ポータブル電源やモバイルバッテリーを手がけるZENDURE Japanが、家庭用のポータブル蓄電池「SuperBase V」を日本で販売すると発表した。2023年春の販売開始を前に、東京・有楽町駅前の体験型ストア「b8ta Tokyo - Yurakucho」(東京都千代田区)で実製品の展示を開始した。販売価格は未定だが、「数十万円クラス」(担当者)とのこと。
SuperBase Vは、一般家庭で使われる1日分の電力をまかなえるポータブル蓄電池。キャンプやアウトドアレジャーなどで持ち出して使うポータブル電源よりも蓄電容量が格段に大きいことと、消費電力の大きな電化製品が動かせるのが特徴。本体は大きくて重いため、基本的に家庭に据え置いて利用する。
家庭に設置して配電盤に配線すれば、もし停電してもSuperBase Vから冷蔵庫や照明などの電化製品に電源供給できる。UPS(無停電電源)機能も備えており、停電になった瞬間にSuperBase Vからの電力供給に切り替えられる。屋根などに設置したソーラーパネルからの電力や夜間の安価な電力で蓄電池を充電し、ためた電力を日中に使うことで、ふだんの電気代を節約できるメリットもある。
SuperBase Vは本体のみで6.4kWhの容量を持つが、増設用バッテリーを接続すると最大で一般家庭で使われる1週間分の電力を備えられる。バッテリーは、安全性が高く高密度で蓄電できる半固体電池をいち早く採用しているのもポイント。
ここ数年、日本では災害による停電が増えているうえ、この冬は電力の厳しい需給状況を受けて節電が呼びかけられるなど、安定した電力供給が突然絶たれる可能性は誰にでもある。万が一の停電で冷蔵庫の食料がダメになったり、調理器具や照明、空調が使えなくなって生活に困る事態を防ぐため、日本でもポータブル蓄電池に注目が集まりそうだ。