今週はMicrosoft EdgeのPDFエンジンをAdobe Acrobatに置き換える発表など興味深い動きがあったものの、やはりChatGPTのMicrosoft Bing(以下、Bing)統合だろう。

すでに本サイトを含めて各媒体がニュースや考察記事を掲載しているが、少々概要を述べておきたい。ここのところ話題になったAIチャットはOpenAIのChatGPT 3.0だが、BingのAIチャットはGPT-3.5をベースにしたPrometheusモデルを採用している。Bingにチャットウィンドウを用意し、ユーザーの質問に蓄積した情報から文章で回答する機能だ。

  • Bingのトップページには新Bingの紹介が加わる

Microsoft, CVP&Consumer CMOのYusuf Mehdi氏は公式ブログにおいて、検索品質の向上や完全な回答、新しいチャット体験などを得られると強調している。もちろん鵜呑(うの)みにするつもりはないが、近年のWeb検索結果はいただけない。日常生活の情報や身体不調の理由などを検索しても、満足する結果が得られにくくなった気がするのは、著作権を無視したようなWeb記事や表面的なまとめ風のWeb記事が増えたという一面もあるだろう。

それはBingに限らずGoogleも一緒だ。Microsoftは「完全な回答」と主張する理由として、「Web全体から検索結果を確認し、探している回答を要約する」としている。検索体験が年々低下している状況を鑑みると、前述したチャットメッセージによる回答は興味深いアプローチだ。本来なら検証を経てから評価したかったのだが、筆者はまだ「順番待ちリスト」にエントリー中。Microsoftの説明が正しいのか過剰なアピールなのか見当がつかない。ただ、SNS上の知人は「○○のビールがおいしい店」「Azureの○○実装」という質問を行い、ChatGPTは参考になりそうな結果を示したそうだ。

  • いつ利用可能になるか不明だが、エントリーは国内からも可能

ChatGPTをMicrosoft 365 Appsに展開する可能性は明らかだろう。Microsoft Wordなら作成した文章の草案、Microsoft Outlookなら新規・返信メールの文面作成、Microsoft Excelならセルに入力する情報の生成と、有用そうな場面は多い。

Microsoft EdgeがChatGPTの入り口になる以上はWindowsの機能ともいえるのだが、迷走する検索ページにキーワード検索のみならず、AIチャット用検索ボックスが加わる可能性もある。もしくはBingのトップページのようにデスクトップに検索ボックスが現れるかもしれないが、それは個人的にノーサンキューだ。

  • 発表会に参加したお歴々。左から、Microsoft, CTO Kevin Scott氏, OpenAI CEO, Sam Altman氏、Microsoft EVP, Scott Guthrie氏

Microsoftが公開した発表会では、Kevin Scott氏やScott“赤シャツ先生”Guthrie氏、エンジニア系の役員も参加している点に注目。Microsoftの製品に幅広くAIチャットを展開するのは確実だろう。ただ、音声AIアシスタントのように、技術・ビジネス的に限界が見えたら即時終了することは否定できない。AIチャットの利便性やリスクの説明は別の機会にするとして、少なくともここ数年のWindowsはChatGPTと進みそうだ。

  • Bingの「チャット」タブを開いて質問すると、AIが図のような回答を行う