積水ハウスは1月12日、全国の20〜60代の既婚の持ち家に住む男女を対象に、コロナ禍前後での冬の光熱費の変化や暖房器具の使用状況、冬場に多く発生するヒートショックなどの健康面への意識や対策状況など「自宅における冬の寒さ対策に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
冬場の日中の外出・在宅意向は、コロナ禍前は「外出したい派(屋外・屋内)」が過半数の 54.6%、「自宅で過ごしたい派」が45.4%であったが、コロナ禍では「自宅で過ごしたい派」が54.4%で過半数となった。夏に実施した調査結果と比べても「自宅で過ごしたい派」の増加ポイント数は夏の約2倍となり、コロナ禍での冬場の日中における在宅意向が高まっている。
冬場に自宅で長い時間を過ごす上で、気になることや不安なことを尋ねると、「電気代が上がること」が半数以上で最多となり、3位の「ガス代、灯油代が上がること」も35.6%と、光熱費全般の上昇を懸念している人が多い。2位は「運動不足」で43.4%、4位から6位は乾燥に関わる項目(肌、部屋、喉)となった。冬に発生が増える「ヒートショック」について不安と回答した人は8.6%であった。
コロナ禍前より電気代が上がったと回答した人の割合は、夏の44.0%に対し、冬は63.6%で、電気代が上がった人のうち3人に1人は月々5,000円以上と回答した。さらに、ガス代(灯油代)もコロナ禍前より増えている人が多い。
自宅で暖かく過ごすために行っていることの1位は「エアコンや、ストー ブ・ヒーターなどの暖房器具を使う」が66.6%。次いで「厚着をする」(42.8%)、「温かい飲み物を飲む」(40.8%)の順となり、暖房器具に頼るだけでなく体を温める工夫を行っている人が多い。
電気代節約のために、どのような暖房機器の使い方をしているか聞くと、1位は「就寝中は暖房機器の使用を控える」で38.6%。次いで「エアコンや暖房機器の設定温度を下げる」(36.2%)、 「日中は暖房機器の使用を控える」(35.2%)となった。
換気については、約3人に1人が定期的に窓を開けて換気する頻度がコロナ禍前と比べて増加していることがわかった。換気のときに困ることの1位は「暖めた部屋の室温が下がる」(43.6%)で、2位以下は「虫などが入ってくる」(28.0%)、「花粉が入ってくる」(21.8%)と続いた。
換気の際に室温低下を防ぐために工夫していることを尋ねると、1位が「換気時間を短くする」(31.3%)、2位は「換気中も暖房器具を消さない」(23.4%)。一方、「工夫していることはない」と いう人も3割以上いることが判明した。
毎年冬に多発するヒートショックは、気温の急激な温度差で血圧が乱高下し、最悪の場合脳梗塞や心筋梗塞につながる恐れのある現象。今回の調査における認知度は88.2%で、全体の半数以上は「どのような状態になるか内容に関して知っている」、約1割は 「ヒートショック発生時の対策方法まで知っている」と回答し、命に関わる危険な症状であることも多くの人が理解しているとうかがえる。
冬場に自宅で長い時間を過ごす上で気になることとして「ヒートショック」や「換気によ る室内温度の低下」を挙げた割合は、「周囲の人がヒートショックの経験あり」の人では20%を超えたが、「周囲の人がヒートショックの経験なし」の人は8.2%だった。
ヒートショックの発生が心配な場所は、全年代で1位が浴室、2位が脱衣場であった。3位のトイレは全体では28.8%だが、60代では全体より17.4ポイント高い46.2%。浴室やトイレにおける危険性は認知が高まっていると読み取れる一方、「廊下」は全体で10.4%、また「寝室」は全体では 5.9%、40代以上では 2〜3%台であった。寝室をヒートショックのリスクが高い場所と考えている人は少ないが、朝の起床時や夜中にトイレへ行く時など、暖かい布団の中と寒い寝室の温度差に注意が必要だという。
ヒートショックを防ぐために行っている対策は、全体では「風呂上りには手早く着替える」が24.0%、「浴室暖房機で浴室を温める」が21.5%と、浴室や脱衣場に関するものが多く挙がった一方で、「朝起きる前活研究に暖房が付くようタイマーを設定しておく」は 13.2%、「寝ている間もずっと暖房をつけておく」が 6.8%と、寝室周りの対策を行っている人は限られる。さらに、約3人に1人は「特に何も対策していない」と回答し、特に 30代から50代では「特に何も対策していない」人の割合が最多であった。ヒートショックは誰にでも起こりえるため、自分事として対策をすることが大切だという。
なお、積水ハウスは、寒い冬も自宅で快適に過ごすための「幸せTips」として、「温活の習慣化につながるインテリア」、「湿度を上手にコントロール」、「空気の流れを工夫」、「家全体の温度を均一に」の4つを紹介している。調査結果および4つの「幸せTips」については、調査レポートで詳しく解説している。