ローランドは、クラシックなアナログ・シンセサイザーから最新のデジタル・シンセサイザーまで、幅広いサウンドを一台で生み出すデスクトップ・シンセサイザー「SH-4d」を2023年3月10日に発売する。市場想定価格は77,000円前後。

  • 「SH-4d」

「SH-4d」は、初代モデル「SH-1000」以来、現在でも人気の高いシンセサイザー「SHシリーズ」のコンセプトを継承した最新モデル。50年にわたるシンセサイザーの研究開発で培った独自技術によってアナログ・シンセサイザーの特徴を再現し、さらに発展させたサウンドを搭載。デジタルならではのサウンドも装備し、さらにエフェクトなどのツールを搭載する。32個のつまみと4本のスライダー、多機能ボタンによりトーンを作成し、すぐにパフォーマンスが可能。マトリクス・セクションでは、LFOやエンベロープ、または外部MIDIソースを使用してMODELパラメーターのモジュレートが行える。つまみへのアサインも可能で、詳細な設定も直感的に行える。また、モーション・センサーを内蔵しており、パフォーマンスしながら本体を持ち上げて、物理的な動きでサウンドの調整ができる。音源部は以下の11種類のオシレーター・モデルとリズム・パートで構成されている。

  • SH-4d MODEL:「SH-2」や「SH-101」など歴代の「SHシリーズ」の特徴を継承して発展させた新開発のオシレーター・モデル
  • SH-3D MODEL:「SH-4d MODEL」の4つのオシレーターのうち1つをLFOとして使用可能で、より複雑な動きを持つサウンドを生み出せる
  • CHORD MODEL:ワン・ノートでのコード演奏が可能なオシレーターで、コードをリアルタイムで変化させられる
  • CROSS FM MODEL:豊富な倍音成分を含む特徴的なサウンドを生み出す
  • WAVETABLE MODEL:パネル上のスライダーを使い、再生ポイントや波形を自在に変化させられる
  • DRAWING MODEL:波形そのものを画面の中で自由に書き換えることで、音色に変化を与えられる
  • RING MODEL/SYNC MODEL:うねるようなシンセ・リードや金属的なベルなどのサウンドを生成できる
  • SH-101 MODEL/JUNO-106 MODEL:ローランドのモデリング技術で、「SH-4d」に合わせてチューニングした「SH-101」と「JUNO-106」のサウンド
  • PCM MODEL:アコースティック・ピアノやエレクトロニック・ピアノといった、実用性の高い波形を用意
  • RHYTHM:ドラム専用パートを備え、さまざまなジャンルで使えるドラム・キットを用意

トーンやパターンをさまざまなサウンドに仕上げられるエフェクトセクションでは、制作やパフォーマンス中にエフェクト・タイプの呼び出しやパラメーターの調整、センド・レベルの設定などが素早く行える。各シーケンサーパートに95種類のエフェクトタイプから選択可能な専用のMFXプロセッサーを搭載。フィルターやドライブ、Lo-Fiエフェクトに、ディレイ、ピッチ・シフター、フェイザー、フランジャー、JUNOコーラスまで、あらゆるスタイルに最適なエフェクトを備える。ミックス全体にかけるコーラス、ディレイ、リバーブのほか、各パートのセンド・コントロールとオン/オフの切り替えボタンも装備。パターン出力用のMFXプロセッサーに加えて、ミックス全体を微調整するためのシステムEQとコンプレッサーも搭載する。

シーケンサーは、最大60音の同時発音に対応。5ピンMIDI I/Oや専用のクロック入力、外部の楽器と接続するための3.5mmステレオオーディオ入力を装備し、拡張したハードウェアセットアップでのサウンド・モジュール、コントローラーとしても利用できる。

サイズ/質量はW360×D195×H66mm/1,780g(電池を除く)。給電はUSB Type-C端子で行うが、単3形電池×4(ニッケル水素電池/アルカリ電池)での駆動にも対応する。本体のほか、USB Type-C to USB Type-Aケーブル、アルカリ電池(単3形)×4などが付属する。