新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の機能を停止させるアップデート Ver.3.0.0(機能停止版)の配信が始まった。段階的に配布し、1週間程度ですべての利用者へ配信予定だ。実際の手続きの流れをスクリーンショットで紹介する。

  • 新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」Ver.3.0.0の配信が始まった

政府は新型コロナ感染者の全数把握見直しにともない、「効果が限定的になる」としてCOCOAの機能を停止することを2022年9月に予告していた。2020年6月19日の試行版(プレビュー版)公開以来、約2年5カ月で約4,123万ダウンロードされ、368万9,915件の陽性登録が行われた(いずれも2022年11月11日時点)が、今回のアップデートをもってその役目を終える。

  • iPhoneの場合は、App StoreからVer.3.0.0にアップデートできる

Ver.3.0.0より前のバージョンのCOCOAでは、接触確認のための定期的な処理が作動し続ける仕様のため、インストールした端末ではわずかながら通信料・バッテリー消費などの負担が発生し続けてしまう。

最終アップデート版となるVer.3.0.0では、COCOAの機能・運用の停止をユーザーに伝え、ユーザーの手続きによって接触確認のためのアプリの通信機能を削除。さらに、アプリの成果・結果や課題のとりまとめの一環として、利用者に同意を得たうえで、「接触通知が発生していた回数」の調査を実施できるようにする(回答しないでスキップも可能)。

アップデートして画面の案内に沿って操作すると、最後にアプリを削除するよう求める画面が出る。機能停止の手続き期限は現時点では設けていないが、厚生労働省では「可能な限り2022年12月末までに行ってほしい」と呼びかけている。

  • 機能停止のお知らせ画面から、機能停止手続きをはじめる

COCOAは、これまでは利用状況を把握するための情報収集は行っていなかったという。これはプライバシーに最大限配慮した仕組み(プライバシー保護と潜伏期間等を考慮して、ユーザーの日次鍵・受信した接触符号・診断キーは14日後にスマートフォン側で無効化する)を採用したためだったが、利用者へ適切にリスクを伝え、注意を喚起できたかを把握できていないという課題も生まれていた。

今回の機能停止版では、通知発生回数の提供にユーザーが協力する場合、15日以上前の接触通知発生回数を、調査回答の送信時に限って有効化して送信する。これによって接触通知の発生回数を把握し、今後のデジタル技術を活用した感染症対策に活かしていくとのこと。

  • アンケートの調査目的、送信される情報とその取り扱いについての説明をよく読んでおく

送信される情報はすべて匿名で、詳細は以下の通り。送信を望まない項目は回答しないことも可能だ。

  • 利用者の年代
  • 利用者の通勤通学の有無
  • アプリ利用開始日
  • 接触通知発生回数(日次)
  • 利用者の年代・通勤通学の有無をリストから選んで答える

接触通知発生回数(日次)の送信に同意した場合は、2022年4月7日以降に陽性登録者の接触符号を受信した日付と、各々の日付における接触判定の有無が送信される。

  • アンケートに答える場合は、送信の許可をふたつオンにして「回答を確定する」をタップ

手続き後はアプリを削除しても問題ない。なお、手続きをせずにCOCOAを削除してしまった場合は、スマホのOS側で接触通知処理が続く可能性があるため、以下の方法で処理を止めておきたい。

  • iOSの場合:iPhone端末の[設定]→[接触通知]→[接触通知をオフにする]を選択
  • Androidの場合:OSの設定アイコン → [Google] → [COVID-19 接触通知システム] → [接触通知システムを使用]をオフ

これまでは各種イベントや映画館などでCOCOAの利用が推奨されてきたが、今後は利用推奨を取り止めるよう厚労省が呼びかけているため、目にする機会も減ることだろう。COCOAの機能停止に関する詳細は厚生労働省のWebサイト(よくある質問)を参照のこと。

  • 機能停止のボタンを押して終了

  • アプリの機能停止の手続きが終わると、以降はアプリを再度立ち上げた場合この画面が表示される