米Metaは3月3日(現地時間)、VRヘッドセットのハイエンド製品「Meta Quest Pro」と、普及帯製品「Meta Quest 2」の上位モデル(256GB)の値下げを発表した。
Meta Quest Proは、米国とカナダで3月5日から999.99ドルで販売する。現在の価格(1,499.99ドル)から500ドル、約33%の値下げになる。Meta Quest Proがサポートされている他の国・地域では3月15日に価格改定し、日本では159,500円(日本円の価格は税込)になる。226,800円から67,300円(約30%)の値下げだ。
Meta Quest 2(256GBモデル)は、米国、日本、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、英国で、3月5日に値下げを実施する。米国では現在の499.99ドルから429.99ドルに約14%の値下げ。日本では74,400円(税込)が64,405円に、9,995円(約13%)の値下げになる。
Meta Quest 2の128GBモデル(59,400円)は価格据え置きで、256GBモデルとの価格差が5,005円に縮まる。容量の大きな256GBモデルを値下げすることで、完全没入型の体験やゲームの楽しさをより多くの人に届けるとしている。
Meta Quest Proは、薄型パンケーキレンズ、高解像度の外方向カメラを搭載。アイトラッキングと表情トラッキングをサポートし、MR(複合現実)対応のデバイスとして現実世界とバーチャル世界をシームレスに融合させる。今回の値下げにより、「Meta Reality技術やInfinite Display光学スタックを活用したハイエンドデバイスを、世界中のさらに多くの企業やプロフェッショナルに提供する」としている。
値下げに合わせて、Meta Quest Proの販売チャンネルを拡大する。Metaのオンラインストアに加えて、Amazon、ビックカメラ、コジマ、ソフマップ、ヤマダデンキ、TSUKUMO、ヨドバシカメラのECサイトでも購入できるようになる(3月15日に予約受け付け開始、4月3日から販売開始)。
Metaは昨年8月にMeta Quest 2を値上げしていた。同社はVRヘッドセットの普及を促進するためにそれまでMeta Quest 2を「37,180円から」という導入しやすい価格で提供していたが、製造・輸送コストが上昇し、またVR市場が安定的に成長し始めたことから値上げに踏み切った。その際に256GBモデルは49,280円から74,400円に引き上げられた。
しかし、昨年後半にインフレが過熱し、景気減速懸念からスマートフォンやハイエンドVRヘッドセットのような高額ガジェットの購入に消費者が慎重になる傾向が強まった。CCS Insightの分析によると、2022年の世界のVR/ARデバイスの出荷台数は960万台、前年から12%以上減少した。