NTTドコモは5月9日、「副回線サービス」を6月1日から提供すると発表した。5月11日からオンラインで申込を受け付ける。

副回線サービスとは、通信障害や自然災害などの非常時に備えて通信手段を多重化する手段として、ユーザーが主に利用しているキャリアとは別のキャリアの回線を副回線として提供するオプションサービス。主回線とは別のSIMが発行され、デュアルSIM(eSIM)端末で利用できる。副回線の電話番号は新規発番の別番号となる。

各自で2社と契約する場合と比べ、申込や料金支払いはワンストップで済ませられるうえ、あくまで非常時の通信手段としての必要最低限の利用を想定したプランであるため、出費も抑えることができる。

この取り組みは2022年に発生した大規模な通信障害の後、総務省の有識者会議などにおける検討を経て、大手3社の間で調整が進められてきた。3月にはまずKDDIとソフトバンクの間で互いに副回線の提供が実現しており、今回NTTドコモとKDDIの間でも提供の準備が整った。

  • ドコモでも「副回線サービス」が始まる。KDDI(au)回線を追加で契約できる

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ドコモでは、5G/Xi契約の全プランの音声回線とahamo契約回線を対象とする。eSIMのみの提供で、物理SIMは発行しない。個人・法人のどちらでも申し込めるが、個人名義の場合は契約者・利用者ともに18歳以上であることが条件。契約事務手数料は3,850円。

副回線のプランは、個人・法人共通のものと法人専用の2通りが用意される。個人・法人共通のプランは、基本使用料が月額429円。月間データ容量は0.5GBで、通信速度は送受信時最大300kbpsに制限される。国内通話料は22円/30秒、SMS送信料は3.3円/回。

法人専用のプランは少し制限が緩めに設定されるが、提供開始日は2023年6月以降(詳細未定)とされており、開始日の時点では先述のプランのみ選択できる。内容としては、基本使用料が月額550円、データ容量が1GB、通信速度は送受信時最大1Mbpsとなり、通話・SMSは同額。