AIdeaLabは8月17日、深層学習を用いたフォント生成システムの特許出願を行ったことを発表した。この技術を活用し、手作業のフォント制作をAIで補助するソフトウェアを開発するという。

  • 5文字デザインから独自モデルで14000文字以上生成

AIdeaLabが特許出願を行ったのは、生成モデルの一種である敵対生成ネットワーク(GAN)をベースに用いてフォントを生成する技術。大量のフォントを学習させたうえで、手作業でデザインした数個の文字から太さやセリフの形状などの特徴を抽出し、入力パラメータとして使用してフォントを生成する。

また、入力パラメータの値を調整することで、新たなフォントを出力することも可能。モデルの出力をピクセル画像ではなくベクター画像として生成する独自の技術により、フォントファイルへの出力を実現した。

こうした機能により、これまで年単位の時間がかかっていた日本語のフォント制作を、極めて短時間で実現できるとしている。

今回の特許出願は、フォント生成モデルの核となる技術に加え、アプリケーションUIも含む。フォントの特徴を司るパラメータを調整してフォントを生成するUIや、少ない文字数のフォントデザインをアップロードするだけでフォントを生成するUIなど、さまざまなパターンのサービス展開を見据えて出願に織り込んでいる。

この技術をもとに、AIdeaLabはフォント制作会社向けのフォント生成補助ソフトウェアの開発を予定。手作業でデザインした数個の文字から、そのスタイルに合わせて漢字を含む14,000種類以上の文字を自動でAIが生成することで、フォント制作にかかる期間を大幅に短縮する。