セガは、対戦アクションパズルゲーム「ぷよぷよ」シリーズの戦術分析のため、トビー・テクノロジーと共同で試合中のプレイヤーの視線の動きを分析する研究実験を実施した。

「ぷよぷよ」の対戦においては相手のフィールドの状況を把握する「凝視」と呼ばれるテクニックが重要と言われており、今回の研究実験ではトビー・テクノロジーのアイトラッキングと調査分析サービスを用いて、プロ選手の「凝視」は強さに関係があるのか、またそのテクニックは具体的にはどのようなものなのかを検証。「ぷよぷよ」のプロ選手であるdelta選手、飛車ちゅう選手と、アマチュア選手の比較を行った。

本研究の結果、プロとアマチュアの差、またプロにおいてもプレイ中の視線の動きには選手によって個性があることが明確になった。

本線積み中の視線配分(見た時間割合)では、プレイヤー101(アマチュア)と比べ、プレイヤー102(プロ delta選手)はNEXTぷよ(次に落ちてくる組ぷよ)、NEXT2ぷよ(次の次に落ちてくる組ぷよ、通称:ネクネク)、対戦相手フィールドを見る時間割合が大きいことが判明。戦略としてNEXTぷよ、NEXT2ぷよの情報を重視し、対戦相手フィールドの情報を得る時間を確保していた。

  • 本線積み中の視線配分

本線積み中の凝視で得る情報量(相手盤面を見ている間の視線移動量)では、プレイヤー101(アマチュア)と比べると、プロである102、103とも視線移動量が多く、また、本線積み中にそれぞれの情報を得る頻度(見てから次に見るまでの時間間隔)では、101(アマチュア)と比べて、プロである102、103どちらも対戦相手フィールドを見る間隔が短かった。

  • 本線積み中の凝視で得る情報量

  • 本線積み中にそれぞれの情報を得る頻度

また、最初の連鎖中の視線配分(見た時間割合)では、101(アマチュア)と比べて、102(プロ)は相手のNEXT2ぷよを見る時間割合が、103(プロ)は対戦相手フィールドを見る時間割合が大きい。

最初の連鎖中のプレイヤーフィールドから得る情報量(プレイヤーフィールドを見ている間の視線移動量)では、101(アマチュア)と比べて、102(プロ)は(見た時間割合は小さいにも関わらず)プレイヤーフィールドを見ている間の視線移動量が多く、短い時間でより多くの情報を得ていることがわかった。

102(プロ)、103(プロ)の最初の積みにおけるgaze plot(視線の軌跡を可視化したもの)を比較すると、103の視線はNEXTぷよ、NEXT2ぷよにほとんど向いていないが、プレイヤーフィールドの上部に多く分布。103がぷよを積んでいる最中にプレイヤーフィールドを見ている時間が長いのは、少し遠くからNEXTぷよ、NEXT2ぷよを確認していることが要因と推察されるという。

結果として、アマチュアと比べ、プロは視線移動量が多く、対戦相手フィールドから多くの情報を得ている可能性が高いことがわかっただけでなく、プロ選手でもそれぞれ違う特徴がみられた。

delta選手は、NEXTぷよ、NEXT2ぷよ、対戦相手フィールドをみる時間割合・頻度が多く、特に相手のNEXTぷよ、NEXT2ぷよを見る時間が長い特徴があった。一方、飛車ちゅう選手は、プレイヤーフィールド・対戦相手フィールドを見る時間割合・頻度が多く、delta選手と異なり、NEXTぷよ、NEXT2ぷよへの視線移動はほとんどないものの、インタビューでは確認している旨の発言をしていることから、視線の中心視の外側でNEXTぷよ・NEXT2ぷよを把握している可能性があるという特徴があった。

  • delta選手の視線

  • 飛車ちゅう選手の視線