在宅時間が増えたことで、生活の変化にストレスを感じているという声をよく聞きます。なかでも多いのが、リモートワーク中に仕事モードへ気分を切り替えるのに苦労するというもの。そんな声を受けてか、パナソニックが光と音で「くらしを整える」シーリングライト、「ライフコンディショニング」シリーズを発表しました。くらしを整える――とは一体なんなのか、プレス向け説明会で体験してきました。
新製品の写真を見て「見たことある?」と思った人は、なかなかの家電通。今回のライフコンディショニングシリーズは、以前からの「AIR PANEL LED THE SOUND」(以下、THE SOUND)と同じデザインを採用しているのです。THE SOUNDはLED照明にパナソニック製の高音質Bluetoothスピーカーを組み合わせた製品で、部屋中に天井から音が降り注ぐように聞こえてきます。
THE SOUNDとライフコンディショニングシリーズは見た目こそ同じですが、違いは「生活を整える(ライフコンディショニング)」機能。このライフコンディショニングには、大きく2つの機能があります。ひとつは、生活のリズムを整える「生活リズムタイマー」です。
一日の中で特定の時間になると、その時間に合わせた明かりや環境音を提供するという機能。一例として「朝7時に起きて9時から5時まで仕事、途中にランチ休憩とオヤツ休憩を挟む」という場合は、7時になると自動的に光と音で起床を促し、休憩時間にはリラックスに向いた光の色に切り替わるよう設定できます。こうした設定はスマホアプリから。
パナソニックによると、学校のチャイムで授業と休憩時間が切り替わるように、光と音で気持ちのオン・オフを自然に切り替えられるとのこと。時間を決めてメリハリある生活をすることで、「なんとなく夜更かし」を避ける効果が期待できるそうです。家族が集まるリビングにライフコンディショニングシリーズを導入すると、子どもの夜更かしを減らせるかもしれません。
ライフコンディショニングシリーズでは、「時間に合わせた光」も設定できます。太陽の自然な光は、午前中は白っぽくて明るく、午後から夕方にかけて光が徐々に弱くなり、色も白からオレンジがかった暖色に変わります。この「光のタイミング」を家庭の照明で再現することによって、身体が自然に朝昼晩のリズムを作るんだとか。
さらに、アプリで自分が住んでいる地域を設定すると、日の入り時間に合わせた光の演出も。たとえば「リモートワーク中は常にカーテンを閉めているから時間の感覚が曖昧になる」というときなど、うれしい機能ではないでしょうか。
最近よく聞く「マインドフルネス」機能を使って自宅で簡単セルフケア
もうひとつのライフコンディショニング機能は「マインドフルネス」です。光と音楽、音声ガイドによって、マインドフルネス瞑想によるセルフケアをサポートします。
今回の説明会に登壇した一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代理理事の吉田昌生氏によると、マインドフルネスとは「自分への気づき」のこと。瞑想を通して普段意識しない自分の呼吸などを意識することで、心を安定させてストレスを軽減できるそうです。吉田氏によると、テレワーク中の不安解消対処法として、国連もマインドフルネスを推奨する通達を出したとのこと。
ライフコンディショニングシリーズのマインドフルネス機能は、大きく4つのフェイズで構成。最初に光をゆっくりと明滅させて深呼吸を促し、続いて周期的な光の揺らぎで集中力を高めます。そしてロウソクのようにチラチラとランダムに変化する光の揺らぎで「気づきの瞑想」に入り、最後は徐々に白く明るい光に変化させて日常に戻ります。
ノーマルコース(約7分)のほか、すきま時間に実行しやすい約5分のコースも選べます。実際にマインドフルネスコースを体験した林編集長によると「リラックス効果は確かに感じます。仕事や家庭のToDoをいったん忘れてゆったりした気持ちで取り組むとよさそう。なかなか実感しにくい面はありますが、日々続けていると心が落ち着いていくのかも」とのことでした。
とうとうWi-Fiを実装! 遠隔操作や音声操作が可能に
そのほか大きな進化と言えるのは、Wi-Fiへの対応です。従来モデルのTHE SOUNDも、スマートフォンアプリ「あかリモ」を使った操作が可能でしたが、Bluetooth接続でした。
今回のライフコンディショニングシリーズはWi-Fi接続に対応したことで、スマートスピーカーと連携した音声操作や、外出先からのリモート操作が可能になりました(スピーカー機能と操作はBluetooth接続を継続)。筆者が今回の新製品で一番うれしかったのはこのWi-Fi対応かもしれません。
面白いのは、さまざまな音声プッシュ通知。薬を飲む時間やゴミの日を天井から音声で知らせてくれたり、パナソニックのIoT家電製品を連携させて「冷蔵庫の給水タンクの水が少なくなりました」といったお知らせを発話させたりできます。
テレビの音声をBluetoothスピーカー部分から出力するユーザーにうれしい「シアターモード」も進化しています。従来と同じスタンダードな音質のほか、「スタジアム(中/高)」という臨場感ある再生音質が加わりました。ライブ映像、映画、スポーツ映像などに向いたサウンドです。
照明は、家庭における電力消費が大きい家電の第2位!
パナソニックによると、家庭の照明器具のLED化はまだ50%ほど。しかし、資源エネルギー庁のデータでは、照明というのは家庭の中で2番目に大きな電力を消費しており、意外と消費電力が高い製品なのです。最近は電力供給の逼迫や電気代の高騰が問題になっていますが、LED照明にすることでこれらの問題を多少なりとも緩和できます。
LED照明は寿命が長いので、一般的な電球と違って10年以上も使い続けられることもあります。リモートワークの増えているこのタイミングで部屋のシーリングライトを買い替えるなら、ライフコンディショニングシリーズのような生活や仕事をサポートしてくれる製品を選ぶのもよいかもしれません。