住宅設備機器の製造・販売を行うノーリツは4月5日、高効率ガス給湯器「GT-C72」シリーズ4機種と、同シリーズに対応した高機能リモコン「RC-K001W」シリーズ1機種を発表しました。発売日は7月3日。いずれも直販は行っておらず、ハウスメーカーなど流通経路を通じての販売となります。

価格は「GT-C72」シリーズが431,860円~586,630円、「RC-K001W」シリーズが71,940円。給湯器とリモコンは基本的に給湯システムとしてセット販売するとしています。新給湯システムは、除菌技術と人体熱モデル技術において業界初の技術を2つ備えた点が特徴。入浴中にどのような付加価値が得られるのか新製品発表会で聞いてきました。

  • ガス給湯器「GT-C72」シリーズ(左)、「RC-K001W」シリーズの台所用リモコン(右上)、浴室用リモコン(右下)

    ガス給湯器「GT-C72」シリーズ(左)、「RC-K001W」シリーズの台所用リモコン(右上)、浴室用リモコン(右下)

  • 新製品発表会には、芸能界の“アツアツ夫婦”としてノーリツが認定したというお笑い芸人・庄司智春さん、タレント・藤本美貴さんがゲストに登場。庄司さんは「結婚当初は“離婚しそうな夫婦第2位”に選ばれてしまったこともあったが、結婚15年目にしてアツアツ夫婦と認定してもらえてうれしいです」と語りました

お風呂の配管を99%除菌する「オゾン水配管クリーン」とは?

業界初とうたう2つの技術のうち、1つ目は除菌技術の「AQUA OZONE(アクアオゾン)」です。AQUA OZONEは工学院大学の独自技術であり、生成したオゾンをしっかり水に溶解させて除菌効果のあるオゾン水を生成する技術。「GT-C72」シリーズのプレミアムモデル「GT-C2472PWAW BL」にのみAQUA OZONEを搭載したオゾン水除菌ユニットを内蔵します。

  • 業界初となる技術を2つ備えました

  • オゾン生成ユニットは本体の右側に配置

このオゾン水を用いた除菌システムが「オゾン水配管クリーン」。オゾン水配管クリーンは、浴槽の掃除前など、浴槽内の排水を検知すると起動し、オゾン水が給湯器と浴槽をつなぐ「ふろ配管」を通じて浴槽へ注水されます。

このとき、オゾン水によりふろ配管を除菌。衛生微生物研究センターが行った試験によると、試験菌液を付着させたふろ配管に対しオゾン水配管クリーンを実施し、未実施時と比較して生菌数が99%以上減少した結果が得られたといいます。

浴槽へ流れ込んだオゾン水は、排水管を経由して洗い場の排水口へ流れていきます。このときオゾン水が流れることで、排水口の菌や排水口のにおいも抑制(ノーリツ調べ)。ほとんどの家庭で掃除する機会がない給湯器の配管や、においが気になる洗い場の排水口を、衛生的に保てるのはうれしいポイントですね。

加えて、従来製品にも備わっていた人気機能の「UV除菌」も引き続き搭載。オゾン水配管クリーンと組み合わせて「W除菌」として訴求します。

UV除菌は、浴槽と給湯器を循環するお湯に向けて、給湯器内でUVを照射して除菌する機能(衛生微生物研究センター調べ)。浴槽から出たタイミングで、水位の変化を給湯器内のセンサーが検知して起動します。そのため、同じお湯に家族が順番に入ったり、入浴後の残り湯を洗濯に使ったりする家庭は、常に除菌後のお湯を使用可能です。

  • 2番目以降に入浴する人はUVで除菌されたお湯を使えます

  • UV除菌ユニットは底面近くに内蔵します

  • オゾン生成ユニット(左)、UV除菌ユニット(右)

リモコンが長湯での「のぼせ」を回避?

2つ目は、入浴時における深部体温(体の中心付近の温度)変化を推測する人体熱モデル技術「HIITO(ヒート)」。深部体温を実際に計測するのではなく、浴室気温と浴槽の湯温を浴室リモコンが測定することで、深部体温の上昇度合いを推察し、適した湯上がり時間を知らせられるようになりました。

  • 神戸大学・九州大学との共同研究により実現した新技術「HIITO」

この技術を用いたモードは「ホッと湯上りモード」と「あったか睡眠サポートモード」の2種類。ホッと湯上りモードは、入浴事故の主な要因の一つでもある“のぼせ”を対策するモードです。

浴槽に入ったタイミングを水位の変化で検知し、浴室の温度と湯温から算出された目安の退浴時間に音声で案内して長湯を防ぎます。適した深部体温の数値や、浴室温度と湯温から算出された目安の退浴時間などは公開していませんが、入浴後5~20分間の間で音声案内が行われるとのこと。

あったか睡眠サポートモードは、専用アプリに就寝予定時刻を設定すると、お勧めの入浴開始時間・退浴時間をスマホにプッシュ通知するモード。

九州大学とノーリツの共同研究によると、睡眠と体温には密接な関係があり、人は深部体温が下がり始めると眠気が訪れて眠りやすくなるとのこと。また、就寝直前の高温浴などは逆に入眠を妨げることもあるといいます。深部体温の変化を推測するHIITOを活用することで、就寝前の入浴習慣作りをサポートできるようになりました。

  • 入浴中の深部体温の上昇は健康や安全と密接に関係しているといいます

なお、湯温を徐々に上げて身体の負担を軽減する「ゆるやか浴」や、入浴時間を測定して知らせる「入浴タイマー」、入浴状態を台所リモコンのランプから確認できる「浴室モニター」など、従来の見守り機能も引き続き備えています。

台所リモコン画面がオシャレ&見やすくリニューアル

個人的に好印象だった点は、リニューアルした台所リモコン。表示部に新しくフルカラータッチパネルを採用し、背景5種類のデザイン(水面・若葉・夕暮れ・ライト・ダーク)と、2つのモード(かんたんモード・英語モード)から選択できるようになりました。

  • 「水面」背景

  • 「若葉」背景

  • 「夕暮れ」背景。背景は案内に従い10秒程度で手軽に変更できました。季節やその日の気分・部屋の雰囲気などに合わせて変えるのも楽しそうです

  • かんたんモード画面。兵庫県立工業技術センターと共同で開発を進め、高齢者に操作してもらいながら、スイッチの色分け・フォントの大きさを決定。表示もよく使う機能(呼出・追いだき・ふろ自動・給湯温度変更に絞って操作性に配慮しました

  • 英語モード画面。背景は「水面」に固定されます

  • 浴室リモコンはシンプルなデザインです

各住宅のつくりにもよると思いますが、台所リモコンは浴室リモコンに比べて人の目に触れる機会も多く、無機質に数字を表示するより、フルカラーの鮮やかな背景を表示できるようになった点はうれしいポイント。キッチンの雰囲気や家電のカラーにも合わせやすくなりました。

家の新築・リフォーム・リノベーションのタイミング以外では、意識することが少ない給湯システムの購入。これらを予定していたり、浴室回りや洗濯物の雑菌やにおいが気になっていたりする人は「RC-K001W」シリーズプレミアムモデルを候補のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

  • 登壇直後、お決まりの「ミキティー!! 」を披露

  • 3人の子どもを育てている庄司さんと藤本さんは「いつも子供だけでお風呂に入ると遊んで長風呂になってしまうので、退浴タイミングをお知らせしてくれる機能はありがたい」と気に入ったようすでした

  • トークセッションでは、庄司さんが藤本さんを「100点満点を超えた120点の最高の人」、藤本さんが庄司さんを「困ったときに頼りがいのある人」と表現し、“アツアツ”なようすを見せていました