MM総研は8月25日、2022年7月に実施した携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態についての調査をまとめ、その結果を公表した。
5Gプラン契約者の増加が月額料金の下落傾向にストップをかける
下記のグラフは、携帯電話の月額料金について尋ねた結果をまとめたもの。端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額は、スマートフォン利用者全体で4,549円と、2021年12月の前回調査から68円の減少となっている。ただし、直近2回の調査とくらべて下落幅は小さくなっており、下げ止まりの兆しがみられるとしている。
この原因としては5Gプラン契約者の増加によるものと分析している。5Gプラン契約の有無によって月額料金をみると、5Gプラン契約者が5,147円、4G(および3G)プラン契約者が4,328円と、5Gプラン契約者のほうが819円高いという結果。月額料金として高い金額を支払う傾向のある5G契約者の比率が増えることで、月額料金の下落にストップがかかっているというわけだ。
MNO4社のスマホ契約者は高い月額利用料金を支払っている
契約している回線の種類別にみると、楽天モバイル(自社回線分のみ)を含むMNO4社でスマートフォンを利用しているユーザーが、5,146円(前回から347円増)と突出して高い月額利用料金を支払っている。サブブランド利用者は2,223円、MVNO(音声通話対応)は1,956円と、支払額だけをみればやはり大きな差がある。利用実態の違いはあるだろうが、やはり費用面でサブブランド/MVNOのメリットは大きい。
端末購入金額は5G対応/非対応で22,852円の差
端末の購入金額は、スマートフォン利用者全体では平均61,050円で、前回調査から323円の増加ではあるもののほぼ横ばい。購入端末の5G対応の有無でみると、5Gスマホ利用者は75,532円、4Gスマホ利用者は52,680円。22,852円の差が出た。
契約している回線の種類別にみると、MNO4社のメインブランド利用者が67,591円と高く、サブブランド利用者は44,702円、MVNO利用者は43,534円。ここでもサブブランド/MVNOの利用者がコスト面にシビアであることがうかがえる。
なお、スマホのプラットフォーム別にみると、iOS(=iPhone)が平均81,158円、Androidが平均47,292円と大きな差がみられた。5G有無による価格差も、5G iPhoneが94,479円で4G iPhoneが71,901円(価格差22,578円)、5G Androidが59,742円で4G Androidが41,054円(価格差18,418円)と、iPhoneのほうが大きな差となっている。
月間のモバイルデータ通信量は増加傾向。5Gユーザーの通信量は4Gユーザーの1.5倍
スマートフォンユーザーの月間のモバイルデータ通信量は引き続き増加傾向で、前回調査より0.39GB増(4.4%増)の9.34GB。5G/4G別では、5Gプラン契約者が12.31GB、4Gプラン契約者が8.37GBとなっており、5Gユーザーは4Gユーザーの1.5倍近くデータ通信を利用しているという。
月間データ通信量の分布をみると、「1GB」がもっとも多く全体の1/3。中央値は「3GB」となっており、3GBまでのユーザーが半分以上を占める。「7GB」や「16~20GB」のところに山ができているのは、プラン上限として7GBや20GBを設定していることが多いためかと思われる。
調査概要
- 調査対象:15~69歳の男女
- 回答件数:39,056人
- 調査方法:Webアンケート
- 調査時期:2022年7月