知できます。価格は3,550円でした。

「コンセント式なので、導入できる環境が限られる部分はありますが、やはり光量の大きさが魅力になっていますね。光は音や人の目と同じく強盗が特に警戒するので、しっかりとした効果が期待できます。そのうえで、できるだけ予算を抑えて選びたいという人にぴったりの製品ですね」

  • オーム電機「E-Bright コンセント式 LEDセンサーライト 1灯」

注目5:スマホと連動できる「ドアホン」も需要増

ドアホンを更新したり、新たに取り付けたりするニーズも高まっているそうです。なかでも注目されているのは、パナソニックの「VL-SWD505KF」だといいます。価格は48,440円でした。

「スマホと連動できるので、外出中でも応対できるのがポイントです。2~3年くらい前から同様の機能を備えるモデルはありますが、ここ最近になって伸びていますね。30代や40代の方を中心に売れています」

  • パナソニック「VL-SWD505KF」

注目6:家の中の安否が確認できる「ネットワークカメラ」

最後は、家の中の安否を確認するニーズで伸びているアイテムです。パナソニックのネットワークカメラ「HDペットカメラ KX-HDN215」で、取材時の価格は21,900円でした。

室内に設置しておけば、犬や猫などの動作を検知して追尾しながら自動撮影できるほか、連動したスマホでカメラの角度を変えたり、通話したりもできます。ペット用に購入する人はもちろん、外出時に自宅に残した家族の見守り用に導入する人も増えているそうです。

「何かあったときにも自動追尾機能で状況が追えるという点を重視して選ばれる方が多い印象があります。見守りツールとしてもコストを抑えて利用できますし、汎用的に使える製品だと思います」

  • パナソニック「HDペットカメラ KX-HDN215」(左)。右は兄弟モデル「ベビーカメラ KX-HBC200」