2023年以降、Release Previewチャネルで配信しているWindows 11 Insider Previewの更新が顕著だ。現地時間2023年1月17日にバージョン21H2向けのビルド22000.1515とバージョン22H2向けのビルド22621.1192をリリース。現地時間2月16日および21日には、ビルド22000.1639、ビルド22621.1343をリリースした。
今後リリースされるWindows 11を企業・組織や個人が検証するためのRelease Previewチャネルは、次期更新プログラムを示しており、現時点ではWindows 11 Moment 2とも呼ばれ、2023年中に行われるアップデートの内容を垣間見られる。今回はビルド22621.1343に反映された変更点をご紹介したい。
まずはタブレットモードにおけるタスクバーの動作。DevチャネルのWindows 11 Insider Previewに触れてみると、タスクバーに並ぶボタンのサイズ差が目に付く。筆者はタブレットモードをほぼ使用していないが、ピン留めしたアプリは起動しやすそうだ。
また、任意のアプリを起動するとタスクバーは最小化し、上部にスワイプして呼び出す仕組みとなる。その際はスタートメニューも同時に現れる。
エクスプローラーの検索機能にも軽微な変更が加わった。検索ボックスにキーワードを入力すると、すぐに検索結果が現れる。これは改善というより「先祖返り」と述べたほうが正しいだろう。
Windows 10の検索結果はWindows 11 バージョン22H2と同様だが、筆者が確認した限りではWindows 8.1の結果に戻っている。OneDriveおよびOneDrive for Businessのファイルオンデマンド有効時は検索結果も曖昧になり、過去のファイルを参照する場面も目減りしているので、どちらが便利なのかは甲乙付けがたい。このあたりは正式リリース後に改めて判断したいと思う。
タスクマネージャーの検索機能は正式採用になるようだ。これは起動中のアプリやスターアップアプリ、稼働中のプロセスを対象にキーワード検索で表示を絞り込む機能。タスクマネージャーの表示形式はカテゴリー別で少々分かりにくく、筆者はSysinternalsのProcess Explorerによるツリー表示を常用しているが、表示内容を絞り込む意味でタスクマネージャーの検索機能は有用と言えるだろう。
個人的には、タスクバーの検索ボックス/アイコンに関する設定が加わる点を評価したい。Windows 11 バージョン22H2の検索ボックスはスタートメニュー/検索ページ上部に現れるが、Release Preview版Windows 11 Insider Previewは検索ボックスに入力した文字を検索ページに反映する。
動作に対する感想は置いておくとして、ポイントは検索アイコンへの変更やアイコン非表示といった設定を用意した点だ。Windows 11 バージョン22H2は「検索アイコンとラベル」の表示/非表示を切り替えるのみだが、検索機能の利用スタイルに応じて選択できる。
Windows 11のタスクバー(エクスプローラー)には多くの手が加わり、古いWin32アプリのコンテキストメニューが正しく動作しない場面も少なくない。引き続きエクスプローラーを含めたデスクトップの改善に期待する。
ほかにもいくつかの変更点が各所で報告されているのだが、ここでは筆者が確認した内容のみ紹介した。一部から注目を集めた録画機能付きSnipping Tool(バージョン11.2302.4.0)は、不安定なので割愛している。
今回のWindows 11 Moment 2は劇的な変化ではなく、ユーザーの利便性を高める細かな改善が各所に加わった。この方向性はベータチャネルのWindows 11 Insider Previewからも見受けられる。気になるリリース時期は現時点で不明だが、のちに登場するMoment 3を見越せば2023年前半ではないだろうか。いや今春(2023年春)には登場するかもしれない。