外部からサイバー攻撃を受けた、侵入されてシステムがダウン、などといった物騒な話が珍しくないコンピュータの世界ですが、iPhoneもそこに無縁な存在ではありません。インターネットに接続して使うことが前提である以上、攻撃の対象になる可能性はありますし、セキュリティを意識して利用しなければなりません。

セキュリティを維持するには、システムを最新の状態に保つことが有効な対策のひとつです。既知の脆弱性、つまり"世間に存在が知られてしまった進入路"を急いで塞がないことには、無防備な状態を外部に晒してしまうことになるからです。

iOS 16で導入された「緊急セキュリティ対応」は、システムをつねに最新の状態に保つためのオプションです。『設定』→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「自動アップデート」の順に画面を開き、「セキュリティ対応とシステムファイル」スイッチをオンにすれば有効になります。

緊急セキュリティ対応が有効になると、ソフトウェアアップデートの一部として提供される重要なシステム更新(セキュリティアップデート)が自動適用されます。ソフトウェアアップデートはインストールするかどうかをユーザが決定できるため、適用が先延ばしにされることがありますが、自動適用ならばその心配はありません。つねにシステムが最新の状態に保たれるので、セキュリティの観点からはベストな方法といえるでしょう。

なお、iOS 16にアップデートすると、「セキュリティ対応とシステムファイル」スイッチは初期状態でオンにされています。スイッチをオフにしても、一部のシステムファイルは自動的にインストールされることがあるため、iPhoneのセキュリティはある程度守られますが、特別な理由がないかぎりスイッチはオンのままで利用すべきでしょう。

  • iOS 16で導入された「緊急セキュリティ対応」とは