建材メーカー大手のLIXILが、新IoT実験住宅「みらいえらぼ」を越谷レイクタウン(埼玉県越谷市)に開設しました。社内外の最新IoT機器を設置し、スマートホームの進化・普及を目指すとともに、機器メーカーと連携してIoT機器の開発に向けた交流の場としても活用する予定です。
「みらいえらぼ」では、家のさまざまな建材や設備、設置した家電などがインターネットに接続され、対応製品をスマートフォンから操作できる同社のIoTホームリンクシステム「Life Assist2」などを経由して、遠隔操作できるようになっています。
建物は木造2階建ての戸建住宅ですが、もとはLIXIL住宅研究所のコンセプトホーム「人生100年時代の未来住宅 五世代」をリノベーションした施設。五世代対応のため約65坪ほどと広く、部屋数の多さを活かして、「プレゼンルーム」「遠隔操作ルーム」「未来提案ルーム」「社内検証ルーム(非公開)」の4エリアに区分けし、工務店やパートナー企業向けに、スマートホームやIoT製品の研究、提案を進めます。メディア向け体験会に参加してきました。
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Life Assist2のスマートフォン用アプリ画面。リビングでインターネットにつながっている機器はアイコンでも表示され、タップすることでオンオフ操作が行える。また湿度計や温度計、CO2濃度計なども同じネットワークにつながっていればアプリ側に表示され、数値と連動して家電を自動で動かすこともできる
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この「リビング」ではAlexaと連携させ、「Alexa、おはよう」「Alexa、ただいま」「Alexa、行ってきます」「Alexa、おやすみ」といった声かけで、複数のIoT家電を適切にオンオフできる設定となっていた
室内の温度と連動して自動でエアコンが稼働するデモンストレーション。※デモンストレーション用に、ドライヤーを使って強制的にセンサー付近の温度を上げています
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IoTホームリンクシステム「Life Assist2」のホームデバイス。設備や家電などの機器、各種センサー、カメラなどの対応機器と通信し、操作や制御を行うためのゲートウェイだ。Life Assist2自体は室内にあるルータに接続し、ネットワーク内のIoT製品をスマートフォンやスマートスピーカーなどからコントロールできる
プレゼンルーム
プレゼンルームでは、IoTホームリンクシステム「Life Assist2」を中心に、浴室の浴槽掃除、お湯はりなどの遠隔操作ができるシステムバスルーム「リデア」や、外出先からでも簡単に戸締りの確認ができる「スマートクレセント」(IoT錠)、スマホでの開閉操作が可能な「電動シャッター」などを試せます。LIXIL製品以外でも、エアコンやスマートスピーカーなども設置されていました。
スマートフォン操作で窓のシャッターが自動で開くデモンストレーション
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洗っている様子。清掃時間は約6~7分程度といい、水が勢いよく浴槽全体に散布されていた。例えば職場から帰る前に設定しておくと、家に着いたときには浴槽の掃除が終わりお湯がたまっている状態にできる(お湯はり機能はノーリツ給湯機のみ対応)
遠隔操作ルーム
遠隔操作ルームは、同社の顧客やパートナー企業などに「Life Asisst2」の設定や操作方法を説明する場所。部屋の入り口に据え置き型Webカメラを設置し、遠方からでも、電動シャッターやカーテンが開閉する様子を確認できます。
未来提案ルーム
LIXILが考えるスマートホームを提案するエリア。ここではパートナー企業とIoT製品の研究開発などを行います。
スマートホーム普及の鍵は「提供側に知ってもらうこと」
「みらいえらぼ」という名称の由来は、「未来+家+ラボ」「未来+選ぼう」を組み合わせたもの。
LIXILのLIXIL Housing Technology デバイス事業部 デバイス商品開発部 第3開発室の倉林慶太室長は、LIXIL製品に限らず、生活を便利にするIoT製品を集め、体験できる場所と紹介します。
「みらいえらぼ」をIoT住宅に特化させた理由として、「スマートホームやIoT製品は、実はエンドユーザーのほうが詳しいことがある。工務店やパートナー企業などが、“スマートホームではこういうことができる”と、新しく提案できるようになることが、スマートホームが普及する要因になる」と話しました。