Windows 11 バージョン22H2(以下、22H2)がリリースされた。ただし、サポートページの説明にもあるとおり、22H2の実体であるKB5017383はプレビュー段階。大胆な変更は影を潜め、注目していたエクスプローラーのタブ機能は10月の正式公開を待つ必要がある。

  • Windows 11 バージョン22H2

ITプロ向けの22H2情報は、Microsoftの公式ブログが分かりやすい。機能更新プログラムの入手や展開方法、セキュリティ関連の新機能をまとめている。また興味深いのが、別の公式ブログだ。

Microsoftの説明によれば、22H2への更新プログラムはUUP(Unified Update Platform)に基づいて編成を更新。通常の更新プログラムと比較して、ダウンロードサイズを450MB(または14%)、インストールに必要なストレージ容量を約399MB(または8%)、負荷が高い際のストーレジ使用量を約849MB(または11%)減らしたという。

UUPはWindows 10 バージョン1709以降で導入された技術だが、MicrosoftはクライアントPCが受信するUUPファイルコレクションの構造を再設計し、必要なファイルのみダウンロードおよび適用している。筆者も22H2の適用にはそれなりの時間を要するのかと覚悟していたところ、ものの数十分で作業を継続できた。アクセサリー群をMicrosoft Store経由で更新しているのも大きいのだろう。

振り返れば、Windows Update経由で配信する更新プログラム群は、新機能とバグの修正という恩恵があると同時に、新たなトラブルに見舞われる諸刃の剣だった。インストールしたアプリやカスタマイズ状況によって適用体験が異なり、場合によってはPCが起動しなくなる致命的なトラブルが発生していた。

筆者が体験したトラブルには、家人がノートPCでWindows 10の機能更新プログラムを適用していた最中にバッテリー残量がなくなり、Windows Boot Managerが破損したというものがある。このときはBCD(ブート構成データ)ファイルの再構築で難を逃れたが、ノートPCのバッテリー残量に対して神経質になる筆者としては、PCを利用する上での基本的な知識の重要性を改めて認識した一件だった。

  • Microsoftのティザーサイト

OSの準備は整った。次はデバイスだ。Microsoftは現地時間2022年10月12日10時から何らかの発表を行う予定。Surfaceの新モデルと思われるが、Microsoftの年次イベント(Ignite 2022)と重なる点が気になる。Igniteは、Microsoftの新しいソリューションやビジネスの方向性をつまびらかにする場だ。

Igniteの趣旨と新Surfaceの発表は少々異なるが、おそらくプレゼンターとなるWindows&デバイス担当上級副社長 兼 最高製品責任者のPanos Panay氏の動画は事前収録。Ignite 2022は数年ぶりのリアル&オンライン開催のため、このスケジュールを選択したのだろう。為替レートの問題で海外製デバイスの購入は控えている筆者だが、10月はエクスプローラーのアップデートと新Surfaceが楽しみである。