サブスク(サブスクリプション)全盛の現在、「スマホで音楽を楽しむのはサブスクだけで十分!」と考えている人は多いでしょう。「聴きたい曲は何でもある」というイメージのあるサブスクですが、収録されていないアーティストやレーベルは意外に少なくありません。「サブスク化されていない手持ちのCDをスマホで聴きたい!」というサブスク全盛時代ならではの悩みを解決する周辺機器として登場したのが、アイ・オー・データ機器の「CDレコ」。「CDはパソコンで取り込んでスマホに転送すればいいじゃん。そんな周辺機器をわざわざ買う必要ナシ」と考えていた昭和世代のパソコン大好き編集者も、好ましい使い勝手や意外な拡張性の高さに「こりゃ便利だな…」とヤラれてしまいました。

  • おもにライトユーザーをターゲットにした「CDレコ6」だが、ふだんパソコンをガンガン駆使している人にとっても便利に使えた。CDレコ6の実売価格は13,500円前後

サブスクで聴けない楽曲は意外に多い

この数年で、スマホで音楽を楽しむ方法として確固たる地位を獲得したのが、Apple Musicをはじめとするサブスクです。月額1,000円程度の料金で数千万曲もの楽曲が手持ちのスマホで聴き放題になるわけですから、流行らないわけはありません。

しかし、「サブスクは死ぬまでやりません!」「サブスクを考えた人は地獄に堕ちて」とコメントしたアーティストが話題になるなど、サブスクに背を向けるアーティストやレーベルは存在します。かつて日本中を席巻したモーニング娘。をはじめとする「ハロー!プロジェクト」の楽曲や、ジャニーズ事務所の一部アーティストの楽曲、KONAMIの音楽ゲーム「BEMANI」シリーズのサウンドトラックなど、さまざまなアーティストやレーベルの楽曲はサブスク提供がなされていません。

  • 愛蔵のCDを見ても、音楽のサブスクに楽曲を提供していないレーベルは意外と多い

そのような楽曲は、いったんパソコンに取り込んでからスマホに転送すれば、スマホで聴けます。しかし、近ごろのパソコンはSSD化が進み、ハードディスク時代と比べて容量が少なくなっていることもあり、「大量の楽曲を保存する余裕がない」という人も多いはず。そもそも、音楽CDを読み込むための光学ドライブを内蔵していないパソコンが大多数となり、「パソコン経由でスマホに楽曲を転送するのは無理」という人が多いのでは?

「パソコンを使わず手持ちのCDをスマホで聴きたい!」と考える人に向けて登場したのが、アイ・オー・データ機器の「CDレコ」です。CDレコは歴史の長いシリーズで、すでに数機種が登場していますが、最新モデルの「CDレコ6」(CD-6Wシリーズ)はスマホとワイヤレス(Wi-Fi)で接続できることや、楽曲をUSBメモリーやSDカードに保存する機能を備えたのが特徴です。

  • スッキリとした外観が好ましいCDレコ6。カラーはホワイトとブラックの2色を用意する

CDの取り込みは簡単&軽快、アプリの間違いには要注意

実際にiPhoneで使ってみたところ、使用感は上々。子どもでも戸惑うことなく使えると感じました。

スマホをWi-FiでCDレコと接続し、取り込みたい音楽CDをCDレコに入れると、スマホの「CDレコミュージック」のアプリにCDのタイトルや楽曲の名前が表示されるので、あとは「開始」のボタンをタップするだけでOK。60分前後のアルバムでも3~4分で取り込みが完了するので、サクサクと作業できます。取り込みが終わるとCDがイジェクトされ、視覚的にも終わったことが確認できるのは便利です。ドライブは中央部の穴を固定する方式なので、懐かしの8cmCDも対応します。

  • 音楽CDをセット。懐かしの8cmCDもアダプターなしで対応する

  • 音楽CDの取り込みは、右下の「その他」のタブから「CD」のアイコンをタップすればよい。CDはインターネット経由で楽曲情報やレーベル画像を自動取得する

取り込んだ楽曲は、同じCDレコのアプリで再生できます。デザインはシンプルで素っ気ない印象ですが、使い勝手に不満はありません。設定により、Apple Musicの楽曲もCDレコのアプリで再生できますが、ワタシはそれぞれは個別のアプリで再生する方がゴチャゴチャせずにイイと感じました。

  • 楽曲再生の使い勝手は標準的。楽曲の順番変更機能や歌詞を表示する機能もある

スマホに取り込んだ楽曲は、背面に差し込んだUSBメモリーやSDカードにも転送でき、クルマのカーナビやUSBメモリー対応オーディオなどでも楽しめます。アプリでは「バックアップ」という機能から実行することからも分かるとおり、転送したい楽曲やアルバムを選ぶ方法ではなく、すべての楽曲をまるごとコピーする方法となります。

  • 背面にUSB端子やSDカードスロットを備えており、スマホに取り込んだ楽曲をUSBメモリーやSDカードにバックアップできる。USB端子を使ってパソコンに接続することはできない

ただ、手当たり次第に手持ちのCDをスマホに保存してライブラリーが大きくなった場合、USBメモリーやSDカードにバックアップされる楽曲も多くなり、再生に使うオーディオ機器によっては目的の曲にたどり着くのが大変になることも。選択した任意の楽曲やアルバムだけを転送する機能も欲しかったと感じます。

ちなみにCDレコのアプリ、色違いで同じデザインのアイコンを用いた「CDレコミュージック」と「CDレコ」の2つのアプリが存在し、CDレコ6では「CDレコミュージック」のアプリを用います。製品パッケージのQRコードを使えば正しいアプリがダウンロードできますが、App Storeから検索でたどると間違いなく「CDレコ」のアプリを入手して「ドライブが見えない!」と頭を抱えることになります。このあたりの紛らわしい仕様は改善してほしいと感じます。

  • App Storeで「CDレコ」で検索すると、同じデザインのアイコンのアプリが2つ出てくる。製品名と同じ「CDレコ」のアプリを間違って導入すると、Wi-Fiで接続したドライブがアプリで永遠に認識されずに頭を抱えることになる

必要な機能を有料で追加する拡張性の高さが好印象

CDレコ、標準のセットでも満足して使えますが、別売のオプションや有料アプリを導入することで、さらに便利に使える“拡張性の高さ”を備えているのがユニークだと感じます。

その1つが電源。標準では付属のACアダプターをコンセントに差し込んで使いますが、別売のUSBケーブル「ISCB-CD100K」を購入すればモバイルバッテリーで動かせます。スマホとの接続がワイヤレスなのに、CDレコ自体がコンセントに縛られるのはナンセンスだと感じていたので、バリバリ使いたいならこのケーブルはマストアイテムといえます。実売価格も980円前後と、純正アクセサリーとしては良心的な価格なのが評価できます。

  • 標準では付属のACアダプターで駆動する。ACアダプター自体はコンパクトで扱いやすいが、「スマホとはワイヤレスで接続できるのにコンセントのある場所の近くでしか使えない」という制約は大きい

  • 別売のUSBケーブルを使えば、一定以上の出力があるモバイルバッテリーやUSB電源で動かせるようになる。価格も手ごろで、マストアイテムといえそう

もう1つがDVDビデオの再生機能です。CDレコの光学ドライブは音楽CDだけでなくDVDの読み取りにも対応しており、DVD視聴用のアプリ「DVDミレル for CDレコ」(1,600円)を購入すれば、CDレコに入れたDVDビデオのディスクをスマホやタブレットで再生できます。移動中の車内など「スマホやタブレットでDVDビデオが見たい!」というニーズは多いので、ワイヤレスでスマートにDVDが見られるこのアプリは便利に活躍しそうです。

ここまでの拡張性を備えるCDレコ、もうひと声欲しかったのが「パソコンの光学ドライブとして使える機能」。前述の通り、近ごろのパソコンは光学ドライブを搭載しなくなりましたが、たまにCDやDVDを使いたくなる状況が発生します。外付けの光学ドライブをわざわざ買わなくても、パソコンに拡張用のアプリを導入すればCDレコがワイヤレスの外付けドライブとして使える…となれば、格段にCDレコの魅力が増すと感じます。前述のDVDミレルと同じぐらいの金額で対応できれば、「普通の外付けドライブを買うよりもCDレコの方が多機能だしワイヤレスだし便利!」と購入者が増えそうな気がするので、メーカーにはぜひ対応を検討してもらいたいと思います。

  • 「ワイヤレスでパソコン接続できる光学ドライブ」として使えるようになるなら、2,000円ぐらいの追加投資が必要でも納得できそう

CDレコ6の実売価格は13,500円前後。CDレコシリーズには、ケーブル接続のみの「CDRI-LU24IXA」(実売価格は11,500円前後)も存在するので、購入の際は間違えないようにしましょう。