三菱電機は4月6日、4月10日が「エアコン試運転の日」であることに伴い、東京・大阪在住の30〜50代の男女600名を対象に実施した調査結果をもとに、「冷房の試運転を実施したほうが良い理由」および具体的な冷房試運転の実施方法を公開した。

  • 暖房が使えていても、冷房時に不具合が発生することも

調査によると、「夏場、故障によりエアコンが使えず困った経験がある」と回答した人は27.2%。具体的には「暑さで辛い思いをした」(62.6%)、「設置/修理に数週間を要した」(41.1%)、「急遽 エアコンを購入したため、希望のエアコンが購入できなかった」(12.3%)といった経験をしていた。

  • 「夏場、故障によりエアコンが使えず困った経験がある」人は27.2%

  • 夏場、故障によりエアコンが使用できず困ったこと

夏場に向け、エアコンを本格的に使い始める前に「試運転」を行っているか尋ねると、「毎年行っている」人は24.3%にとどまった。

試運転を知っているにもかかわらず毎年実施していない人に理由を聞くと、「暖房運転が問題なくできていたので冷房運転もできるだろうと思ったから」(50.2%)が最多であった。

  • 冷房の試運転を毎年行っている人は24.3%

  • 毎年エアコンの「試運転」を行わない理由

さらに「エアコンの暖房運転時は問題なく稼働していたのに、冷房運転時には不具合が見つかった経験がある」人は6人に1人以上いた。全体として、夏場、エアコンの故障により多くの人が困った経験をしているものの、試運転の実施には消極的な方が多い結果となった。

  • エアコンの暖房運転時は問題なく稼働していたのに、冷房運転時には不具合が見つかった経験がある人は17.5%

三菱電機によると、冷房の試運転が必要なのは結露水(ドレン水)まわりの確認のため。この部分は暖房運転時に問題なく使えていても、冷房運転時に不具合が起こる可能性があるという。

暖房運転では室内機の内部に結露が発生しないが、冷房運転では室内機内部に結露が発生するため、冷房の試運転では「ドレンホースから適切に結露水(ドレン水)が排出されているか」や 「室内機から水漏れがしないか」などを確認する必要がある。

  • 冷房運転時にドレン水を排水している仕組み

ドレンホースから結露水(ドレン水)が適切に排出されていない場合は、内部に溜まった結露水(ドレン水)がエアコンから漏れ出てくることがあるほか、見えない部分での水漏れにより部屋の壁が腐食する等のトラブルが発生する可能性もあるとのこと。

冷房シーズン前の4月・5月に試運転をする理由として、エアコンの設置・修理工事は6月〜8月が繁忙期でかなり混み合うほか、補修用性能部品の保有期間が過ぎていると修理部品が手配できず、買い替えが必要になってしまうケースもあることを挙げた。

こうした理由から、夏のエアコンが必要なときにすぐに使えるよう、早めに試運転を実施し、調子が悪い場合は暑さが来る前に修理もしくは買い替えを済ませておくことを三菱電機は推奨している。

  • 2022年4月〜9月までのエアコン相談件数月別推移(三菱電機調べ)

冷房の試運転の方法として、まず行いたいのは電源プラグやコンセント、室外機まわりをチェック。ほこりの付着、変色やがたつき、ゆるみがないか、電源コードを束ねたり延長コードを使用したりしていないか、電源コードに傷がついていたり途中で接続されたりしていないか、室外機の前に室外機の風通しをふさぐような障害物を置いていないかを確認したい。

  • エアコン冷房試運転の3ステップ(赤枠は冷房ならではのチェック項目)

次に、冷房の効率を下げないためエアコン内部のフィルターの汚れをチェック。エアコンの吹出し口やファン、熱交換器にカビが生えて気になる場合は販売店またはメーカーの修理窓口に相談の上、室内機の洗浄を行う。ただし誤った洗浄剤の選定・使用方法で洗浄を行うと樹脂部分が破損したり、水漏れなどの原因になるため、自身で室内機の洗浄は行わず、エアコンクリーニング業者に依頼すること。

最後に、冷房の設定温度を最低にして30分程度運転し、風の冷たさや水漏れの有無を確認する。屋外のドレンホースのねじれや詰まり、先端につぶれがないかをチェックしたら、運転モードを「冷房」にして設定温度を最低にして運転する。10分程度運転し、室内機の吹き出し口から冷たい風がでているか確認したら、さらに20分程度運転して室内機から水漏れがないか確認する。正常に運転できた場合は設定温度を元に戻して運転を停止し、もしも異音や異臭など異常があった場合はメーカー、販売店へ連絡する。