遊舎工房は3月22日、片手入力デバイス「Quick Paint」を4月1日から一般販売すると予告した。組み立てキットとしての販売で、ベーシック版は7,700円、フルセット版は9,900円。
遊舎工房は秋葉原に実店舗を構える自作キーボード専門店。既製品ではなく思い思いにこだわりのキーボードを作り上げる自作キーボードというディープな文化に大きな影響を与えてきた。
Quick Paintは主にペンタブレットを利用するデザイナーやイラストレーター、漫画家などに向けた製品。デジタルイラストの制作では、ペンを持ったまま各種ショートカットキーを使えるように(右利きのユーザーであれば)左手デバイスと呼ばれる小型キーボードのような特殊デバイスの需要がある。
既製品として市場に出回っている左手デバイス/片手デバイスの選択肢は決して多くはなく、ゲーミングデバイスや外付けテンキーを工夫して応用する人も多い。そこで自作キーボード専門店ならではのアプローチとして、「手触りや押し心地、好みのカラーなどにもこだわれる片手デバイス」として作られたのが本製品だ。2022年9月にはグループバイ形式の予約販売が実施された。
ケースサイズ約106×69×12mmの小さなボディに12キー+ホイールを備え、自作キーボードと同様に好みのメカニカルスイッチを組み込める。キーキャップも自由に変えられて、たとえば同店が販売しているクリスタアイコンキーキャップセット(別売/セルシス許諾済)を装着すれば、CLIP STUDIO PAINTのUIと統一されたアイコンで直感的に使える。
自作キットではあるが、はんだ付けは不要で、パーツをはめ込んだりドライバーでネジ止めしていくだけで完成するユーザーフレンドリーな設計となっている。キースイッチやキーキャップを自分で選びたい人にはベーシック版(基板とケースのみ)、まずは使ってみたいという人には遊舎工房オリジナルスイッチ(Yushakobo Fairy Silent Linear)と無地のキーキャップが入ったフルセット版が向いているだろう。