2023年2月7日から19日にかけて、タクティカルシューティングゲーム『レインボーシックス シージ』（以下、R6S）における年間最大の世界大会「Six Invitational 2023」が、カナダ・モントリオールにて開催されます。

本大会には、2022年を通したグローバルランキングの上位16チームと、各地域の予選を勝ち抜いた4チーム、合わせて20チームが集結。日本からは、グローバルランキングによって出場権を獲得した「CYCLOPS athlete gaming」（以下、CAG）が出場します。

記事では、これまでのCAGの活躍の振り返りや「Six Invitational 2023」グループステージの情報と合わせて、現地に到着した「CAG」へのインタビューをお届けします。

  • 2月2日にモントリオールに向けて出発した「CAG」のメンバー

3年連続出場のCAG、初のプレイオフ進出を目指す

「CAG」は2022年シーズン、APAC Northリーグのステージ1とステージ3で上位2チームに入り、5月の「Six Charlotte Major 2022」と11月の「Six Jönköping Major 2022」、2つの世界大会に出場。これらの大会で獲得したポイントにより、グローバルランキングで16位にランクインし、「Six Invitational 2023」への出場権を手にしました。

「Six Invitational 2023」に出場するメンバーは、BlackRay選手、Anitun選手、SuzuC選手、Ayagator選手、そして新加入したArcully選手の5名です。「CAG」は、2019年から長い間メンバーチェンジを行っていませんでしたが、2023年1月にgatorada選手が脱退。「Crest Gaming Lst」から移籍したArcully選手を新メンバーに迎えた体制で挑みます。

「CAG」は、今年で3年連続の「Six Invitational」出場。「Major」への出場も含めて、これまでに何度も世界大会に挑んできた「CAG」ですが、グループステージ突破を果たせていません。新体制で挑む「CAG」が、初のプレイオフ進出を叶えられるかどうかに、大きな注目が集まります。

なお、昨年に引き続き、今年もオフィシャルCAG応援ソングがリリースされました。ガールズバンド「TRiDENT」とゲーマータレント野々宮ミカさんによる「VOLTAGE（R6S Ver.）」が、「レインボーシックス 日本公式」YouTubeチャンネルにて公開されています。

  • 新加入のメンバーArcully選手

【CAG応援ソング】R6S x TRiDENT『VOLTAGE (R6S Ver.)』Feat. NONOMIKA

「Six Invitational 2023」に出場する20チームは、AからDまでの4グループに5チームずつ振り分けられ、グループステージを戦います。グループステージは、Bo3のシングルラウンドロビン（1周の総当たり戦）にて実施。各グループの上位4チームがプレイオフトーナメントへ進出し、グループで最下位のチームは大会敗退となります。なお、グループステージでは、マップスコアに応じて下記のポイントが付与されます。

4ポイント：マップスコア2-0で勝利
3ポイント：マップスコア2-1で勝利
1ポイント：マップスコア1-2で敗北
0ポイント：マップスコア0-2で敗北

「CAG」はグループCに決定。グローバルランキング2位の「Team BDS」（フランス）、グローバルランキング5位の「Astralis」（アメリカ）、グローバルランキング9位の「Oxygen Esports」（アメリカ）、そしてラテンアメリカ予選を勝ち抜いた「LOS + oNe」（ブラジル）と対戦します。

  • 「Six Invitational 2023」に出場する20チーム

  • 「Six Invitational 2023」グループステージの振り分け

モントリオール現地に到着した「CAG」にインタビュー

2月6日、カナダ・モントリオールの現地に到着した「CAG」にオンラインでインタビューを行いました。新メンバーArcully選手を迎えたチームの状況や現地での練習環境、グループステージで対戦するチームへの印象などについて聞いています。

  • 現地の練習部屋からインタビューに応じてくれた「CAG」の選手たちとFuji3コーチ

チームに新たな風を吹き込む若手、Arcully選手の加入

――今回の「Six Invitational 2023」が、新体制のお披露目になります。長い間メンバーを変えていなかった「CAG」が、ここでメンバーチェンジに踏み切った背景を教えていただけますか？

BlackRay：世界でより高い目標を目指すためです。チームの不調もあり、それを何とか変えたいと考えての決断でした。大会までの準備期間が短いとメンバーチェンジが難しいのですが、「Six Invitational」までは少し期間が空くので、このタイミングで行いました。

――「CAG」としては、どのようなプレイヤーを求めていましたか？

Fuji3（コーチ）：最近の環境において、強さや存在感を発揮している若いプレイヤーを求めていました。Arcully選手は、今までの「CAG」にはいなかったタイプのプレイヤーなので、新しい風を吹き込んでくれていますし、新しい「CAG」を披露していってくれると思います。

――Arcully選手は英語が堪能だそうですが、バックグラウンドをお聞きしてもいいですか？

Arcully：6歳から12歳までの6年間、フィリピンに住んでいました。そのあとは日本に戻ってきています。

――新たなチームに加入して、スクリムなどを通しての手応えはいかがでしょうか。

Arcully：前のチームと違う部分があって、まだ慣れていないところもありますが、良い形になってきていると思います。

――迎え入れた側の皆さんから見て、Arcully選手はどんな印象の選手ですか？

Anitun：Arcullyさんは18歳で、チームのなかでも一番若いので、僕からすると弟みたいな感じです。でも、プレイ面では僕より強いので、お兄ちゃんみたいな存在でもあります（笑）。

現地での強豪チームとのスクリムで、最後の調整へ

――5人そろっての練習期間はまだあまり長くないと思いますが、チームの完成度としてはいかがでしょうか？

Ayagator：練習期間としては実質1カ月くらいです。メンバーが変わって、みんなでいろんな面を見直したり、話し合ったりしたので、準備はできています。完成度としては、10段階中の7くらいかな。残りの細かな部分は、本番まで少し練習時間があるので、強豪チームたちとスクリムしながら詰めていきたいと思っています。

――現地に到着してからの、練習環境について教えてください。

SuzuC：ホテルのなかに、各チーム1部屋ずつ練習部屋が用意されています。昨日から練習部屋が使えるようになったので、各々ランクをまわすなど、個人練習を始めていました。チームでの練習は、今日のお昼からスタートしています。

――日本とモントリオールでは時差が14時間ありますが、コンディション面で影響を感じる部分はありますか？

SuzuC：あります。時差ボケの影響なのか、逆に生活リズムが良くなって、朝早く起きてしまうんですよ。現地では、試合が夕方からスタートするので、お昼くらいに起きるようにして、試合に備えたいと思っています。

――現地でのスクリム相手は、グループステージで別グループになったチームなどですか？

SuzuC：はい、基本的にはそうです。

――今日のスクリムでの手応えはどうでしたか？

SuzuC：やっぱり海外チームとのスクリムでは、学べることがすごく多いなと感じます。自分たちがやりたいことを上手くやっていたりするので、それを吸収して、もっと良いパフォーマンスを出せるようにしたいです。

――インゲームでのコミュニケーションに関して、短縮しやすい英語などに比べて、日本語だと長くなりがちだと聞きます。そういった違いを感じることはありますか？

Fuji3（コーチ）：それはすごく感じます。日本語は母音と子音の組み合わせでできているので、どうしても英語などに比べると長くなってしまう傾向にあります。なので、チームで細かいポジションに名前をつけるときも、長いものは却下して、より短い呼び方に変えたりしています。それもあって、「CAG」はチーム独自の名称がかなり多いです。

今度こそグループステージを突破し、期待に応えたい

――グループステージのグループ分けが発表されましたが、印象はいかがでしょうか？　同じグループCのなかで、特に意識するチームや楽しみな試合があれば教えてください。

SuzuC：「Six Invitational」は、世界中から最高峰のチームが集う大会なので、どこのグループになっても油断はできないと思っています。グループCは、1つ前の「Major」で優勝した「Team BDS」がいますが、ほかのチームもまったく侮れません。全チームに警戒して戦っていきたいです。

Ayagator：どのチームも強い印象ですが、2022年の「Major」で優勝した「Team BDS」と準優勝した「Astralis」がいるので、粒ぞろいのグループだと思います。楽しみなのは、やっぱり「Team BDS」との試合ですね。「Team BDS」は、「Rainbow Six Japan Invitational 2022」（以下、RJI）で来日して、圧倒的な1位を取ったチーム。僕らはRJIに出ていないので、今回勝ったら相当な盛り上がりになるでしょう。「Team BDS」とは、これまでにも公式戦で何度か戦っているので、なおさら楽しみです。

Arcully：僕は、RJIで「Team BDS」と戦ったことがありますが、世界大会への出場は初めてです。なので、どのチームとの試合も楽しみです。

――それでは最後に、「Six Invitational 2023」に向けた意気込みと、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

Arcully：朝早くから試合を観てくださる皆さん、本当にありがとうございます。応援よろしくお願いします。

Ayagator：今度こそ、世界大会でグループステージを突破しようと、みんな張り切っています。今回も、また皆さんが楽しめるような試合をするので、応援よろしくお願いします。

BlackRay：いつも応援ありがとうございます。「Six Invitational」三度目の正直ということで、皆さんに良い姿を見せられるようにがんばります。

Anitun：まだ1度もグループステージを突破できていないので、そろそろ突破して、ベスト4は行きたいと思います。応援よろしくお願いします。

SuzuC：これまで毎回グループステージを突破できずにいたので、今回こそファンの皆さんをがっかりさせないようにがんばりたいです。応援よろしくお願いします。

Fuji3（コーチ）：たくさんみんなで話し合って、新しい作戦を考えてきました。今まで見せたことのない「CAG」を見せられると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

  • 昨年の「Six Invitational 2022」グループステージでの模様

  • Anitun選手（Six Invitational 2022）

  • Ayagator選手（Six Invitational 2022）

  • BlackRay選手（Six Invitational 2022）

  • SuzuC選手（Six Invitational 2022）

CAGの試合は、2月8日～11日の朝（日本時間）に実施

「CAG」はグループステージで、日本時間の2月8日から2月11日にかけて出場します。日本語配信はYouTubeとTwitchにて、下記画像のスケジュールで行われます。時差の影響で、各日程のスタート時間は日本時間の0時ごろ。CAGの試合は朝方の時間帯となりますが、ぜひ早起きしてCAGを応援しましょう！

■CAGの対戦スケジュール
・2月8日（水）6:00～　vs「Team BDS」
・2月9日（木）9:00～　vs「LOS + oNe」
・2月10日（金）6:00～　vs「Astralis」
・2月11日（土）9:00～　vs「Oxygen Esports」

  • グループステージの日本語配信スケジュール（色のついた部分がCAGの試合）